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「赤毛のアンナ」のタイトルは「赤毛のアン」とは切り離せない内容であることを明白にしており、章のタイトルも「アンナの青春」「アンナの愛情」「アンナをめぐる人々」等々赤毛のアンのシリーズを真似ていて、アン好きはますます期待に胸を膨らませる。
しかし、読んでみればそこは真保ワールド。少女向け文学作品などでは有り得ない。
主人公は赤毛のアンに憧れている女の子だが、ストーリーは非常に現実的なものだ。だからこそアンへの憧れは強まるし、そこが心の逃げ場の一つとなる。アンが空想の世界で精神を自由に羽ばたかせていたように。
改めて気付かされたことがある。グリンゲイブルズに来る前のアンは決して幸せではなかったということ。それは勿論書いてはあるのだが、あの小説はその後の生活で幸せを掴んでいくストーリーであるから殆ど語られることはない。語られてもそこに現実味は感じられない。アンはアンナと同じようだったのかと思うと描かれていない現実が見え隠れして愕然としてしまう。真に理解していなかったことに気付くのだ。もっと言えばあまり辛いことがアンの身にも起こっていたかもしれないなどとは読者は考えたくもないのである。
例えば、アンが自分の身の上話をしてマリラが胸を痛めるシーンが冒頭にあるが、アン自身が話すことによって悲壮感はかなり薄れている。あの双子が3組いる家で馬車馬のように働かせられていたアンの境遇や言われた暴言などの実態を深く考えれば、幼児虐待に近いものがあるし、語られない部分を考えれば、それはもう知りたくない現実であるかもしれないのだ。でもそれは赤毛のアンの話。アンナの方は逃げる事の出来ない現実を生きている。アンと対比すればするほどその現実はますます悲壮なものに感じられるのだ。
そんな中にあってもアンナにとってアンは常に希望であり続ける。そして、希望は現実の中にありうるのだということをアンナが心で理解する日が近いことを示唆して小説は終わる。
何と言うか、アンナの物語を読むことで”赤毛のアン”という小説を更に深く追求した感じになるこの不思議さ。
でも、最後はちょっと拍子抜け。あれ、これで終わり?みたいな感じで。この小説をサスペンスと言うのであれば、もう一捻りあっても良かったかなぁ。
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私にとって、赤毛のアンは何度も読み始めては、途中で断念してしまった作品です。少し前テレビでアンのドラマがあり、興味深く観ましたが、、何故かアンの空想好きのおしゃべりが、好きではないようです。この作品のアンナも、赤毛のアンのファンで、空想好きおしゃべり、、最初はちょっとイラッでもなんか違うと思って読んでました。
仲間がどんどん集まってアンナの事がわかってくるまでは良かったけど、最後がもう少し盛り上がって欲しかったかな。
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著者が「赤毛のアン」を愛読したこと(らしい)と両親を亡くした子供たちが入る施設で育った人たちの抱える問題意識をうまくからめている。
本来主人公であるはずの「アンナ」は最後に来るまで他人の言葉でしか語られない。
様々な人が様々な角度でアンナを表現し、最後にアンナの言葉が出てくる。小説としては斬新な感じがしたが、読んでいてもどかしいことも事実。
正直、赤毛のアンを読んでいるかいないかで理解が違ってしまうと思う。(私は読んでいませんでした...)
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面白かったけど、「人のふんどしで相撲を取ってるんだから当たり前か。」って感じです。
ちょっと、ストーリーを作って収めるのに苦労した感も感じてしまいました・・・
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母を亡くし、施設に引き取られた安那は、持ち前の明るさで仲間たちを盛り上げる。15年後、彼女が男を刺して逮捕される。
どうやったら、自分で運命を変えることができるのか。
重い過去を背負った子供は、どんなに努力しても、運命を変えられないのか。
背負った過去は、変えられないが、幼い子供が自分の力で運命を変えようとする姿に、周りの人達は素直に感銘する。
運命を切り替えられるスイッチがあったらいいのに・・・。
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思春期の頃「赤毛のアン」読んでいたら、今の100倍面白かったかもしれない。
真保さん、こんなお話も書くんですね。
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アンナ、なんて心配りのできる素敵な子なの〜。
あんまりにもいい子すぎると、自分自身疲れたりしないのかね?
心遣いができるのはすばらしいことだけれど、ほどほどに。
やはり、何事もやり過ぎ、やりなさすぎという両極端なのはよろしくないよ。
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#読了。
「赤毛のアン」が大好きな少女志場埼安那は、母親を交通事故で亡くし施設に引き取られることに。明るく正義感の強いアンナは、皆に頼られる存在となっていく。そんなアンナが人を刺したとのニュースを聴き、離れ離れになっていた昔の仲間がアンナの為に立ち上がる。
重たい過去を持った話ではあるが、悲壮感はない。それどころか、アンナの前向きな考え方には驚かされる。きれいな区切りでの終わり方ではないが、この先に希望が持てるラスト。
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孤児院で育ったアンナ。まるで「赤毛のアン」のようにひたむきで明るい少女だった彼女が起こした事件。彼女に何があったのか、そして彼女のために何ができるのか。アンナの友人たちが真相を求めて奔走する、スリリングながらハートウォーミングな物語。
親のいない、施設育ちの子供というと不幸で可哀想というイメージになるのはある程度仕方ないものかもしれないけれど。決してそうとは言い切れないはず。それなのに無理解な世間があるのも確かで。数々の苦難に立ち向かう健気なアンナの姿は応援したくなるのだけれど、痛々しい部分もかなりあって。だからこそ、彼女を思う多くの人の存在にはほっとさせられました。これからのアンナの人生が幸福に満ちたものになることをひたすら祈るばかりです。
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孤児院で育ったアンナが大人になり
傷害事件を起こしたと報道される。
孤児院での仲間や職員、学生時代の友人、かつての恋人など
アンナと関わったそれぞれが
それぞれの想い出を胸に真相を突き止めようと奔走する。
章のタイトルも「赤毛のアン」に寄せてあるが
中身はしっかり真保ワールド。
この物語の先が明るいことを祈りたい。
【図書館・初読・4月13日読了】
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2016.4.22予約
母を車の事故で亡くし身寄りが全くないため、施設に引き取られてきた少女・志場崎安那。痛々しいほど明るく振る舞うアンナは、まわりを巻き込みながら仲間たちを盛り上げていく。25歳になったアンナが男を刺して逮捕された。かけがえのない時をすごした仲間が集まりアンナを助けようとする。
なんだか文章が読みにくく、突然話が始まったりする感じを受けた。でも、どなたもそんなレビューは無いので、私の理解力不足だと思う。
始まりは面白かった。だけど…
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赤毛のアンに自分の生い立ちを投影して生きるアンナが人を刺した。アンナと関わり、アンナのやさしさに触れたかつての仲間が、アンナの事件を紐解き、アンナの弁護をしたいと奔走する。
アンナは確かに人のことを考えられる優しい気持ちを持っている人だと思う。
だが、だからといって、人を刺していいとは思わない。
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いろんな人の視点で語られるアンナ。
みんな、アンナを信じていて、疎遠になったことを悔やんでいる人ばかり。
天邪鬼の私は、裏を読んで、ラストにアンナの衝撃の正体が明らかになるに違いないと思い込んでいた。
ミステリ読みの性かも(苦笑)
アンナが、そんなに魅力的にも思えなかったのも残念。
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今ひとつこの物語が楽しめなかった私に、
足りなかったものは何だろう。。。(自問自答)
ピュアな心か、はたまた人を思いやる優しい気持ちか・・・。
明るく、前向きでみんなに優しく、
いつも自分のことより他人の幸せを心から願う、
天涯孤独の孤児院育ちの少女アンナ。
そんなに無理して生きてたら、いつかどこかで爆発しちゃうよね。
人間そんな立派な生き物じゃないもの。
ダメな自分を認めることができるのは幸せだからかもしれない。
自分を支えるために『明るく良い子』を演じ続けなければいけなかったアンナちゃんが切ない。
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「赤毛のアン」にこだわらず書き直したらすごく面白くなると思う。
若しくは原田マハの「奇跡のひと」みたいに
日本版「赤毛のアン」にしたらどうかな・・・