紙の本
やさしい人になるために
2017/09/01 07:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まずこの本がどのようにして誕生したのかを記すことから始めよう。
これはジョージ・ソーンダーズというアメリカの作家が2013年5月にニューヨーク州のシラキュース大学教養学部の卒業式で行った、わずか10分足らずの短いスピーチを書籍化したものです。
ですから、聴衆はこの学校を卒業する若者たちですが、話されている内容はもっと若い人でも理解できるし、うんと年を重ねた人たちにもわかってもらえるものになっています。
それでも、出来ればこれから社会に出ていく若い人たちに読んでもらえたらと思います。
ジョージは自身の人生を振り返って、本当に悔やんでいるのは、小学生の頃におとなしいエレンという女の子にやさしくしてあげられなかったことだと、話します。
エレンは今でいえば小さな揶揄を受けていた女の子で、ジョージは彼女を真にやさしくできなかったことを悔いているのです。
つまり、ジョージが言う「人生で大切なたったひとつのこと」とは「やさしさ」です。
でも、彼はこうも言います。やさしい人になるのは難しいとも。
だからといって、やさしくなることをあきらめてはいけません。
幸いなことに、ジョージはやさしくなるための覚悟のようなものを、このスピーチで語ってくれています。
そして、ジョージのスピーチがこうして活字となることで、私たちは何度も読み返すことができるのです。
ただやさしい人になるために、何度も何度も。
紙の本
本書が心に響くのは、誰もが一度は経験していることだから。
2016/10/03 11:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:迷子の子猫ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の帯に「190万部! 東大・京大で大人気『思考の整理学』著者・外山滋比古がいま日本人にいちばん読んでもらいたい本」、「このスピーチに全米100万人の心が震えた! 」というメッセージに心惹かれ手に取り、項を一枚一枚めくっていくと、「やさしさがたりなかった」の言葉が私の目の前に飛び込んできた瞬間、本をパタンと閉じた。<家でじっくりと読みたい>と思ったからだ。
著者は、作家であり、シラキュース大学教授。「米タイムズ誌の「世界でもっとも影響力のある百人」のひとりにも選ばれた、短編小説の名手」だという。本書は、二〇一三年五月十一日に、ニューヨーク州の名門校、シラキュース大学教養学部の卒業スピーチの全文である。大半は忘れられてしまうであろう卒業スピーチのなか、ニューヨーク・タイムズ紙のウェブサイトに、著者のスピーチ原稿が掲載されると、「たちまちアクセス数が百万回を超え、世界中で反響を巻き起こします」と。そして、「ランダムハウス社は二〇一四年四月、スピーチにソーンダーズ自身がほんの少し加筆した単行本(中略)を出版し、こちらもベストセラーになりました」とあるように、本書は、この英語の原文に日本語訳をつけたものだ。
訳者の佐藤由紀は【はじめに】に、「これは、「やさしいひとになる」という、簡単そうで難しいことを、わかりやすいことばで、鋭く、深く、とびきりおもしろく語ったスピーチの全文です」と紹介しているように、自分自身を振り返ったときに、<やさしさが足りない>ということを認識したのならば、著者のメッセージを繰り返し読むことで、自分の中にある、やさしさを前面に出し、向上心を持って生きていきたいと思えるのではないか。
著者の言葉で、私自身、印象に残ったのが、「ほとんどのひとは、年をとるにつれて、自分勝手なところが減り、もっと愛情深くなります。これは真実だと思います」だ。私は40代後半なのだが、父、母、義父、義母、祖父、祖母の世代を見ると、昔、自分の子どもなどに対して、不愛想で、怖かった人ほど、愛情に溢れんばかりに、孫を可愛がる現象をみて、<年をとると人は変わるものだなあ>と漠然と感じていたものだ。
<やさしさが足りなかった>ということに気がついたのが、60代とか、80代では遅いということが、ひしひしと伝わってくる。著者は、私たちの中にある「光り輝く部分」を信じ、「どうすればもっとやさしいひとになれるか」を追求し、「善良なひと、自ら働きかけるひと」になることを、心から願っているのだ。私は、本書に出合っていなければ、やさしさが足りずに、悔やむことの多い人生を送っていたであろう。本書を手に取ったことは、幸せな人生と幸運を手にしたも同然である。
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日本語文だけ読了。
やさしいことが大切。
この理由は深くは書かれていないが、それはやさしくなったときにわかるのだろう。
では、やさしくなるためには何をすればいい?
わたしの解釈では、その解は
やさしくなろうとすること、である。
やさしくなるために、人に親切にしなさい、常に相手のことを考えなさい、ではなく、
やさしくなるにはどうしたらいいか自分で考えなさい、そういうことではないか……?
考えてみようヾ(@⌒ー⌒@)ノ
2016.03.06
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卒業式でのスピーチには、何世代にもわたって進化してきた伝統的な型があります。すでに盛りを過ぎたおっさんが、とんでもない間違いだらけの人生を送ったあげく(わたしのことです)、いまから人生の最盛期を迎えようという、輝かしく活力にみちた若いひとたちに(つまり、みなさんです)心からの助言を贈るというものです。
わたしもこの伝統を尊重しようと思います。
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後輩から大学の卒業式の日にいただきました。
ここ最近で1番グッときた。
短い文章に大きなメッセージが詰まってる。何度も読み返してしまいます。
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ソーンダーズの小説は大好きなので、このいかにも自己啓発みたいな、人生訓みたいなタイトルは一体?しかも翻訳が外山滋比古?なにゆえ?と疑問符だらけで読んだ。
外山滋比古は始めのあたりはよくわからず、後半はよくわかったと書いてるが、ソーンダーズの小説のファンとしては始めの方がワクワクする。まあ、小説ほどではないにせよ。
小説読んでも、この人が非常に皮肉で辛辣なところはあるものの、基本的にいい人であることは伝わるので、意外というほどではないし、自分が勤める大学の卒業生に向けてスピーチした言葉を本にしてあるわけだから、面白くてあたたかみのあるいいスピーチだとは思う。
が、本にするほどではないし、この売り方もどうかと思う。ソーンダーズの作品を読んでいない人で、こういう(人生訓的な)本が好きな人は、そういう作品を書く作家だと思ってしまう。で、読んであまりのナンセンスにガッカリする。
実際、人生訓や自己啓発本が好きな人とソーンダーズのファンはまったくクロスしないと思う。
だから、ソーンダーズにとってプラスにならない。
外山先生も、小説は読まずに訳してると思うな。
こんなの出すくらいなら、小説を翻訳してほしいものだと切に思った。
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いつも人への優しさは後回しにしがち。
自分が大切だから。
そして、勉強が終わってから、子育てが終わってから、仕事が終わってからにしようとする。
大抵の人は歳を重ねるごとに優しくなるが、もっと早めればよりよい人生になるだろう。
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年寄りに質問して一番有用なこと=人生で公開していることは何か?
もっとやさしいひとになること、を人生の目標にする。
ダーウィンの進化論的考え方=自分が一番大事で、自分が世界の中心にいる。自分はすぐには死なない。
歳をとるにつれて、自分は小さくなり愛情が満ちてくる。
やさしいひとでいること、は片隅に追いやられている。
自分を、自分で治療しなければならない患者と考える。自分中心の考え方を改めるための効果のある薬を探す。
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著者はアメリカで「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた作家で、自らの出身大学の教授でもあります。
作家を志すまでに数多くの職業に就いたユニークな経験から、独創的な作品を発表します。
本書は、2013年に著者が教授を務める大学の卒業式で、スピーチをしたときの原文および日本語訳を載せたものです。
およそ8分の短い内容ですが、ニューヨークタイムズ紙にスピーチ原稿が掲載された後には、100万回ものアクセスがあるなど大きな反響を呼んだそうです。
人生を振り返って、あなたが後悔していることは何ですか?
著者は自身の半生をユーモアを交えながら語りつつも、この質問に対するエピソードを卒業生たちに分かち合います。
幼少期、いじめられている同級生のことを気にかけてはいたものの、何もできずにその同級生が転校してしまったことを悔やんでいるといいます。
『わたしが人生でもっとも後悔しているのは、「やさしさがたりなかった」ということです。』
人は誰もが利他の心を持ちながらも、本能的に自分のことを優先しがち。
他人にやさしくしたほうがいいと頭ではわかっているけれど、実践するのは難しいと著者は語ります。
それでも「もっと愛情をもった人になりたい」と誰もが心の奥底で望んでいることに向き合って、どうすればそのような人になれるのか、自分で答えを追い求めてほしいと伝えます。
その上であらためて卒業生たちに向けて、やさしい人、光り輝く人になってほしいとエールを送ります。
『わたしたちが、もっとやさしいひとになるなら、行動するひと、達成するひと、夢をもち続けるひととして、自分自身と真摯に向き合うことが必要です。』
『大きな問題と向きあうようなことをしてください。あなたを小さな人間やつまらない人間にするようなことを避けてください。』
紹介したのは本書のごく一部ですが、とても深い内容であり、私も考えさせられることがたくさんありました。
私なりの考えですが、やさしさとは「相手の気持ちを理解できること、寄り添えること」だと感じました。
悲しい、悔しいなど、痛みをともなう経験は誰にとってもつらいものだと思います。
そんな時に、自分を励ましてくれる存在がいることは嬉しいですよね。
自分がつらい経験、悔しい経験をしているからこそ、同じような経験をしている相手の気持ちが心から理解できる。
自分の体験が、ときには相手にとってのやさしさになり得るのだと思いました。
だからこそ、さまざまなチャレンジをする、困難から逃げずに大きな問題と向き合うことが大切なのですね。
目標に掲げた結果を手にするまでの過程で、著者の言う「やさしい人」に自分が変わらざるを得ないのだ、とも感じました。
私も起業したての頃は、過去の自分が経験しなかったことにたくさん挑戦しました。
はじめのうちは、思った通りの結果にならないことも多かったです。
でも、その苦しい経験を���り越えてきたから大きく成長できたのだと実感していますし、新しいチャレンジが理想の成果に向かわせてくれると信じています。
短い内容ながら、とても学びの多い1冊です。
また何度も読み返してみようと思います。
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大切なことは、
優しくなる
ということ。
私は、以前は自分が優しいと思っていたが、どうやらそうでもないと分かってきたので、
この本を読んで、改心していきます。
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人は老いたら大抵は丸くなるもの。
今から丸くなることを意識して損はない。
大変参考になった21歳です。
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『人生で大切なたったひとつのこと』著:ジョージ・ソーンダース訳外山滋比古、佐藤由紀(海竜社、2016/1/25)
「80年後のある日、あなたが100歳、私が134歳になり、私たちがみなうんざりするほどやさしく、愛情たっぷりになったら、私に短い手紙を書いて、あなたの人生がどうだったかを教えてください。
とてもすばらしかったよ。とあなたが書いてくることを願っています。」
著者であるジョージ・ソーンダース氏が大学の卒業式で行ったスピーチの一部です。
読者の皆さんなら、これから社会に出る卒業生に対し、どのような「はなむけの言葉」を贈りますか。
著者は自身の人生を振り返って、自分が経験してきたことを卒業生にユーモアたっぷりに説明します。
貧乏をしたこと、好きな子の前で恥をかいたこと、特殊な仕事に就いたことなど、様々なことがあり、その中で「自分が本当に後悔していることは何だったのか。」を振り返るのです。
それは、著者が小学7年生のとき、転校してきた少女がイジメにあい、再び転校していったという経験です。
著者は少女がイジメにあい、侮辱を受け、深く傷ついていること、自分の居場所が無いと感じていること、できることなら消えてしまいたいと思っていることを理解していました。
著者はその子に対して、からかうこともせず、時にはかばったりしたこともあったそうです。
他の同級生よりも、その子に親切に接したそうです。
そして、少女の一家は引っ越していきました。
著者は、その時のことが気になって、未だに心から離れないそうです。
42年経った今でも、その時のことが頭から離れないと言うのです。
「わたしが人生でもっとも後悔しているのは『やさしさがたりなかった』ということです。」
他の同級生よりも親切に接しましたが、それでも後悔しているというのです。
54年間生きてきて、沢山の悲しいことや苦しいことを経験してきたのにも関わらず、人生で最も後悔していることは、その時のことであるというのです。
「目の前で苦しんでいる人がいる。そのときにわたしはどんなふうに応えたのか・・・」
大学を卒業し、社会に出ると多くの競争にさらされます。
若い人々は自身が抱えている不安や恐れ、自信の無さに苦しむこともあるかもしれません。
そして、それらは十分に成功し、お金、名声を手にすることで解消されるという間違った思い込みを持ち、生きていく人もいるかもしれません。
著者は自分が大学を卒業してからずっと、成功に固執し、「やさしいひと」になることを後回しにする生き方をしてきたと伝えています。
そして、人生を振り返ると、「やさしいひと」になること以外のことはあまり意味がないと言うのです。
野心を満たすことと同時に、なるべく「やさしさ」から遠ざからないように生きるべきであり、人生は成功よりも「やさしいひと」になることの方に意味があると伝えています。
成功することと同じくらいの思いで、「や��しいひと」を目指してみてはいかがでしょうか。
「人生は、とてもすばらしかったよ。」と言うために。
この本は、自分の過去を振り返りながら、2回、3回と繰り返し読むことをおすすめします。
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この時期(3月の年度末)に読んで良かったです。これから異動し、新たな環境で新たな人たちと組織としてまた一からスタートするに当たって、このじんわりする想いを心の片隅に置いて頑張ろうと思いました。何度も何度も読み返してます。
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人生で大事なことが一つであるはずない、しかもこの薄さで語りきれるはずない、と半信半疑だったが、裏切られました。
よくある挿絵入りの中身がスカスカの人生訓とは違います。中身が半端なく深い!
普通ならすぐに忘れられる卒業式のスピーチが、あまりの評判に書籍化されるのもさもありなんです。
内容もさることながら、ユーモアに満ち、この短さでこの内容を表現する筆致は尋常ではなく、著者が世界で影響のある100人に選ばれたというのも納得。
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・人には優しく
・優しさには限度はない
・優しい人になるべく年齢を重ねよう
・人前で話すときはユーモアを忘れずに