紙の本
新たな可能性
2017/05/08 04:33
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
免疫療法が医療を変えていくことを感じた。ラルフ・スタイマンや稲葉カヨなど、栄光の影に隠れた戦いも良かった。
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外からの侵入者だけではなく、「内なる敵」がんや難病にも、免疫はここまで戦える。
『現代免疫物語』『新・現代免疫物語』を超えて、さらなる驚異の世界へ!
樹状細胞による「抗原提示」、制御性T細胞や免疫チェックポイント分子による「免疫寛容」――。
ノーベル賞級のこれらの発見がパラダイムシフトとなり、いまや免疫療法は、がんや難病の治療においても「切り札」として期待されはじめている。
本庶佑、坂口志文、稲葉カヨらの活躍を追ううちに、免疫世界の最前線が一望できる傑作ドキュメント!
著者について
岸本 忠三
1939年大阪生まれ。大阪大医学部卒。医学博士。大阪大教授から、医学部長、大阪大学総長を歴任。インターロイキン6発見の業績で、ノーベル賞候補の呼び声も高い。
現在も、大阪大に研究室を構え、研究に携わる。
中嶋 彰
1954年兵庫県生まれ。東京大工学部卒。日経新聞科学部記者、編集委員などを経て、現在、科学ジャーナリストとして独立。
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2016.2.10読了。
ノーベル賞受賞前に亡くなったスタインマンの業績と稲葉カヨの貢献、樹状細胞からTreg細胞、HTLV-1治療、IL-6の物語へと、現代免疫学がこんなにも互いに絡み合って発展していたのかと感動した。
のっけから興奮が止まらない一冊。ライターの腕がいいのだと思う。
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チェックポイント阻害薬、CART細胞など免疫の世界はいま非常にホットな分野になっている。現時点までの最新の情報がわかりやすくまとまっている。
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―――免疫チェックポイントって何だ?―――
「現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病」
(岸本忠三・中島彰 講談社ブルーバックス 1080円税別)
気楽に読める一般向けの本で、アンダーライティングに役立つ最新の医学知識をゲットしよう。そんなコンセプトでブックガイドさせていただくことになりました。査定歴20年の自称「査定職人 ドクター・ホンタナ」です。
第一回は巷で話題の免疫チェックポイント阻害による抗がん剤「オプジーボ」のことがすっきりわかる一冊です。20世紀の間は「がん免疫療法」というものはいかにもうさん臭いものでした。丸山ワクチン、ピシバニール、クレスチンなどなど。うさん臭さの根底には、効果があるというのに、その作用機序がナゾということではなかったでしょうか。そもそも免疫機構そのものがまだまだ漠然としていた時代でした。ところがヒトゲノム計画以降のバイオテクノロジーの発達は、リンパ球の細分類を可能にし、様々なリンパ球の働き、それを実現する分子機構を明らかにしました。21世紀になって一気にすすんだ分野です。一方で、「がん」の分子病理学もおなじテクノロジーによって急速に進歩しました。EGFRやALKのような、がん細胞表面に現れるレセプタータンパクなどの遺伝子異常が明らかになり、その部分を攻撃する分子標的抗がん剤が抗体医薬として開発される時代がきたのです。
そして、「リンパ球によるがん認識」と「分子標的」という二つの最先端を組み合わせたものがオプジーボ(ニボルマブ)です。本書は、リンパ球研究の黎明期からオプジーボまで、多くの研究者の人生遍歴をからめながら、そのすべてがまるで小説を読むように理解できるという稀有な一冊です。このあたりのことまったくわからないという人にこそ薦めたい。読み終わったあなたは、きっと誰かに薦めずにはいられなくなるでしょう。
著者二人のコンビでブルーバックスから「現代免疫物語」「新・現代免疫物語」に続く第三弾として出版された「現代免疫物語beyond」ですが、まずは第三弾の本書を読んでみてください。
本書だけであなたは現代免疫学の最先端に触れることができることうけあいです。
(byホンタナ ペンネームの由来は追々・・)
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樹状細胞とTreg、モガムリズマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、CAR-T, トシリズマブの発見や開発の経緯がドラマチックに描かれていて、教科書や論文にはない良さがある。