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トラウマ続きで著者の書籍を連続読了。母親の立場に立つこと、子供の立場に立つこと、ジェンダーの視点など、優しい言葉で紡ぐ。最終章は3.11が起こった時の文章。感情を抑えつつ若い人にいかに体験を伝えるか、抑えきれない思いが溢れ出て心が打たれた。
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「ははがうまれる」宮地尚子著、福音館書店、2016.02.15
174p ¥1,188 C0095 (2022.10.23読了)(2022.10.21借入)
赤ん坊が生まれるとそれに伴って赤ん坊を生んだ女性が少しずつははになって行きます。子育てに悪戦苦闘しながら母親になって行きます。この本の題名は、そのことを表しています。著者が、「母の友」に連載した「今月の母たちへ」と題したエッセイを一冊にまとめたものです。
Eテレの「理想的本箱」で紹介されていたので、図書館から借りてきて読みました。
・「ははがうまれる」(6頁)
頼りない自分が、母親になり、子どもを育てていく。とまどいだらけの日々が続くが、それでもなんとかなっていく。子どもは物理的に大きくなり、精神的にも成長していく。「はは」になった人間もまた、精神的に少しずつだが成長していく。
人間が、新しい人間に出合い、影響を与え合い、変容していく。そんな風景が「ははがうまれる」という言葉の奥行に、広がっていくとうれしい。
・サポート、アドバイス(13頁)
新しく生まれた子ども同様、新しく生まれた母も、育てられる必要がある。母になり、母をするという初めての経験を日々こなしていくためには、一緒に子どもの面倒を見ながらお手本を見せてくれる人、周りのサポートや優しいアドバイスが欠かせない。
【目次】
はじめに
母が生まれる
アウェイ感
身ごもる
ほどく
身体の記憶
3・11
あとがき
☆関連図書(既読)
「親はあっても子は育つ」野坂昭如著、講談社文庫、1981.04.15
「自然育児法」吉村秀彦著、中公文庫、1981.07.10
「新生児」山内逸郎著、岩波新書、1986.05.20
「子育て 小児科医の助言」山内逸郎著、岩波新書、1989.03.20
「赤ん坊から見た世界」無藤隆著、講談社現代新書、1994.05.20
「ベビーサイン」リンダ・アクレドロ・スーザン・グッドウィン著・たきざわあき編訳、径書房、2001.03.03
「赤ちゃん教育」野崎歓著、青土社、2005.07.07
「赤ちゃん学を知っていますか?」産経新聞取材班著、新潮文庫、2006.06.01
「赤ちゃんの心と体の図鑑」デズモンド・モリス著・日高敏隆監訳、柊風舎、2009.10.30
「赤ちゃんはなぜ父親に似るのか」竹内薫著、NHK出版新書、2012.06.10
「今日 Today」伊藤比呂美訳・下田昌克絵、福音館書店、2013.02.15
(アマゾンより)
多くの人のトラウマと向き合ってきた精神科医が、自身の経験や専門知識も交え、子育てのこと、母親を取り巻く様々な問題について、やさしく語りかけるエッセイ集。赤ちゃんの泣き声にイライラしてしまう、ママ友付き合いで自分一人がはずれているように感じる…。日常の小さな悩みや違和感、言葉にならない気持ちを丁寧にすくい取り、そこから抜け出すヒントを提示してくれます。月刊誌「母の友」連載時に多くの共感を呼びました。
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どうしてこの本を選んだのかが思い出せない。
雑誌の推薦か
どなたかのレビューをみたのか・・・
子育てが終わった私にも
優しく響く本でした。
「子供が生まれたと同時に
ははも生まれたのだ」
「生まれたからにはははも成長していかなければならない」
成長できない はは も沢山いるなぁ~
私はどうだろう
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NHK理想的本棚 母親を嫌いになったときに読む本 で紹介されてた。
数ヶ月前に母という役割を与えられた身としては、そんなに気張らず肩の力を抜いていこう、と声をかけてくれるような本だった。
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母になることに関するエッセイがいい。その他いいこと日記やほどくことへの考察など気になる言葉がちらほらする。赤ちゃんの泣き声はイライラして当たり前なんて言葉には救われる人も多いだろう。
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子育てに関しては、自分も色々と思うことがある。
幸せで満たされたり、怒りを抱いたり、ひどく落ち込んだり。
この本の中の「母親のための酸素マスク」の話にとても励まされた。「母親の自己犠牲は美化されがちだが、実際にはなんのメリットもない。」
本当にその通り。自分より家族のことを優先しなければいけない時はどうしてもあるけど、バランスを取りながら自己犠牲だけはしないようにしたい。
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育児真っ只中の今、著者の言葉はじんわり心に響く。待ったなしの育児、どんどん大きくなる我が子。自分も母として一緒に成長しているんだ、1人の大人であるのだと認識させられる。子供という存在がいるだけで、大人だけの世界では見えなかったこと、思いもつかなかったことに気付かされる。大変な毎日でも、我が子との時間は一瞬なんだろうな。かけがえのない日々を大切に生きたいと思う。
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母親になる、ということをすごくパーソナルに書かれた書。赤裸々に心理描写を書いていたり、省察というべきか、振り返りに、人はそう簡単には生きていないことが表されていると感じた。
母というか親。保育者はその親に対する想像力が必要だとヒシヒシと感じた。
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じんわり心に栄養をもらえた1冊。
雑誌『母の友』2023年4月号に『母親のための酸素マスク』の話が載っていて、これは読まねば!と図書館で取り寄せた。精神科医で社会学の教授、という肩書も珍しく感じて興味を持った。
ひとつひとつのエッセイが短く、読みやすい。ご本人の育児体験も書かれていて、いま小さい子どもがいる私にとっては、未来を見ている気分になったし、宮地先生の過去の後悔が今の自分につながる気もしてハッとした。
育児に関するエッセイだけど、お仕着せがまじい感じもしなかった。こういうこと言ってくれる人が身近にいたらなぁ…。
電車で赤ちゃんが泣いてるときは、親にとってもつらい。母性本能がないなぁ、と思う瞬間は私にもあって、「子どもとのコミュニケーションの中で育まれていく」というのも、「誰にとってもはじめてのことに失敗はつきもの」というのも元気が出た。
いずれ私も、育児でつらいなぁーと思っている人に、お仕着せがましくない会話をできるようになりたいなぁ。子どもの成長に比べると、大人の成長は目に見えにくいんだけど、自分のなかでは少しずつでも成長していけたらいいなぁ。
まずは保育園の行き帰りで、子どもをなるべく急かさないようにしたいけど、これもなかなか難しいんだよなぁ…。
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ゆったりとした優しい気持ちになれる本。
「人をケアする人は、人にケアされなければいけない。」という言葉が印象に残った。子育て中の人は漏れなくケアされるべきだよなあ。