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楽しい本でした。著者の黒川博行さんは私の大好きな「疫病神シリーズ」の作家さん。本書はギャンブル狂でもある著者の分身クロカワ氏が、雑誌社の担当の口車に乗せられて、麻雀、バカラ、ブラックジャック、パチンコ、ホンビキでひどい目に遭うという短編集。だいたい、ギャンブルでも事業でも成功談よりも失敗談の方が面白いです。日経の「私の履歴書」は読んでて飽きるけど、本書はほぼ一気読みでした。
本書の魅力はクロカワと胴元やディーラー、あるいは麻雀では相手との駆け引き。台詞は全て大阪弁。
「ちょっとお客さん、勝ち逃げでっかいな」
「すんません、また来ますわ」
「どないです。あと3番だけ勝負してもらえませんか?」この後、クロカワ氏には苛酷な運命が待っています。
私は30代までパチンコも麻雀も大好き。40で20年近くインドネシアに島流しになってギャンブルから足を洗えました。今は株以外のギャンブルには手を出していません。
麻雀に手を染めたことのある人は本書は面白く読めるはずです。ただ、専門用語が解説なしで出てくるので、麻雀をしない人にはちょっとハードルが高いかもしれません。