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弁護士御手洗シリーズ。
医療少年院時代の教官・稲見が自分が入所していた老人ホームの介護士栃野を殺害する事件を起こす。御手洗は自身が生まれ変わることができたきっかけをくれた恩人を救おうと奔走する。
少年時代の事件が明るみになり、世間の風当たりが強くなった御手洗。それでも以前のような勝率を誇っているのがすごい。だが、栃野自身は真っ当な罰を受けたいと、自ら自分の弁護をしている御手洗の邪魔をするかのような発言を…仕事柄、教官時代に子どもたちに自分が言ってきたことだと、刑を真逃れようとはしない。普通の人は自己保身で罪を軽くしようと必死になるもの。稲見のその潔さは今いきる私たちも見習うべきだなぁと思った。
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前歴から死体配達人の異名をとる、特異なキャラクター御子柴弁護士シリーズの第3弾。
今回も、「手に汗握る」の形容もかくやのリーガルサスペンスに、堪能した。
第3作は、タイムリーな課題といっていい介護施設が舞台。そして、依頼人が最大の敵?
百戦錬磨の御子柴も手を焼き、裁判結果は「相撲に勝って、勝負に負ける」の例えか。
法の限界を突き付けられ、自己嫌悪から気力を奪われて、人間らしくなった?、そんな御子柴が最後の最後で救われる。
「どうにも分からない女だな」と、御子柴がつぶやく事務所事務員日下部洋子とのコンビも楽しみなこのシリーズは、まだまだ続きそう。
次回作が待たれる。
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「このミス大賞」で落選した方の作品『~カエル男』は、
今や、受賞した方の作品、岬洋介シリーズをも飲み込んで、
縦軸(時系列)と横軸(スピンオフ)が複雑に絡みながら、
様々なキャラクターを主人公に、続々と新作が発表されて、
壮大な、一大サーガが形成されつつありますが…、
本作品は、
そんな『カエル男』サーガ(と勝手に名付けてみたり)で、
異色のキャラクターとも言える、悪名高き凄腕弁護士の、
‘御子柴礼司’を主人公としたシリーズ3作目です…。が、
本作では、他の作品からのゲスト出演は、なかったですね。
御子柴の深層を掘り起こした前作に引き続き、本作では、
少年院時代の教育担当教官であった稲見の弁護を通して、
御子柴の過去、倫理、人間性に再び踏み込んでいきますが、
中山さんの作品の代名詞とも言える大どんでん返し加減は、
他の作品に比べると、ストレートで控えめだったでそぅか。
一方で、
一人のキャラクターをここまで深掘りしている作品は、
本シリーズ以外には、他にあまり見当たらず…、今後、
他のキャラクターとマッチアップされていった際には、
その作品に、より一層の深みがもたらされると思われ、
サーガを形成していく今後の新作への期待が高まります…。
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図書館で。御子柴先生。好きすぎてどうしよう御子柴シリーズ。今作も最後の一文字まで大切に読ませて頂きました。『救われないことがどんなに苛酷なのか。裁かれないことがどんなに苛烈なのか。』『絶望というのはこんなにも精神を挫かせるのか。自己嫌悪というものはこんなにも気力を奪うものなのか。』恩師との再会。繋がっていくすべてのピース。要所要所で出てくる登場人物にも中山作品の繋がりを感じて嬉しい。最後のサプライズも素敵でした。
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を?御子柴礼司、キタ━━━━(゚∀゚)━ ━━━!!
(相変わらず、内容を知らずに読み始める私・・・w)
と、いうわけで、またしても裁判ものですねー。
ってことは裁判員も。興味あるけど、私にはやっぱり無理っす!
で?・・・ででっ!?
なーぬー!?稲見教官が殺人容疑で逮捕ですとー!?
さぁ、どうする御子柴っ!?
とか言いながら一気読みw
それにしても稲見教官、頑固すぎまっせー、マジで・・・( ̄▽ ̄;)
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どんでん返しにつぐ、どんでん返しが最期の最後まであって満足感が高い。今回は守るべき依頼人(被告人)の恩師稲見が最大の障害に‥‥。御子柴がいつものような調子にいかず苦悩するのも見所か。2016/4/6
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老人ホームでの、入居老人による介護士殺人事件。
事件を弁護する、元殺人犯の御子柴弁護士。
殺した元医療少年院の稲見教官の過去。
殺された介護士栃野の過去。
入居老人達の過去。
それぞれの過去が、交錯する。
いろいろな偶然が、沢山重なる物語。
事件発生が3月4日で、初公判が3月18日はなんかの間違いか?
初公判で、求刑15年を言うのは、ちと早すぎでは?
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死体配達人御子柴礼司シリーズ3作目。1作目贖罪の奏鳴曲、2作目追憶の夜想曲。韓国の沈没船事故セウォル号に似た内容で話が膨らむかと思ったが、介護問題がメイン。自分さえよければと人の救命胴衣を人を殺しても奪った栃野が介護施設で老人に虐待は繋がりに無理がある。御子柴も暴力団の弁護などもっとクールな対応が見たかった。時代を捉えているが内容は少し物足りない感じ。「緊急避難」の認識は変わった。
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御子柴シリーズ第3弾。前作で法廷を去ったと思われた御子柴だが、少年院時代にお世話になった教官に殺人容疑がかかり、再び法廷に戻ってくる・・・今回もいろんな事件の関係者が意外な形で絡んでおり、最後まで気が抜けない。しかし、今回の御子柴はかなり人間らしくなっており、感情をあらわにすることも。第3弾にして、初の負け裁判となったが、ラストには前作の登場人物・倫子からの手紙に希望も見受けられ、次回作が待ち遠しい。
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前作で過去の素性を知られてしまった御子柴。だけどそれくらいのことではめげませんね当然。しかし今回の事件は、彼にとって一番苛烈なものなのかもしれません。彼にとって最重要であり、なおかつ最悪の依頼人。事件の謎はそれほど大きくはないけれど、テーマとしてはかなり壮大です。
緊急避難、そして贖罪の意味が重くのしかかってきます。「裁かれる方が幸せ」という言葉もまたとてつもなく重たくて。だからこそ御子柴の行為が果たして依頼人を救うことになるのか否か、という葛藤の答えは出せるものではないのかも。
それでも。御子柴の「贖罪」が否定されなかったことにはほっとしました。そしていつになく「人間らしい」御子柴の姿が見られたことにも。つくづく稲見教官、素晴らしい人ですね。
そしてもちろん、御子柴の手腕も読みどころ。特に裁判員対策の手法にもなるほど、と思わされました。たしかに素人は、理詰めよりもそっちの方が左右されちゃいそうだなあ。
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(2016/10/20読了)
御子柴シリーズ。
冷徹で人間味のない御子柴が、感情的に動いている。
前作で少年時代が公になり、その先どういうふうに展開させるのかと思ってたら、そう来たか。
シリーズとして安定しそう。
どんでん返しがお好きな中山さんなので、どう読者を裏切ってくれるのか楽しみにしていたけど、本作は少し甘かったかな〜
(内容)
韓国船が沈没し、251名が亡くなった。その事故で、女性から救命胴衣を奪った日本人男性が暴行罪で裁判となったが、刑法の「緊急避難」が適用され無罪となった。一方、医療少年院時代の恩師・稲見が殺人容疑で逮捕されたため、御子柴は弁護人に名乗り出る。稲見は本当に殺人を犯したのか?『贖罪の奏鳴曲』シリーズ最新作!!圧倒的迫力のリーガル・サスペンス!
(目次)
第1章 被告人の従順
第2章 被害者の悪徳
第3章 証人の怯懦
第4章 弁護人の悩乱
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「緊急避難」の被告人を手にかけた恩師は、自分の犯した殺しの罪を認め厳罰を望む。
そんな恩師を救うことができるのか?
御子柴の頑なな心が少しずつ溶け、新たな展開が起こりそうで、目が離せません。
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待望の最新作、しかも御子柴弁護士!実に鮮やかな弁護振りにトキメキすら感じます。ジワジワと獲物を裸にしていくところなんかは一種のエロティシズムを放っています。
しかし今回の作品については、ほぼ作者のどんでん返しを予測できました。ドビュッシーから欠かさず読み続け、ついに中山ワールドの半分くらいは制覇したような気がします。私にとって、どんでん返しがどんでん返しにならなく日も近いか?今後の「新どんでん返し」といった決まり手が出てくることを期待しています。
ストーリは完璧でしたが、どんでん返しを見破ったので星5つにはしませんでした。すいません。
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御子柴弁護士シリーズの最新作。どんでん返しというほどのラストではなかったが、今後の御子柴の変化が気になる。
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御子柴シリーズ第三弾!
シリーズの中で一番好きです。
最初からグイグイ引き込まれて、いつもは斜め読みしちゃう裁判シーンも目が離せませんでした。
もちろんお得意のどんでん返しも炸裂で、先が読めてしまう部分もあったけれどそれでも面白かったです。
御子柴の想いも稲見さんの想いも理解できてなかなか辛かったです。