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おれもよく訪問してた先とか負の遺産を辿るのをダークツーリズムと呼ぶそうな。アウシュヴィッツ、キリングフィールド、グラウンドゼロ、チェルノブイリ、ポトシなど行ったことある記事は懐かしく読んだし、他にもホロドモールやクルドのハラブジャ、ブラジルのファベーラなど聞いたことはあったけど詳しく知らなかったことについて読めてよかった。チッタゴン行ったことあったけど船舶解体やってる話は知らんかった。写真もそこそこ豊富。
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旅行は楽しい方がいい。明るい方がいいと思っている人には不向き。旅行を試練と考えている人には良い指南書となるだろう。日本からは、硫黄島、沖縄本島・久米島・伊江島、福島の3箇所が選ばれている。日本にも結構ダークな場所が多いのだと感心する。
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ダークツーリズムとは、戦争や紛争の跡地、あるいは災害のあった跡地などをへ訪れることをいうそうです。
この本ではそんな様々な悲劇の跡地を、いろいろな方が実際に訪れ、そこで感じたことをエッセイとして書かれたことを、現地の写真とともにまとめられています。
有名どころでは、作家の角田光代さんがサラエボ、社会学者の古市憲寿さんがアウシュビッツ、ジャーナリストの森達也さんがグラウンドゼロについて、それぞ執筆されています。
印象的なのは古市さんのアウシュビッツの箇所。古市さんがアウシュビッツを訪れたのは、6月の初夏の頃。アウシュビッツと聞けば、ガス室でのユダヤ人の虐殺をはじめとした、イメージからどこか荒涼とした寒々しいイメージが著者の中にありました。しかし実際に行ってみると、広がる草原に爽やかな風が吹き付けるなど、イメージとは違うところだったそうです。
そして、そんな気持ちの良い日でも、過去にはこの場所で大量虐殺という事実は起こっていたということに奇妙な気持ちをもったそうです。
僕がダークツーリズムに近い旅行をしたのは、小学校6年の時の修学旅行でしょうか。広島へ行きそこで原爆ドームや資料館、平和記念公園を訪れました。
確か、平和記念公園から川を挟んで、鉄骨がむき出しになった原爆ドームを見ていたと思います。鉄骨がむき出しになった原爆ドームの背景には、現代のビルが建ち並び、少し横に目をやれば、橋を自動車が渡っていきます。その様子を見て、なんだかそこだけ時間が切り取られ、止まってしまったかのような「奇妙な」感覚がしたのをこの本を読んで思い出しました。
どんな事実も人の記憶も、いずれは風化していきます。そんな中でも、ここに紹介されている史跡や跡地たちは、おそらく時間を切り取り保存したまま、これからも残り続けていくのだろうと思います。
実際に訪れるのは難しいところもありますし、心情的に辛いところもあると思います。だからこそ、こうして写真あるいは文章として、触れられることは意味のあることだと思いました。
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歴史の中でも悲惨な出来事があった場所や記念館を解説してくれている。世界大戦、災害、テロ等原因は様々だが沢山の人が苦しみ死んでいった様子が伺える。危険を伴うような場所や一般には知られていないような箇所も取り上げられている。関連映画や本の紹介も掲載がある。
一部の記事で写真と文章が前後したり内容が合っていないところがあった。
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アウシュビッツの感想はまさにその通りで、観光地化された人のひしめく資料館(アウシュビッツ)ときれいな青空が広がるだだっ広い草原(ビルケナウ)。現地に出向くよりインターネットで母国語による豊富な情報が手に入るこの時代に、現地に出向く価値とは何だろうか。
ムック本なので内容自体は比較的軽いものの、映画の紹介が載っているのが好印象。観光ガイドというよりはエッセイの詰め合わせ。
次、行くとしたらベトナム・カンボジアかな。
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大虐殺の跡、戦争とテロの傷跡、被災地の光と影、人種差別と貧困の記憶、に分け全部で23カ所紹介。いずれの地にも小説家やルポライターなどが赴いたルポの形式になっている。写真や説明だけでないところが目新しく臨場感あり。
「チッタゴン」(バングラディッシュ)これは前に写真集でみたことがあった。船の解体現場だとあったがその写真では内実はわからなかった。旅行作家の蔵前仁一氏のルポ。前もってそこに行こうとしたのではなく、バスで近くを通ると巨大なエンジン、ボイラー、キッチン用品が道路わきに並び、バスの隣席の現地人に訪ねると、近くに船の解体現場があるとのことで、後日改めて行った。クレーンなどは使わずみな手で解体している。1965年に第二次インド・パキスタン戦争でパキスタン軍の攻勢で航行不能になったインド軍の軍艦3隻がこの海岸に曳航され解体されたのが始まりだという。現在は140の解体場があり世界の大型船の4割がここで解体され、その7割は日本の船舶だという。日本では20世紀の終わりまでは国内で解体しており、第二次世界大戦後、各国で不要になった軍艦などが日本に持ち込まれて解体されていたという。がコストの安いバングラディッシュ、パキスタン、中国などへと移ったという。
満潮時に浅瀬に乗り上げさせ、潮が引いてから、解体者達が手で鉄を切り解体するといい、週に1人の作業員が命を落としているという。少年の姿もめずらしくない。
表紙はアウシュビッツ強制収容所跡(ポーランド)
2016.3.10初版 図書館
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解説ではなくルポ形式のため、より実感が伝わってきました。
日々の日常が一瞬にして奪われてしまう光景に、アウシュビッツのルポに書かれていた「惨劇は、気持ちのいい青空の下でも起こることが実感できる」という部分が、どこにでも当てはまるように思えました。
そして、ほとんどは理由もなく巻き込まれていて、無念さが伝わります。なによりもこわいのは狂気を纏う人間ですね。
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アウシュビッツは 古市憲寿先生が執筆
初夏のアウシュビッツが とても美しく
史上最悪の惨劇が こんなに美しい場所で
行われていたのか という
私たち一般人に近い感想がとてもよかった
同じく サラエボを書かれた
角田光代先生のにもつながるものがあった
過去から現在進行形で
人類が生きている限り
負の遺産は作られてしまうのか
歴史から学ぶことができるのか