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PMI関連本2冊目。ウイリス・タワーズワトソンの方々による本。副題「事業統合を成功へ導く人材マネジメントの実践」。
感想。
副題通り、相当人材マネジメント中心の本。書いてあるイシューは、確かにその通り。しっかりやろうとすると相当大変だな。
人材マネジメント以外のPMIの論点はほとんど触れていない。
備忘録
・日本企業では、時に相手に対する配慮や気遣いが、PMIより優先されることが見受けられる。過剰な配慮はボトルネックとなる。はっきりと主従関係を示し、強力なリーダーシップで統合を進めていく必要あり。
・リテイン(離職を防ぎ、雇用を維持すべき人)に対する問題。
・米国では「案件の成功に必要な能力のある人」をリテイン対象者とするが、日本は「役職」で判断する傾向があり、しかもその情報源は相手先の人事部の情報だったりして、形式的。
・キー人材をリテインする為の報酬パッケージというものがある。パフォーマンスを条件とする(Pay to Perform)と、会社に残ることだけを条件とする(Pay to Stay)があるが、海外企業ではPay to Stayの方が一般的で、日本企業はPay to Performが多いらしい。意外だ。著者によれば、日本企業の場合、旧経営陣に従来通りの経営を許す傾向があり、残る経営員はPay to Performを受け入れやすいが、海外はガンガンPMIなので怖くてPay to Performまでは受け入れられない、とのこと。
・リテンションボーナスは、固定型・変動型あるが、固定型の方が良いか(海外は多い)。
・米国の1000億円企業の経営者報酬は、基本給で8000万くらい?、長短インセンティブを合わせて3億円くらい。日本企業は、基本給は6000万くらいで然程さはなくとも、インセンティブ足しても8000万くらい。。
・合併ストラクチャー毎の労務問題。
・合併→旧企業の労働条件が、そのまま引き継がれる。
・株式譲渡→会社の中身は変わらない。
・事業譲渡→個別合意がいるので、各種対応が要る。
・人材からみたガバナンス。誰を登用し、どんな権限を与え、同の様に評価し報酬を与えるか、でコントロールされる。
・セベランス・ペイ(解雇手当、割増退職金)。COCに派生する人員整理は、会社都合となり、割増退職金が必要とみられがち(先ずは雇用契約確認)。
・PMIが上手く行かない理由によく挙がる「企業文化の違い」。そもそも企業文化とは「その企業の社員が、他社の社員とは異なって独自に有している考え方や行動様式」と著者は定義。
・ただ、行動様式は無理やり買収側に合わせたりするのは良くない。曖昧も良くない。大事なのは、M&Aした目的と戦略に合わせて、あるべき企業文化を新たに策定することだ、と著者は言う。
・DDの時に、相手企業の企業文化を仮説立てておこう。
・被買収企業側の従業員のエンゲージ面とは低下する。それに対し、買収会社側で働くことが良い事であるとしっかり伝えたい。その時に「何が変わり、何が変わらないか」「新たに実現できることが何か」を伝えたい。
・変革を進めるにあたっては、「変革は避けられない」と感じてもらうこと、その為に「包み隠さず、現状と、戦略を、トップ��示すこと」が有効。(コカ・コーライーストジャパンの事例)。
・その他事例は、臨場感も伝わり面白かった。
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M&Aに関して必要な基礎知識と概要を知りたいので購入
PMIと呼ばれるデューデリジェンス直後からの買収交渉から締結までに
留意するべき事が詳細に書かれてある
所々日本企業の特異性にも触れている点もある事と
5章はケーススタディにもなっているため、学習になる
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第1章 日本企業のPMIの実態と課題
1 PMIとは何
2 組織・人事・ガバナンスのPMIの重要性と成功のポイント
3 日本企業のPMIへの意識醸成を妨げる要因•
(1)海外M&Aにおける現地の“放任"
(2) M&Aの成否に対する責任所在の曖昧さ
(3)リーダーシップの所在の不明確さ
(4)従来を引き継ぐストック・ディールの多さ
4 日本企業のM&AにおけるPMIの実態
(1)リテンション対象者の選別
(2)リテンション対象者の選別の情報源
(3)キ一人材のリテインのための報酬バッケージ
(4)リテンションの実績
(5)リテンション期間終了前の離職理由1
第2章 PMIの全体像
1 M&AプロセスにおけるPMIの位謹付
(1)買収対象決定後のM&Aのプロセス
(2)デューデリジェンスで確認すべきこと
(3)買収完了準備期間での実施事項
2 ディール・ストラクチャーに依存するPMI
(1)三つのディール・ストラクチャー
(2)昨今のディール・ストラクチャーのトレンド
3 M&Aの「目的」に応じたPMIのあり
4 PMIを考えるフレームワーク~九つの構成要素
5 ブロジェクト・マネジメント・オフィス(PMO)の役割
第3章 ハード面(組織、人事諸制度)のPMI
1 ガバナンス
(1)「人材」から見たガバナンス
(2)ガバナンスにおける主要論点
2 経営幹部リテンションと経営者報酬
(1)リテンションと経営者報酬の全体像
(2)デューデリジェンス段階における初期的検討と分析
(3)リテンション策の実行
(4) PMIにおける経営者報訓の中長期的な運営
3 等級・報酬・評価制度の統
(1) 統合の必要性
(2)統合プロセス
(3)等級制度の意味合い
(4)等級制度の統合
(5)報酬制度の統合
(6)処遇条件変更の留意点
4 ベネフィット(退職給付、健康保険、福利厚生)の統合
(1)ベネフィットの特徴とPMIを見すえた人事デューデリジェンスの進め方
(2)確定給付型退職給付の概要および着目のポイント
(3) 確定拠出型退職給付の概要および着目のポイント
(4)健康保険(医療保険)の概要および着目のポイント
(5)住宅補助ベネフィットの概要および着目のポイント
(6)年次有給休暇の概要および着目のポイント
(7) 人事デューデリジェンスにおけるSide by Side 分析の活用と売買価格への反映
5 人事IT (HRI Sの活用)
(1)人事ITソリューションの効果
(2)人事部もHRISで進化
第4章 ソフト面(企業・組織文化)のPMI
1 企業文化とは何か?
(1) M&Aの成否を分ける企業文化
(2)企業文化とは“The Way We Work"
2 統合後のあるべき企業文化とは?
(1)統合後の企業文化構築のアプローチ
(2)統合後の戦略実現に資する企業文化を作る
3 どのように相手の企業文化を知るか?
(1) PMIは相手の企業文化の理解から始まる
(2)デューデリジェンスを通じて相手の企業文化の仮説を作
(3)相手とのコンタクトを通じ企業文化の仮説を深める
4 どのように企業文化を融合するか?
(1)ハードとソフトの双方からの取り組み
(2)社員の巻きこみを通じて企業文化を融合する
(3)相互の違いを知り尊重する環境を作る
(4)企業文化融合の進捗状況をモニタリングする
(5) “統合リーダーを育成・登用する
5 社員感情に配慮したチェンジ・マネジメントを
どう実施するか?
(1)被買収企業の社員のエンゲージメント・レベルは低下する
(2)被買収企業の社員が不安を持つ三つの要素
(3)エンゲージメント・レベルを改善するチェンジ・マネジメント
(4)社員の不安に応えるコミュニケーションの設計
(5)コミュニケーション・プランでいつ誰に何を伝えるかを明確化する
第5章 国内企業による事例紹介とケーススタディ
1 国内企業の成功事例紹介
(1)コカ・コーライーストジャバン株式会社
(2)ダイキン工業株式会社
(3)味の素株式会社
2 企業統合のケーススタディ
(1)株式取得案件ー〈日本法人A社による、米国法人B社の買収〉1
(2)事業部門取得案件
一〈日本法人X社による、米国法人Y社のZ事業部門の買収〉
(3)企業文化の統合案件
第6章 日本企業がM&AとPMIを成功させるためには何が必要か
1 PMI の成功には日本企業自身の変革が必要
2 M&Aを前提とする絹織運営を確
(1)統合の前提となる組織原理の転換
(2)統合組織モデルのピジョンが必要
3 日本企業の人材マネジメントの課題
(1)属人化からの脱却と意思決定の透明化
(2)組織のモジュール化への抵抗排除
(3)社員コミュニケーションの工夫
4 PMI のレベルアップ
(1) PMI プランニングをデューデリジェンスから行う
(2)経験と組織知を反映したマニュアルとツールを活用するか
5 統合リーダーの開発
6 日本企業の強みをPMI に活かすために必要なこと
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PMIと言いつつ、記載内容はかなり人事面の統合に偏っていた。
出版元企業の自社宣伝の面も強い。
あまり自分が求めていた内容にはそぐわなかったため、星2つ。
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M&Aを成功に導くには、その後のPMIが必要不可欠である。そしてPMIは往々にして組織改変や人事異動、必要な人材の引き留めが重要であり、本書は人材マネジメントに焦点が当たっている。
ただ、金額やタイトルの割に内容が薄く、また説明領域が狭いため、はっきり言って駄本。PMIについて学びたい人にとっては極めて期待はずれと言わざるを得ない。