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異類婚姻譚 みんなのレビュー

154(2015下半期)芥川賞 受賞作品

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みんなのレビュー256件

みんなの評価3.2

評価内訳

242 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

夫婦は異類にはじまり同類へと変化する

2016/01/31 21:55

8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山好きお坊さん - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルが良い、読みたくさせる猥雑さがある。
 超美人ともったいなくも離婚したパッとしない男と結婚して専業主婦で暮らす容姿の普通の女性が夫婦生活の進むにつれ、夫婦二人の顔が変化して似てきたことに驚く。夫の顔の鼻や目や口が時として勝手に崩れるがごとく位置をずらす。妻サンちゃんの注視に気づくと慌てて正位置に戻る。このころから旦那は人間ではないのではと思い始めた。物に憑かれたように携帯ゲームに興じたと思っていると、今度は今までしたこともなかった揚げ物調理に凝る。体調不良を理由に頻繁に会社を早退するようになると、美人な元妻とよりを戻そうとしているのかとサンちゃんは疑心暗鬼になる。耐えられず、旦那に「あんたのすきなものになりなさい」と問い詰めると、なんと旦那は、山芍薬に変じてしまう。サンちゃんは、キタヱと猫のサンショを捨てに行った群馬の山奥に、その山芍薬を植え、時々会いに行く。
 怪異譚だが、作者は何を言いたかったのか。世間でいう「夫婦は似てくる」ということをベースに、似てくるには理由がある「楽に生きるにはツレアイの姿に同化すればよい、意見でも過ごし方で目立つ差異には「角がたつ」。夫婦とはいえ所詮他人同士、波風立てないほうが気は楽だ。そう考えた方が一方にドンドンと食べられるがごとく自分を喪失させ、無意識に相方に似せていく。 本書では、似ていくことを気取られ、「似るのではなく、好きなものになれ」と怒鳴られた亭主は一輪の白い花を抱く山芍薬になった。ラストに清涼感が漂う、読後しばらく瞑目して、わが夫婦のあり様を思った。

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紙の本

面白く読めました

2016/06/16 20:37

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

第154回芥川賞受賞作。(2016年)
 気がつけば夫の顔が日常の怠惰で崩れている。いつしか妻である自分もその夫に似ている。
 説話のような暗い骨を抱えながら、けっして深刻ではなく、読み終われば温かな感情が残る。

 選考委員の一人川上弘美さんが好きな世界だが、その選評ではこう記されている。
 小説では「何」を「どのように」書くのかが大きな問題でこの作品の場合、「何」と「どうやって」の協同があった。それが余りにきれいすぎて「のび」がなかった。
 もちろん、川上さんの評価は前半部分で満ちているようで、この作品を推したとある。
 では、「のび」とは何であったのか。
 これはこの作品の作者本谷有希子さんの資質とも関係しているような気がする。
 本谷さんはすでに劇作家としての評価も高く、劇の構成上、まとめるということが必然である。「のび」は舞台上にはなく、観ている観客側にあるのではないかと思う。
 そのあたり、やはり作家と劇作家の違いが出ているのではないか。
 同じように同じ異界のような物語を描いても川上さんの世界観とはかなり相違しているのも本谷さんの個性だろう。どれだけ異様な世界であっても最後には放り出せないものとしてしか本谷さんは書けなかったのだろう。

 この作品は芥川賞を受賞したが、一歩線を足したり引いたりすれば直木賞の世界でもおかしくなかったようにも思えた。
 だからなのか、読後には物語を読んだという満足感が残った。
 最近の芥川賞受賞作でも出色の好編だろう。

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2016/02/10 13:33

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2015/12/29 14:15

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2016/11/24 12:21

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2016/05/26 15:57

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2019/11/13 16:23

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2016/01/23 01:20

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2016/02/09 12:10

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2016/02/17 22:13

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2016/01/27 20:55

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2017/04/23 10:18

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2016/02/03 02:49

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2016/04/05 21:42

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2016/10/06 19:10

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