紙の本
女の選択
2017/09/22 20:15
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
あさのあつこさんは他作品では一本筋の通った男を書いてきたが この作品に出てくる男のほとんどがしょうもないところが妙にリアルです。
今回は女たちの選択が見どころ。間違った選択をした女たちもいれば お竹のようないじらしい道を選ぶ女もいる。最後のおやすの選択は正に女の強さでした。
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あさのあつこさんの時代物。おえんという外国人の血をひく女医とそこを訪れる女性たちの話。男たちに翻弄されてしまうさまざまな女性たちが登場。女性の哀しさもありつつ、子どもという強い繋がりを持った存在を得ることで力強く生きようとする女性を全力で支えようとするおえん。男なんて…と思う反面、女性にとってかけがえのない子どもという存在を得ることができるのは男がいてこそと優しく諭すおえん先生。次作が楽しみ。
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シンプルではない、一言では説明のつかないものを抱えているのが女なのかな、と思いつつ読んだ。
花冷えての最期、そんな仇の討ち方に希望が持てる。
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子どもを授かったことにより、女は母になる。
母になることを決めた女は強い。
どんなに手を尽くしても、おゑんが助けられなかった女だっているけれど。
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竹が鳴く/花冷えて
毒婦、賢母、悪妻、善人…
色々言いにはするが、誰だって一言で片付けられるようなものはいはしない。
おゑんと家主である高麗屋との会話だ。
そして、哀れにも思うし、怖くもあるし、呆気にとられるし、うなずきそうにもなる。
と、いうのは高麗屋の言葉だけど、本当にそうだった。
無垢な童女のように見える年増女の不気味さも、若い娘だからこその傲慢さや歪みも、鬼にならざるをえない母も。
おゑんが異国の血を引いていて、またそのこと故に、おゑんの家族があまりにも酷い形で殺されたことは前回語られた。
今回、サラッとおゑんの口から語られる新たな真実がある。
まず、それなのに何故この仕事に就いたのだろう…と思った。自分は母親にも父親にもなれないのに。
そして、そのことを医師である祖父はどのようにおゑんに説明したのか知りたいと思った。
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あさのあつこさん、「花冷えて」(闇医者おゑん秘録帖)、2016.1発行、竹が鳴く、花冷えての2話です。芯の強い女性の生き方と女性の「因業」といいますか、哀しい「さが」が描かれています。殺したい。殺せばなお苦しくなるのに・・・。殺さずにはいられない。その結末やいかに・・・!人を助けられなかったおゑんの自問自答が読者の心を打ちます。 そして、娘を亡くした母親の、悲しみや苦しみを超えて生きようとする姿が静かな感動を呼ぶラストです。
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闇医者おゑん秘録帖の続編。
謎解き要素が強まって、前作より面白かった。
けど。
結局、知りたがりの欲求でかき回しただけでは?
と、ちょっと読後感が悪かったかな。
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短編が2本、どちらも女の本性(と書くとすごく陳腐にみえる)を書き殴ったような物語。
怖さあり、悲しみあり。なんとも複雑。
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子堕ろしを請け負う「闇医者」であるおゑんのもとには、今日もわけありの女たちがやってくる。稀代の毒婦か、無垢な童女か。夫と通じた女中の子堕ろしを頼みに来た女将の態度は、いささか奇妙だった―闇医者の許に持ち込まれるのは、一筋縄ではゆかぬ事件ばかり。
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子を産んで母になる女、母になると覚悟して子を産む女、子がいなくても母になれる女もいて、誰が良いとは言えないけれど強く悲しい、けれど尊いと思った。思わなければいけないと思った。
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諸田玲子、平岩弓枝、藤井緋沙子、北原亞以子、宇江佐真理、、、、、
どの方も好きな作者である。
あさのあつこ氏も、現代小説ばかりでなく、「おいち不思議物がたり」「燦」などが、好きで読み始めたら止まらない。
今回の『花冷えて』の本は、「竹が鳴く」も描かれており、女の業、、、母になるという強さ。
今まで、自分の主張を言える立場でなかった、否、言えなかったのが、身を宿した身体が、成せる技。
石女(うまずめ)この言葉など、今の世代の人で、読める人も少ないだろう。
子どもの生めない、跡取りの出来ない女の事であり、家付きの女は、亭主に、外で子供を作らせて跡取りを作ったり、嫁は、子供が出来ないと、実家に帰されるという時代が、会ったのだと、、、、
「竹が鳴く」でも、大店の材木商のお江与は、何不自由なく、育ったのだが、何処で、人生を狂わしたのか?
弟の死、亭主の死へ向かわしたのは、何だったのだろう。
「花冷えて」
娘コロリ、、、最初の犠牲者から、おゑんが、たどり着く結論は、女友達の同氏の2人の一人お静を診察した時の違和感からである。
被害者は、全然恨みを持つものでない者迄、、、、死に至らしめたことを おゑんは、追求するあまりに、被害者のお千野の母おやすも知りえてしまい、鬼と化す。
お静は、階段から落ちてしまうのだが、、、
亡くなってしまって、娘の亡くした憎しみをどこにぶつければいいのか?
又、おゑん自体、自分は、犯人を追い詰めて、何をしたかったのか?
しかし、最後の、おやすの生命ヘ 追求へ、希望を託す女の気持ちが、「おゑんの上っ張りが、光をひいて煌めいた。」で、気持ちの持ち直しが、理解できた。
今や、40歳過ぎても、子供を授かることが出来る。
この時代のおやすにとって、まだ、30代半ば位かも、、、
この後のことは、書かれてないが、希望的見解が、予想される本であった。
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あらま、おえゑんさん。このたびは大失態じゃないですか。お静の兇行を看破なさったのはさすがですよ。ま、あなたにかかっちゃあ町娘の小賢しい仮病なんざ通用しませんでしょう。ただ、ご自身でもおっしゃるように、彼女をどうするつもりだったんですかね。人目をはばかって迫ったところで、5人もの命を奪った罪業をおいそれと認めやしません。いよいよ追い詰めるならば、あそこでたとえおやすが現れなかったとしても、この最悪の成り行きをあなたならば想定できたんではありませんか。このところ後味が悪い物語が続いたもんで、愚痴になりました。