紙の本
アパレルワールド
2016/12/23 11:17
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
肉体を嫌悪する宇宙人と自ら意識を持つ宇宙人の奇妙な関係が描かれている。服飾とSFをコーディネートした数少ない作品だ。
紙の本
SF的アイデアテンコ盛り
2016/03/28 15:48
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投稿者:よしおくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて読む作家だったが、どんどんどんどん思いも付かないアイデアが出てきて、その多彩さに目もくらむ思いだった。ストーリーの展開自体は、それほど力強くも、華麗でもないが、アイデア自体に翻弄されて、先が読めなかった。
作品の根幹となるアイデアは、詳しくは書けないももの、タイトルから類推できるように、服、スーツが人格等をはじめ当人の内外に影響を及ぼすというものだ。今、このアイデアを聞いても、それほど驚かないかもしれない。既に邦画でも洋画でも同様なアイデアを浸かった作品が公開されているから。だが、「カエアンの聖衣」が出たのは1976年。映画の方こそ、その作品を下敷きにしているのではないか。
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相当変、だけど好き、な世界観。いいのか「服」で、まさか「服」が、と戸惑う私を力ずくで持っていく剛腕。この無茶苦茶で風呂敷広げすぎな世界を大いに真剣に不真面目に書く、この世界観、何かに似てると思ったら、かつて大ファンだった劇団★新感線の作家中島かずき氏が解説してた。やっぱり(笑)。何でか宇宙で全裸の集団率いるヤクーサ・ポンズ、ジャドパーとマストの交渉の場面、ふざけすぎて逆に意味があるのかと思ってしまったし、ザイオードの秘密結社の秘儀の場面の描写とか、もう新感線でした。アマラとエストルーとウィルス船長のトリオも味があるな…。後半やや失速した(というか、カストールと蠅の惑星の場面がさすがにきつくてそのあたりからついていけなくなった)ところもあるが、満足感高いSFでした。
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1987年に刊行された同書の新訳版。
『服が人間を支配する』という発想力にまず驚いた。『奇想』というのはこういうもののことを言うのだろう。かつては熱狂的なファンに支持された人気作家だと言われて納得。
読んでいると割とコミカルに見える部分が多かったのも面白かった。
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もう記憶が定かではなくなっていたが、解説を見ると、本書はバリントン・ベイリーの初翻訳長編だったようで、『禅銃』なども翻訳はこのあと。ワイドスクリーンバロックなどといって、なんだあ大したことないじゃないかと思ったのは、短銃で恒星を破壊してしまうような『禅銃』の突拍子なさと比べると、『カエアンの聖衣』のアイディアはちょっとスケールが小さい気がしたのだ。
服を着ることによってその人の潜在能力が開化して別人のように力を発揮できるようになるというアイディア。そしてそのような服飾文明を発展させたカエアン人。物語はカエアン星系と対立するザイオード人の視点から描かれる。原題は「カエアンのガーメント」。ガーメント・バッグのあのガーメントであって、「聖衣」などという宗教がかった特別な意味はない。これは初訳のなごりであり、新訳の本書でもそれを踏襲している。問題となるカエアンのガーメントは伝説の服飾家フラッショナルの仕立てた5着のうちのひとつだが、見た目は単なる地味なスーツであり、それを手に入れたザイオードの服飾家ペデル・フォーバースはザイオード社会でのし上がっていく。
他方、カエアンとの戦端が開かれるまえの情報収集にカエアン星系に密かに調査にはいった文化人類学者の調査団一行が話のもうひとつの軸。人類が銀河に広がって千年、日本人の末裔ヤクザ坊主とソヴィエト・ロシア人の末裔が戦っている宙域を発見し、カエアン文明がこのソヴィエト・ロシア人の末裔からさらに発展したのではないかと推測する。
知性を持った線維というアイディアをアニメ『キルラキル』で使った脚本家のエッセイも巻末に。『ど根性ガエル』みたいな『キルラキル』の服はやはりアニメ的にわかりやすいが、ベイリーが知性を持った線維を考えたときにそれは喋る服ではない独特なアイディアが投入されている。
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旧訳を知らないのですが、さくさくラノベ感覚で読める印象。そこに時折強烈なインパクトで映像が浮ぶ感じ。
個人的にあのオチは続編を書きたかったのか否か、とても気になったところです。
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意表を突くアイデア満載のSF小説。人間のアイデンティティーを服が支配して行く過程を描いている。キルラキルの脚本家つながりで読んだが、もともとSF小説を読みなれた人からすると、十分楽しめるし、ふだんなかなかSFを読まない読者でも読みやすい一冊。ワイドスクリーンバロックなどと言うジャンらしいのだが、ブラックユーモアの効いたコメディ(いい意味で)感覚で読めてしまう。脳内で映像化しやすい文章と、イケイケドンドン!!な展開のためサクッと読めてしまう。が、正直ツッコミが追いつかないw個人的にMIBを見たような感じ。純粋に面白かった。
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人類がこの先幾多の分岐を経て宇宙に拡散していく前提で、古地球の文明がどのように伝播されていくのか。また異星の知的生命体との関わり。そのアイデアの1つを切り出した作品。いい感じ。
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人類が宇宙の星々へ飛び出し、新たな文明を切り開いた時代の話。カアエン人という服飾文化を奉る人々がいた。彼らの存在を異端および脅威とみなしたザイオード星団の人間は、カエアン人を仮想敵とみなし、弱点を探るべく調査団を送る。そのいっぽうで、高価格で闇取引されるカエアン製の衣装を密輸するザイオード人の悪党。彼らの陰謀に巻き込まれ、さらにカエアン製の衣装の秘密にせまることになるひとりの「服飾家」。
衣装が人を操るという発想だけでも面白いのに、さらに踏み込んで衣装の材料となるとある植物に知性があって、彼らが人類の制覇を狙っているという設定がぶっ飛びすぎている。
アイデアの面白さはそれだけではない。カエアン製の衣装を満載した船が墜落したという惑星は「インフラソニック」恐竜(強力な低周波で敵を粉砕する)がいるため、専用の防護服が必要だとか、一生をロボットスーツの中で過ごし、ロボットのボディを本物の体だと認識するソヴィヤ人、彼らの敵として登場する、肉体を改造してサイボーグ化することで宇宙に適応した種族。他にも使い捨ての面白すぎる小ネタ満載で、湯水のようにネタを使い捨てにしながら力強く本筋が展開してゆく。この手の小説を「ワイドスクリーン・バロック」と呼ぶという。
アイデアの展開が主眼になっているせいか、キャラクターはあまり作りこまれていない。主役級の服飾家ペデルにしても、社会学者のアマラにしても、話をすすめるための駒のような扱いだ。あたかもフラショナール・スーツに操られた人々のように。
かろうじて人間臭さがにじみ出ているキャラクターといえば、悪党の頭のマストと、これはある意味皮肉かもしれないが、ロボットスーツの肉体を持つソヴィヤ人のアレクセイぐらいだったりする。
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読む前は、服のSFって何だ!って感じだったが、読み進めて納得し、センス・オブ・ワンダーに震えた。確かに、服を着ると気分が変わるし、いつもと異なるテイストの服を着れば、他人が受けるその人の印象が変わる。服を着た本人も(一時的なものかもしれないが)性格が変わったかのように錯覚することもあるだろう。気づいているようで気づいてない状況を、あわや星間戦争なところまで物語を膨らましているのはさすがである。読む前の期待がそれほど大きくなかったこともあり、余計に心と脳みそにガツンときた。
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自分は元々キルラキルは好きな作品だったが、本作へはキルラキル経由ではなく、ベイリー経由で偶然たどり着いた。長年色々追っていると、こういう偶然が出来て面白い。
読後感を振り返るとまるっきりキルラキル。服がテーマってなんだよ?という、多少穿ったような、本当に面白いのか?という疑問も抱きながらの読み始め、荒唐無稽でありながらもグイグイ引き寄せてくる構成に徐々にハマっていき、最終的には秀逸なオチに唸る。振り返ってみると見事としか言いようがない作品で驚くに至る。なるほど、中島かずき氏が本作の影響を受けた、というのはよくわかる。中島氏の視点を追体験する意味でも、読んでよかった。
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服飾に頓着しないたちなので、とっつきにくそうな印象があったんだけど、遭難した船からのお宝強奪からはじまり、奇想を繰り広げる物語が楽しめました。面白かったです。
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途中で疲れた(おい!)
着るだけで別人格のようになる
すばらしい洋服を作ることができる星があって
それは何かの陰謀じゃないかと
調査する話の流れだけでも
なかなかお腹いっぱいだったのですが。
逆に皮膚が発達して
服すらいらなくなった星も登場して
あれ?
なんか進化論的な方向に持ってくの?
というあたりから混乱してきた…。
悔しいけどねぇ〜
こっちの脳の回路が乗っかれなかったわ。