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少子化が急速に進行した近未来。
男女は自発的に恋愛し、パートナーとなり、子供を産み育てるという習慣を失う。
そして、恋愛に代わるシステムとして、様々な理由から志願し選抜された男女が、国によってカップリングされ、子供を作るシステムが構築される。
そのシステム、アカガミを利用する男女には、国の庇護による手厚い子作り体制が保証される。
アカガミを利用する生活は、非常にリアル。
そして、アカガミを利用し男性と番った主人公は、やがて妊娠する。
現代の少子高齢化が進展した未来の設定としては、あり得ないこともないかもと思うが、その設定、着想以外は、かなり荒削り。
そして、唐突にやってくるエンディング。
当初の着想が面白いだけに、その後の展開と結末に物足りなさを感じてしまった。
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とてもおもしろかった。
近未来の日本は、草食化が進み?若者は、セックスや恋愛に興味を持たなくなった。その対策に国は「アカガミ」制度を導入。「アカガミ」に志願した者は、指定された団地に赴き、カップルとなる。相性が悪ければチェンジも可能。
主人公のミツキは生きる意味を見いだせず、何度も自殺未遂をしていたところ、知り合いのログから「アカガミ」を紹介される。ミツキと一緒に生活することになったハルノは、家族の生活を救うため「アカガミ」に志願した。
生きる意味を見いだせず、恋愛にも興味がなかったミツキが、次第にハルノに魅かれていく。ハルノもミツキに魅かれていき、自然の流れで二人は結ばれる。ミツキはめでたく妊娠し、ツキとハルノの生活はこのまま穏やかに続くと思われたが……。
ミツキがハルノに魅かれていくところ、ハルノもミツキに魅かれていくところが、なんともいえずよかった。ストーリーはありえない設定なんだけど、こうなってもおかしくないと思わせる、変にリアルな設定がこのストーリーのおもしろさを増していると思う。
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世界観は見たことなく面白かった。スピード感もあり、主人公たちの感情の変化や人間らしさの芽生えにほっこりさせられる。ただ、フランス映画よりもアメリカ映画が好きな私は最後で『アカガミ』がどうなるのかはっきりさせてほしかった。
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「アカガミ」というタイトルからして、戦時中の話かなと思いきや、近未来、2020年東京オリンピックの年のお話。しかもフィクションなのに凄く現実味があり、将来的にはそうならないとは限らないような気がしてくる。
内容は、2000年以降生まれた若者の寿命は40歳までもたないかもしれないという論文に影響され20代~30代の若者の自殺が増え40代以上の人間の比率が飛躍的に増加しつつある日本国は「アカガミ」という制度を発令し、若者のカップリングと子作りを国家が管理しようとしていた。
アカガミに志願した「ミツキ(妻)」と「サツキ(夫)」はそれぞれ、カップルとなり、それなりに愛をはぐくみ、妊娠までに至るが・・・・。それまで、このシステムは凄く素晴らしい制度だと思っていた二人が、ラストでは思わぬ展開になってしまう。これからどうなるのかという余韻を残し終わってしまったので、何故かちょっと物足りなさも感じる。
設定も、素晴らしいし、内容もいいのだけど、終わり方にもう少し工夫が欲しかった気がする。この夫婦が幸せになったのか、不幸になったのかは謎である。
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読後のなんともいえない泣き笑いが止まらない。
近未来の話なのに、なぜかもう経験したことのような錯覚に陥る。
静かで、優しくて、幸せで。
そんな都合のよい場所は小さな穴も見逃さない。
ありえる?ありえるな、この国なら。
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さすが窪さん!
草食系が国に支配されるお話。
2030年の設定だけど、今でも水面下では進んでいるんじゃないか?
国が少子化晩婚化をやたら気にしだし、お役所認定の婚活をやりだし……。
大きなお世話だっちゅーの!
といっても、この少子化云々の流れはもう止めようもなく、手をこまねいて見ていられなくなったんだろうな。
不適合者は論外とする想定はゾッとするけど、今でも充分あり得る。
「まぐわい」マッチングリストが、産まれてから早々に作られても不思議じゃない世の中になりそう。
いやー、面白かった。
SF的ブラックユーモア的。背筋がゾッとするお話でした
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窪美澄さん、最近のヒット。どれ読んでも面白い。性離れに対して国が設立した支援制度。結局子どもがどうなるのかわからなかったけれど、物足りない終わり方がまた想像を掻き立てられてよかった。わたさはを離さないでのドラマと少し被った
。
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面白かった。性的な事に嫌悪感さえ抱いていたのに、まぐわいたいと思うようになる過程とか、微笑ましいと同時になんだか感動しました。
強制的に相手をあてがうのは、チェンジもありなら結構いい制度かも、生活費も必要ないならスペックもあまり気にしなくていいし。
でもラストには、まだ何人も産むかもしれないのに非効率的な事するなぁ、この世界の日本は金持ちなんだな、とかくだらない感想を持ってしまいました。こういう事を大真面目に考えるお偉いさんはいそうで怖い。
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見える世界の色がグレーから虹色に変わっていくのと、
心と体の温かさ、冷たさ
いろんなベクトルで物語が展開していく本
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ある本でこのままのペースだと数十年後には日本人は絶滅危惧種になると、冗談ぽく伝えていた。
草食系男子が増え、年収が低い非正規雇用者は結婚が出来ない。また様々な生き方が是認されて、若者の結婚の要求度は著しく低下している。
国として何らかの対策を打たないと、少子高齢化は歴史的にも例を見ない状態に進んでいくのだろう。
アカガミというタイトルからは、甲種合格の男女は否応なく結婚させられるのかと思ったが、少し緩い政策で、私としては緩すぎて残念だった。もっと危機感を持った小説を期待していた。
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2000年以降に生まれた若者たちの話。
未来というほど遠い話でもないよなぁ、と思うと
現実味を帯びてくる。
起承転まではグイグイ読みましたが結のところは、
ちょっと肩透かし。
もっと絶望的か、もっと希望に溢れているか。。。
どっちかに寄せてほしかった。
あくまでも好みの話ですけど。
ただ、今、現に自治体が婚活事業を主催しているし、
このまま、日本の人口が減り続けていくと
国営のお見合い産業ができても
まったく不思議でない。
恋せよ、若者。
恋愛の煩わしさを楽しめ!お願い。
初読み作家さんでした。
文章の綴られ方は、7割がた印象通りかな・・・
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結構面白かったな。
「子宮は子どもを生むためにあると思うわ。その機能を使わなかった人間はね、狂っていくしかないんだわ。」
何回か出てくるこのフレーズにはぐさりと来た。
けど、実際にはこれは主題には繋がっていない。無気力だった人間が恋をすることで生きる気力を得る、というのをちょっと違う方法で書いている。
終わりが物足りないのが残念。個人的には、追い出されたふたりがどうするのか、が読みたい。…立ち向かうのか、サバイバルするのか。あるいは赤ん坊が成長してレジスタンス活動をするとか。
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近未来の日本の話。若者が恋愛をせず、子供が生まれない、自殺増加の未来の日々。アカガミという国の制度に参加してマッチングし、子供を作る事業。恋愛に興味のなかったミツキが、サツキと恋に落ちていく様子が丁寧に描かれ、ふんわりした気分になる。その後、アカガミの仕組みの恐ろしさがだんだんと表出してくる。そして赤ちゃんが生まれるが・・・・。「不適合」の烙印を押され・・・。 めちゃこわ。読後感がめちゃくちゃ気持ち悪い。でも読んでる間は、すごくおもしろい。本当にありそうな話なような、でもやっぱり幻想的なファンタジーの世界のような。パート2を読みたい。ほかの子供たちは、いったいどうなってしまっているんだろう。そして、海外ではどうなっているんだろう。どうやってミツキたちは子供を守っていくんだろ・・・・。
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近未来には若者が性欲をなくしちゃう、ってお話なのだが、結局そんな世の中のどこが恐ろしかったのかよくわからない。放置された謎の多いお話である。
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結婚も出産も当たり前でない(むしろ忌み嫌われている)近未来の日本。国のアカガミ制度に「志願」したミツキが流れるままに番いまぐわい子を産み…。
え、ここで終わるの!?と思ったけれど、想像をかきたてられ、自分の人生についても考えさせられる一冊でした。