紙の本
なるほど
2016/03/29 07:15
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投稿者:ぽんぽこ仮面 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「鏡の国」で野球をした場合・・・なるほど。ひょっとしてあの場面を思いついたところから発展させたお話ではないでしょうか。北村さんの他の作品と比べるとやや物足りないけど、パロディとしてはまずまずでした。
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青春ファンタジー?
野球にはサッパリ興味を持てないけれど、それでもつい応援したくなるお話でした。
こちらもミステリーランドからの文庫化。
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春風に誘われたような気まぐれから、アリスは新聞記者の宇佐木さんのあとを追い、時計屋の鏡の中に入ってしまった。その日は夏休みの「全国中学野球大会最終戦」の前日。少年野球のエースだった彼女は、負け進んだチーム同士が戦う奇妙な大会で急遽投げることになる。美しい季節に刻まれた大切な記憶の物語。
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前向きに強く生きる女性が書かれる北村作品だが,この小説ではなんと中学生の女の子が主人公.でもそこは北村作品でしっかりと困難に立ち向かう前向きな女の子と子供らしい憎めないやり取りが書かれていてとても好感が持てる.「アリス」ということで冗談というか言葉遊びも楽しい.
平たく読みやすく書かれているので,子供時代にこう言う小説に読みたかった.
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鏡を通り抜けて裏の街に行ってしまったアリス。中学からは野球から遠ざかるを得ない彼女にとっての最後のゲーム。性の差が出てくることへのほんのりとした辛さがチョッピリ救われる気がする。
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子どもだった頃。
子どもだけの場所で、
子どもだけの時間を過ごしていた。
大人になった今、
心の片隅に残る温かな記憶のかけら。
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ファンタジーな感じ?
小学生が中学生になって
男子と女子の違いが大きくなる時の
違和感や寂しさを思い出すような
優しいお話でした
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≪アリス「おーいみんな。野球やろうぜー!」≫
『ミステリーランド』から文庫化.
簡単な言葉・表現だし,物語の展開も早く読みやすい.
中学生や,ひょっとしたら小学生でも読みやすいと思うけれど,大人に向けられたメッセージというか,ノスタルジィというか,爽快的で後悔が浮かぶというか….
それでも明るくなれるというか.
今より昔の,子供のころのまとわりつくような暑さにも爽やかさを感じる夏.
一日一日が楽しみで目に入るものすべてが輝いていた春.
そういうことを経験した後の年代の方に,本書はより響くと思います.
「世の中の流れは大きすぎるから、動き出したら、一人でどうにかするのは難しい」
「自分のことじゃない人には、ただもう、おかしくて変なやつに見えるウサギさん」
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鏡の国のアリスと野球をモチーフに書かれたこの物語、ぼろぼろ泣きながら読んだ。ちょっとお説教くさいところはあるけれど、野球の楽しさに思春期の性差が切ないスパイスとなっていて、爽やかなのにほろ苦い素敵なお話だった。
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〈時と人〉三部作の北村薫がこういう子供向けのゆるい話を書いていたとは知らなかった。雑誌「小学6年生」の連載小説みたいな雰囲気。左右逆の「鏡の国」をモチーフにした話は数あれど、野球チームが負け進んで最弱チーム決定まで試合が行われるという発想はなかなか斬新だ。アリスが最初にやっちまったエラーや、その後の展開も概ね予想出来てしまうけれど、教育委員会推薦図書みたいに後味の良い健康的な内容だった。大人の私はそこが物足りない。
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子供のころに読んだような本だと、思いました。自分の日常に近くて、ちょっとファンタジーで。それと、少し大人になる。子供が読めばワクワクできそうだし、大人が読むと、昔に思いをはせられるかなと思います。軽めですが、読後感が良いです。
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この作者の小説を読むと、映像化したくなることが度々あります。「ベッキーさん」のシリーズは映像で見たい、と自分なりにキャストを考えてもみました。
この作品も映像化に向いてるように思いました。そして、それを見たら、きっと大泣きしてしまうと思いました。
いえいえ、映像化するまでもなく、この本自体でもう感動して涙が落ちました。軽い雰囲気でスルスル読み進められるのだけれど、行間に詰め込まれているものがとても多い。さすがだなあ、うまいなあ、読ませるなあ、そんな感じです。
「最終戦」の設定も、よく分かるんですよね。
葉桜も桜の花も、きれいですね。
対戦チームも、なんと、鮮やかに爽やかに描かれているのでしょう。
とても面白く、読後、心優しくなろうとしている自分に気が付きました。
最後に、宇佐木さんだけは、どうしても役者が浮かびませんでした。
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「野球の国のアリス」北村薫(講談社文庫)
P34
「にゃあああ」
ーーーあいつ、前も笑ったよな。
嫌なやつと思ったから、アリスは猫に向かって、《べー》と舌を出してやった。ーーー逃げるわけじゃないぞ、相手にしないだけさ。
高見の見物をしている太り気味の猫に、
「メタボ」
といってから、アリスは走り出した。
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中学1年生の女の子の素直な思いが語られる。淡い片思いや、正義感、ライバルへの気持ち。野球はこれで最後。全力で強豪にぶつかっていく。
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おそらく誰でも知っているでしょう、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の続編『鏡の国のアリス』を元ネタにした、なんとも可愛らしいファンタジー。しかも「野球」と言われたら、野球好きの私は素通りすることはできません。
豪腕投手の少女アリスは、ある日、新聞記者・宇佐木さんがせわしなく歩いているのを見かける。好奇心からこっそりつけると、宇佐木さんはひょいと時計屋の鏡の中へ。アリスも同じように鏡の中へ入ってしまう。そこには何もかもが鏡に映されたような国が広がっていた。折しもその国では全国中学野球大会最終戦がまもなく開催される予定。負け進んだチーム同士が対戦するというヘンテコな試合でアリスは投げることになるのだが……。
小学校ではエースでも、中学校に進めば男子との体格の差もあきらかになり、野球をずっと続けたいと切に願っていても、アリスが男子にまじって続けることは叶いません。憎たらしい奴だと思っていた野球仲間が、実はそんなアリスの気持ちをわかってくれていたり、元の国では野球をするところなど想像できなかった男子が鏡の国ではチームのキャプテンだったり。『アリス』をさんざん読んだ人であれば、その登場人物を思い出させるキャラクターもいろいろ出てきて、より楽しめると思われます。