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こちらも工作舎プラネタリー・ブックスの文庫化。
稲垣足穂について多くの事柄が語られる。文学論が主だが、ふと垣間見える稲垣足穂のエピソードが面白い。久しぶりに読み返したくなったな〜。
別の場所でしょっちゅう言っているが、立東舎文庫は何とかプラネタリー・ブックス全20巻の版権を取って欲しい。復刊がこれだけで終わりになるのは惜しい。
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宇宙論……非科学派が感覚物理学者になるのにうってつけ。
イメージの外側へ出ていくサイエンス。
言葉の狩人が物質の狩人を描く義務がある。
読者より作者のスピードが断然速い。
「一千一秒物語」は人間消去術の見本。
タルホは「A感覚」ではなく「A感覚の抽象化」を重視。
弥勒とマリアと少年……「何もしていないこと」の抽象化。
気になったところを抜き書きしようとしたけれど、多すぎ。再読必須。
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「稲垣足穂」についての対話,講演
ところどころ挿入される,足穂の音声?が聞けないのが残念
単なるファンタジーではない,物理,地学,量子学etc...に裏打ちされたものであることが良くわかる
とにかく様々な知識のものもとに書かれてたことに脱帽
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松岡氏の言、著作に幾度となく登場する
稲垣足穂氏、気になりつつも手を出せてなかったので
こちらから始めてみる。
解説を含め160Pに満たない薄い文庫本であるが、
稲垣足穂氏の背景に広がる小宇宙を感じる。
文学の枠に収まらない、単なる博物ともちょっと違う、
松岡氏の世界観に繋がる系譜も伝わってきた。
・類推を突破するには人間から離れること
(ステファン・マラルメの限界はここに)
・タルホ=セイゴオ が意味するところ
(マツオカセイゴオとして書くには足穂が入りすぎ)
ハイゼンベルク協奏曲が出せない理由にも繋がるか
チームラボの猪子さんは松岡氏を一人インターネット
みたいで面白いと評していたが、足穂氏も後書きで
一人インターネットと評されてる。
ハイパーアナキストであり、
その知はハイパーテキスト的、WWW的である。
ある分野の専門を深める知もあるが、さらに
その学際にとどまらず、編み目の様な際の関係と
その濃ゆいノードを追うところに妙がある
足穂氏でいえば「機械、少年、宇宙、宗教、気配の街」
がそれに当たる。
入門書といわれる本書、著作を追いたくなりました。