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上巻から続きが気になって気になって、一気読みしてしまった。
やっとそれぞれの話の全容が見えてラストまで加速していくのだが、人を信用すること、人に信用されること、そして何よりも自分自身を信用することの難しさをひしひしと感じた作品だった。
ここで言葉に表現するのが、難しくて。
とにかく読んでもらった方が、伝わりやすいかと。
余談で、映画化するようだがどうのような形で映像になるのかが楽しみ。
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モヤモヤしたものが残りました。山上の「怒」の意味について明確な描写がないから想像するしかできないんだけど、犯罪者の考えなんて結局よく分からないので消化不良のまま終わってしまいました。
個人的には山上に法の裁きを受けさせたかったです。死ぬことが辛く苦しいことかどうかは人それぞれですし、 山上の行動が蓄積された怒りの爆発から来る行動なら、 逆に山上は救われたのかもしれない。怒り続けるのってしんどいと思う。だから北見の喪失感ってハンパないだろうなと思いました。なんだかんだで一番失ったものが多いし、残ったものが何もないのは北見ですしね。直接的にしろ間接的にしろ、山上が犯した罪はとても広くて大きいです。
人を信じることも信じないことも、どちらも難しくて大変なことですね。
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あらすじで気になり購読。
上巻では正体不明の男たちが謎に包まれたまま日常を過ごしているに過ぎなかったけど、下巻では信頼、裏切りが渦巻きすぎて気持ちがいっぱいいっぱいに。
結局信じきれなかった、もう一度信じた、信じてるから嘘をついた。
それぞれの結末に胸が熱くなった。
映画化、色々噂になってるけどどんな仕上がりだろう。
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少しずつ少しずつ明かされていく真実に
やるせない気持ちでいっぱいになる。
犯人の「怒」を記した意味をもっと深く描いてほしかった。
最後に明かされるのを楽しみにしてたのに。。
本の帯に書いてあったように、
着眼点を変えて読むべきだったのかな~。
だとしたら、もうちょっとありふれた事件で始めてほしかった。
冒頭部分に引っ張られすぎてしまった。
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「怒り」の意味とは?殺人の動機は?美香って何者?とか結局分からず、もやもやした終わり方。吉田修一らしくて良かったです。そこはそんなに重要ではないと感じました。「信じれば」幸せになれるわけではない物語。「信じた」からこそ裏切られた少年。細かなエピソードにより登場人物がより立体的に感じられました。読んでる途中も読んだ後も、いろいろ考えされられる本でした。ただ、少年には救いが欲しかったです。
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何だこれは。
言葉が出ない。遣る瀬無いなぁ。
殺人事件はオマケみたいなもので、これはミステリーではなく恋愛小説だと私は認識しました。
ゲイカップル、切なすぎるだろ。。
タイトルのインパクトが大きすぎて、何だかミスマッチな気がしました。
沢山の謎とモヤモヤが残ったけれど、コレはコレで良いのかも。
何とも言えない余韻が残っているので浮上するのに少し時間が掛かりそうだなー。
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てっきり、3つの話がラストにむけて関わりあって交錯して終結するんだと勝手に期待していたので、そうではなくて、がっかり。
3つの話はそれぞれ独立したまま終結します。
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「悪人」も切なくやるせなかったけれど、この「怒り」のやるせなさは虚しさとモヤモヤした何とも複雑な読後感で気分が沈んでしまった。
前作は事件の背景に共感の余地があるけれど、この作品は最近増えている理由無き殺人を思わせ、人を信じる心の脆さを嫌と言うほど見せつけられたなんだろと思う。信じたいけれど、一度不審な点を知るとどんどん不信感ばかりが増幅して行く心の脆さ。人間の弱さを突きつけられる作品でした。
星の少なさは単なる好みの問題で、ミステリーとしてはよく出来ていると思います。
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殺人犯の正体は下巻が始まってすぐに見当がつく、でも、2組は見当違いの自分にとって大切な人を殺人犯じゃないかと疑い、疑心暗鬼になる描写が読んでいて辛くなる。どんなに身近にいる人でも、99%は信じていても100%信じ切るって難しいですよね。まして、正体もよく判らず、犯人に特徴が似ていたらなおのこと……信じすぎて裏切られた結果が、あの結末だったとしたのなら、やるせない。
泉ちゃんが、勇気を振り絞った場面は、胸が締め付けられるようになり、愛子の場面で、少し救われたかのような気持ちになりました。
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他人を信じられない人を現実に僕は何人も知っている。他人を信じることができないのは孤独だと思う。けれど、他人を信じるというのもとても孤独な作業だということを本書を読んで感じた。何かあっても信じることができる相手がいるだろうか。自分としても、とても難しいことのように思う。
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殺人事件の逃亡犯人はいったい誰なのか。三つの家族にそれぞれかかわる人物の一体誰が真犯人なのか。その謎が明かされる。
3人の人物のうちだれが真犯人なのか、気になって一気に読んでしましました。
三つの家族の物語が進む中、人を信じることの気持ちが揺らいでいく様子が描かれ、信じることの難しさを感じました。
真犯人が判明し、謎がすべて明らかになるのかと思いきや、謎のまま終わってしまうところは、すっきりしない感じでしたが、この物語を読んだ人の信じる思いで想像するしかないと思いました。
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「元々好きな作家さんだから」という理由を差し置いても、一気に読んでしまいたくなる、読まずにはいられなくなる作品。
ミステリーに分類されるのかもしれないが、事件を解決していく物語というよりは、登場人物たちの人生に踏み込んで、その心の機微を感じ取る物語という印象。もちろんミステリーとしても完成度は高い。ただ、単なるミステリー小説とは分類しがたい物語の厚みがある。
誰を信じるのか?信じるとは?裏切りとは?秘密とは?過去とは?誰かを守るとは?そのひとの人生を構成するものは一体何なのか?
『悪人』とはまた異なる読後感がある。
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カテゴリーの分からない作品だ。
サスペンスと思って読み始めたが、内容としてはそれだけに留まるものではなかった。
「その人を信じること」=「自分を信じること」
それは言葉で語られる程簡単なことではなく、一種の思い込みのがないと出来ない。
間違わない為に自分自身の知見を高めていかないといけないが、そこに恋愛や親子愛の様な感情が入ると人は判断が狂ってしまう。
登場人物のその後がとても気になる。
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ミステリ系サスペンス、と思って読むと間違える作品。
仕掛けはサスペンスの体を成しているが、これは、「人を信じること」をテーマにしたヒューマンドラマである。
ついつい誰が殺人犯なのか?という点にフォーカスを当てて読んでしまうと(作者もそう読むことを誘うような書き方をしている…)、なんとなく物足りなさを感じてしまう。もちろん少しずつ解明されていく、犯人のプロファイルを紡ぎ合わせていく楽しさはある。ただし、その読み方だと、結末はあまりにあっけなく、犯人が“見えない”事件になってしまうのだ。
3つの場所のそれぞれのストーリー。
共通しているのは、信じようと思う人が、もし殺人犯だったら…? 多くの人は、その事態にどう対処するのだろうか?どう気持ちを持ち続けるのか?
愛の強さは、信じることの強さを決めるものではない。
信じようとする気持ちの強さは、殺人犯でないと信じきる強さを決めるものではない。
そして、信じたからといって、裏切られないとも限らない、のだ。信じることは、いつも盤石に人を救うわけではない。その反動で取り返しのつかない結末になってしまうこともある。
それでも、人を信じること、どこかで疑いながらそれでも信じようとすること、この、もどかしい、遠回りな、小さな営みを、繰り返していくしかないのだ。
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単行本で発売された時から気になっていた小説
やっと文庫本になったんだけど、
きっと暗いな…と思ったので少し放置
「悪人」に少し似た感じだけど
人の心の弱さに、容赦なくぐさっとくる
読み始めたら、止められない
そして、読んでいるこちらにも
犯人に対する怒りがいつの間にか…