紙の本
おもしろいが、最後まで予測がつかなければもっと楽しめた。
2016/03/26 18:14
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
単なる誘拐事件ではなく、徐々に薬害と絡めていく展開のうまさ、ストーリーテリングの巧みさはさすが筆者というところ。
しかし、早めの時点で犯人予測がついたのであまりドキドキ感はなかった。登場人物の描き方にもうちょっとひねりや陰影をつけていれば、犯人予測がつきにくいのではないかと思うのだが。
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グリム童話のハーメルンの笛吹男を名乗る人物による誘拐事件で七人の少女が誘拐される。少女たちは子宮頸ガンワクチン接種による副作用の為、さまざまな障害を持つ身となっていて、誘拐後の体調が心配された。全く解決の糸口がないまま、警視庁捜査一課、検挙率一の犬養らはどう事件を解決するのか、読みながら犯人像が全くつかめなかったが、ラスト、相変わらずの大どんでんの真犯人でした。
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「このミス大賞」で落選した方の作品『~カエル男』は、
今や、受賞した方の作品、岬洋介シリーズをも飲み込んで、
縦軸(時系列)と横軸(スピンオフ)が複雑に絡みながら、
様々なキャラクターを主役に、続々と新作が発表されて、
壮大な、一大サーガが形成されつつありますが…、
本作品は、
そんな『カエル男』サーガ(と勝手に名付けてみたり)で、
頭角を現してきた警視庁捜査一課の犬養隼人刑事を主役に、
連続少女誘拐事件に、子宮頸癌ワクチン問題を絡めた、
シリーズ3作目(長編2作目)となります…。
前作の短編集では、ボクは、
東野圭吾さんの『新参者』以来の満点★5つをつけた上で、
犬養隼人を、加賀恭一郎に匹敵するキャラと評しましたが、
本作品では、完成度は高く、安定感のある出来でしたが…、
チャレンジングな尖がり具合は大人しめだったかな~と…。
特に、
‘どんでん返しの帝王’との異名も持つ作者さんにしては、
あまり、意外性のなぃ真相、結末でありまして…、
期待度の高さほどの満足感は、得られなかったかも…。
それでも、十分、高評価の部類には入ってくると思います。
一点だけ、本編とは別に、懸念事項があるとすれば、
骨格となったテーマの「子宮頸癌ワクチン問題」は、
まだ、完全に結論がついていなぃので、
参考文献や、結論がついていなぃ旨の一文を、
最後に、付記しておいた方がよかったんでは…、と。
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子宮頸がんワクチンを接種し、その後副反応による記憶障害に苦しむ15歳の少女が、母親がほんの少し目を離した隙に誘拐されてしまいます。
その後、今後は子宮頸がんワクチンを推進している側である産婦人科協会会長の一人娘がまた誘拐されて。
どちらも犯人からの声明とも取れる「ハーメルンの笛吹き男」のイラストが書かれた絵葉書が残されていました。
ただの誘拐ものではなく、子宮頸がんワクチン禍の問題を正面から見つめた物語となっており、色々考えさせられる小説でした。
男性の視点と女性の視点との差、被害者側と加害者側の視点の差、立場による言い分と正義は、読む読者の立場によっても感じ方が変わるのかもしれないと思いました。
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ドキドキしたことはしたのですが、ところどころに詰めの甘さが残り、少し残念でした。
とは言え、まぁ面白かったです!
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綾子にとってたった一人の娘は子宮頸がんワクチンの副反応で記憶が1時間も保たない。綾子は娘とともに治療や啓発活動に勤しんでいた。しかしある日、目を離した一瞬の隙に、娘は誘拐されてしまう。現場に残っていたのは娘の学生証と、ハーメルンの笛吹き男のポストカードだけだった。
概ね子宮頸がんワクチンの副反応についての話。わりと中山さんの本は事件が全部完了しないと話の真相解明に動き出さない=終盤になってのどんでん返しが多い、イメージで。それがうまく作用して面白い話もたくさんなんだけど、今回はミステリーや刑事サスペンスという部分より副反応に付随するアレコレが全面に出ていて、刑事たちの動きがおまけでしかない印象で、犬養さんの活躍を楽しみにしていたのでちょっと残念。たぶん読者には犯人も動機も明らかだから、なぜそこを最初から疑わない!とむずむずした。でもちょうど副反応についてドキュメンタリー等で見かけていたので、それはそれで興味深く読んだ。
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図書館で。楽しみに待ってました。今回も鋭い嗅覚で事件をかぎ分ける犬養さんが大活躍!子宮頸がんワクチンをめぐる薬害問題。重みのあるテーマでした。
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(2016/12/13読了)
犬養隼人シリーズ第3弾。
例によって、犬養は女心が読めないと、折に触れなんども書かれている。それも事件解決に至るまでの経緯に関係がないわけではないのだけど、そこをそれほど推さなくても充分に話は回っているから、もういいんじゃない?って、中山さんに言いたい。
中山さんの作風である、どんでん返し、その上さらにのどんでん返しは健在。中山作品に慣れて来たこともあってか、意表をつくってほどでもなかったけどね。
星4つはおまけ。このテーマを取り上げ、不動な相手にメスを入れたことを加味して。
(内容)
病院からの帰り道、母親が目を離した隙に15歳の少女・香苗が消えた。現場には中世の伝承「ハーメルンの笛吹き男」の絵葉書が残されていた。警視庁捜査一課の犬養隼人が捜査に乗り出し、香苗が子宮頚がんワクチン接種の副作用によって記憶障害に陥っていたことが判明する。数日後、今度は女子高生・亜美が下校途中に行方不明になり、彼女の携帯電話と共に「笛吹き男」の絵葉書が発見された。亜美の父親は子宮頚がんワクチン勧奨団体の会長だった。ワクチンに関わる被害者と加害者家族がそれぞれ行方不明に。犯人像とその狙いが掴めないなか、さらに第三の事件が発生。ワクチン被害を国に訴えるために集まった少女5人が、マイクロバスごと消えてしまったのだ。その直後、捜査本部に届いた「笛吹き男」からの声明は、一人10億、合計70億円の身代金の要求だった…。
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子宮頸がんワクチン接種で障害をおった15歳の少女が誘拐された。現場には「ハーメルンの笛吹き男」を描いた絵葉書が残されていた。警視庁捜査一課の犬養が事件を追う。
薬害告発ミステリーです。
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子宮頸がん予防ワクチンの副反応を巡る誘拐事件の話。ワクチンの接種により、記憶障害や肢体麻痺などの副反応に苦しむ女子中学生や高校生が次々と誘拐される。誘拐の現場には「ハーメルンの笛吹男」の絵葉書が残され・・・犬養シリーズ第3弾になるらしい。残念ながら、前作のイメージは全く残っておらず・・・社会問題を上手く取り入れており、ワクチンの副反応に悩んでいる人がたくさんいることを、この作品で初めて知った。ストーリーも面白いけど、犯人が中盤で解ってしまったので、ミステリーとしては普通かな。
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子宮頸がんワクチン、副作用被害者の話。被害者の少女たちが少しでも幸せになってほしい。ラストで少し救われた。
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犬養隼人シリーズ。・・・犬養さんのキャラクターや背景などはすっかり忘れてしまっていました。別に理解してなくても十分読めました。なんとなく、黒幕はあの人かな~、とは思っていましたけど。中山さんらしくないどんでん返し。
「円ちゃん」と出てきて、「あっ!!」と気づく葛城さん。
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「刑事犬養隼人」シリーズ第3弾は子宮頸がんワクチンの副作用(正確には副反応)をテーマにした社会派ミステリ。今回はけっこう早い段階から真犯人の目星がついていたのでどんでん返しを楽しむことは出来ませんでしたが、それでも文句なしの五つ星。
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身代金の受け渡しでは、簡単すぎた感。でもこれはミステリーというより、子宮頸がんワクチンの実態を示したかったのかと思う。
いや、相変わらず楽しめました。
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中山七里さんの本をたくさん読んでいるので、あぁ、○○か○○あたりが犯人かな??とか考えながら読んでしまいました。
いわゆるホンボシは当たっていたけれど、実行係は外してました。
中山さんのお話は社会問題を取り上げることが多いのですが、今回は、子宮頸がんワクチンによる副反応がテーマでした。
どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションなのかわからないけれど、今まだ苦しんでいる女の子はたくさんいます。
医師、製薬会社、そして厚労省の癒着が腹立たしいです。