紙の本
事件現場にどんな意味があったのか
2017/04/15 17:45
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投稿者:sipa - この投稿者のレビュー一覧を見る
上下巻を通してこの話では、約半年間の出来事が語られます。八王子夫婦殺害事件から1年後の2012年夏から、2013年冬まで。
2012年の夏、素性不明の男が現れるのは、千葉、東京、沖縄の3か所。映画の公式HPでは、これらを千葉編、東京編、沖縄編と呼んでいます。この3つの他に、八王子署の刑事が捜査をするパートがあります。こちらは公式HP上では、事件編と呼んでいました。
逃亡中の山神を探して、刑事は東京から全国各地に足を運びます。山梨、大阪、福岡、埼玉、静岡…そして千葉、沖縄にも。
刑事の、捜査以外の私生活についても書かれています。八王子署の独身寮に住み、出かけるのは主に立川や新宿。恋人らしき女性が出てきますが、消化不良のまま話は終わります。
事件の真相についても消化不良な点が多かったと思います。知人が語った山神との会話の中で、経緯らしきものは出てきますが。八王子の事件の現場で山神が行ったことに、どんな意味があったのか。
終盤で、正体不明な3人のうちの1人が山神と分かる瞬間があります。八王子の事件現場と、立川の自宅アパートに残っていたもの。それを思い出して、読者は、山神だ!となると思います。そういう物語的な意味はありますが、動機の面での説明が今ひとつ。
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投稿者:あさり - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰が犯人かはわかったけど、なんだかスッキリしない
でも、実は犯人なんか誰でもよかったのかもしれない
切ろうと思えばすぐ切れてしまえると思っていた、ふわふわした、そんな明らかでない存在を信じるということ。
対して確固たる存在であるはずの家族を信じること、守ること。
なんて難しいんだろう。
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2015年本屋大賞6位
殺人事件の犯人が逃走している中での1年後、3つの其々のストーリーに身元不詳の男が現れるお話。
3つのストーリーがどのように繋がってくるのか気になってしまい下巻は一気読み。
文庫本の帯には「私を裏切ったのは、誰だ?」とあるが、こんなに悲しい自分への「怒」があるのかと。。
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人を信じること、これは本当に難しいことだと思う。信じたいけど頭の片隅にもしかして?と疑っている自分がいる。相手の過去もすべて知りたいと思う。でも知ったうえで信じ切れるかな。。?かくいう私もすべてを話してはいない。
タイトルの「怒り」の意味が良く分からなかったけど(読み飛ばしたかな)、映画見たらわかるかな。
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読了して、何とも言えない読了感を得ました。人が人で居られるのは、身元を保証するものがあるからという、現実だけれどもなんともやりきれないものを感じました。結局は、相手が自分を信じていてくれても、自分の後ろめたい思いが無くならなければ解決しないことが多くあるということだと思いました。
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早く捕まえないと、あいつ絶対また何かやりますよ。
この言葉 凄く怖かった! あの2人が危ない!
そう思ったが 逆だった。
上巻は動きがなく退屈だったが、下巻は 色々 動きが有り 面白かった!
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山神一也は整形手術を受け逃亡している、と警察は発表した。洋平は一緒に働く田代が偽名だと知り、優馬は同居を始めた直人が女といるところを目撃し、泉は気に掛けていた田中が住む無人島であるものを見てしまう。日常をともに過ごす相手に対し芽生える疑い。三人のなかに、山神はいるのか?
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犯人はこいつだったかのか・・・。
本当のところはどうだったのか?と考えてもよい余地が残されているような気もする。
人と人とのつながりというのは、本当に千差万別十人十色。
それぞれに大なり小なり物語があるのだ。
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身元を知らない人を愛した時、どこまで相手を信じられるか、まして殺人犯と同じ特徴を持っていたら...顔が似ていたら... 人間の弱さに鋭く食い込んでくるもので、胸が詰まった。
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『自分たちにとっては切実なことでも、立場が違えば、気にもならない。どこか別の場所で降っている雨でしかないのだ。』
ここがすごく好きです。
映画のキャストが公開されていたので、俳優さんを当てはめながら読みました。
面白かった!一気に読みました。
映画楽しみです。
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大人になれば必ず出くわす「やりきれない」思いや「後悔」を抱えながら生きている人が沢山出てくる。どうしようもないものを背負って、しんどいな~と言いながら生きてるから、小さな幸せを大事にするのかも。
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一気読み。人を信じることは、なんて難しくて、孤独なんだろう。ただただ孤独で、自分だけにしか決められない。信じられるかどうか、というより、信じると決められるかどうかなのかも。
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「悪人」と同じ監督で映画化も決まっているということで、期待しすぎてしまった。。
最初から最後まで「人を信じることの難しさ」というテーマが貫かれていて、シンプルな構成と引き込まれるストーリー展開。
それだけに途中から、「犯罪者は誰か?」という結末を追いかけるだけになってしまった。
実際に起こった事件に近いエピソードも出てくるのだけれど、犯人像にはあまり迫らない。そのため、残虐性とか不気味さが読後にそのままもやもやと残る。とても怖かった。
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信じるというのは、その人のことを知っていく関係性の中で、少しずつ築かれていくんだよなと、あらためて思いました。
だからこそ、信じられる人がいることって大切なんだと感じさせてくれる一冊です。
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東京での会議も終わり、群馬へ行く道すがら、夜の通勤ラッシュの中から読み進む。
4つのお話がずんずん進み、房総と東京では素性の分からぬ男に対し、八王子の事件の犯人ではとの疑念が芽生え、どんどんと膨らみだす。
沖縄では娘が事件に遭い、それをきっかけに無人島の男も近くに来る。
3人の中に本ボシがいるのか、まあ、引っ張る、引っ張る。
ここで描きたかったのは殺人事件の犯人の心情ではなく、何の関係もない事件にでも左右されてしまうそれぞれの人生の悲嘆ということなんだろうけど、ここまで引っ張っておいて、最後がこれかよぉっていう気もする。
悲惨の中に小さな光も見えて多少救われる終章ではあるが、全体としては遣る瀬無い人生の陰鬱さのほうが印象に勝る。