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たまにはスピリチュアル以外の本を…と思ってチョイス。「魔女」について、自分の中でイメージを膨らませるにはちょうどいい、軽めの本。魔女狩りの歴史に始まり、絵画や童話、文学、果ては現代日本文化中での魔女のイメージの変遷を簡単に追っていく。タイトルから、自己啓発系の内容を期待した人には拍子抜けだろうが(私は著者がドイツ研究家だと知っていたので期待通りだったが)、漠然と魔女に憧れを持つ人だけでなく、魔女を目指している人の箸休めにも程良い内容だと思う。ただ、「コスプレ魔女」への定義なき批判には少々辟易。
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ドイツで魔女修行した著者の魔女指南初歩、みたいなもの。魔女の歴史と歴史を振り返るために文芸に現れる魔女や魔法使いの話も。グリム、ペローディズニーでの名称の扱いとか面白かった。日本の魔女の扱われ方とか翻訳上の問題とかも。
魔女の定義からかんがえることになり面白い。
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著者は九百九十九歳の魔女、サーゲと名乗り語りはじめる。この書き出しだけを見ると意表を突かれて少し辟易してしまうものの、内容は「魔女」と呼ばれるようになった女性たちの歴史から始まり、その役割や現代においても再現できる範囲の生き方をわかりやすく紹介してくれている。
中でも気になったのは日本における「魔女」という「垣根を渡る女性(本書引用)」たちの捉われ方だ。魔法少女ブームに始まり、西洋ではネガティブで醜悪な存在のように迫害されてきたはずの女性たちは、海を渡り国を跨ぐと、生き生きとして、暖かで明るい生活を送り、自らの生き方を貫く女性として変貌する。
魔法や呪術といった説明しがたい能力を生かし、巻き込まれながらも、生を謳歌する存在として描かれるようになったのだ。
著者は何度も迫害された歴史に反する魔女像には違和感が拭えなかったようだが、私はそこにこそ面白味を感じ取れた。
歴史上では、止むに止まれぬ問題を、魔女と呼ばれるようになった女性が、理論や現実からかけ離れた方法で解決し活躍していたのだろう。それがいつからか、宗教と反する理論になってしまった。あるいは、あまりに根深く人々の生活に根ざす存在だったがゆえに敵視された結果だろう。
だからこそ、宗教という枠組みを排除された異国では、超能力を扱える英雄としての側面が際立ったのではないだろうか。
そう考えると日本における魔女は誰だったのか、神に遣える巫女や系譜として繋がれている天皇か、雪深い北国であの世との境をつなぐイタコか、あるいは「オモテ」から外れた遊女たちだろうか。
きっとどの女性たちも、魔女としての側面を持ち合わせ息づいており、「オモテ」では迫害や疎遠されようともその生き方そのものには憧れや尊敬があったからこそ、日本においても新しい女性の在り方として魔女というものが受け入れられた。
そう考えると新しく誕生した異国の魔女も、とても魅力的に映る。
現代においても人々の生き方の中では問題は絶え間なく存在している。科学や理論に凝り固まった現代において、敢えて本書に記された方法を実践するように促す教科書的な意味合いとして、本書は有意義に感じる。
くだらない現実逃避として揶揄されたとしても、それで問題が解決するのであれば試してみるのも一興だ。実際に実行には移すことはなくても、そういう生き方もあるのだと知識として知っておくことは、思考を広く持つためにも価値はあるように思うのは、私だけだろうか。
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魔女になるには月の光を浴び、薬草を煎じ...といった類の本かと思いきや、全く逆の内容。
魔女(や魔女狩り)の歴史について簡単に学べる本。
そこから話を広げて魔女になる方法も書かれているがスピリチュアル系のことはほぼ書かれておらず、サラッと読むことができた。
空を飛びたければ飛行機に乗ればいいし、見た目を変えてければ整形すればいい...あまりにも現代な考え方をしてらっしゃったため思わずクスッと笑ってしまった。
魔女になれなくても人間として生きていけばいいと言い切ってくれるところがいかにも魔女らしくて好感が持てた。