電子書籍
ミステリとしてはアンフェア
2018/04/10 17:52
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しゅらいく - この投稿者のレビュー一覧を見る
巻末に作者の解説(言い訳?)の載っているバージョンを読みました。ただ作者の説明と読者の疑問とがズレている気がします。多くの人は巻末の解説を読んで「だからそうじゃなくて…」と言いたくなるのでは?
ミステリとしてアンフェアな作品だと感じました。
謎の提示が遅い上に、ある人物の紹介が遅すぎます。誰がどこで何をしていたのか?(5W1H)などは曖昧過ぎでした。作品の性格上仕方ないかもしれませんが…。
内容自体はそれほど難しくなく、事件の概要も理解できます。ただ書込みは足りないかなぁ。K2の説明とかもう少し詳しく書いて欲しかった。
一応それなりに読めるレベルとして星2つにしました。
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猟奇殺人事件がテーマで、「写真は何を写すモノなのか」という視点から特に序盤の話が進むのもあって、普通では無い思考のヒト(cf.レクター博士)独特のオーラのようなものをジワジワ味わわされる描き方。人の感じる「生理的恐怖」のようなものを意識して書かれた文章だなあと思いながら読み進めた。
色々な話が、「手紙」「取材(会話)」の形式で少しずつ出てくるのでまどろっこしくもあり、ゆっくりグロテスクな話が掘り起こされていく感じが(作品としては)良い点でもあったり。
星3.7くらい。
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女性2人を殺した猟奇事件の被告に面会に行くライター。
死刑判決を受けている被告に話を聞き、この事件を本にするため。
しかし、話が少しずつずれているような…
関係者にも話を聞くが、関係者たちも何かしらを隠しているような、何かに怯えているような雰囲気を醸し出している。
そんな異様な雰囲気の中、様々な疑惑が浮かぶ。
そして、辿り着いた先に見えてきた事件の真相は…
2024.1.21
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本屋大賞ノミネートのとき、推薦文みたいなのを新聞か何かで読んで、それ以降、文庫化を待ち望んでいた作品。待ちきれなくて、途中で本作者の『掏摸』を読んでみたりして。で、サッと読み終わってみた感想としては、う~んって感じでした。イニシャルの意味が分からんんくて、ネットでもちょっと調べてみた。で、結論としては各人物の本名におけるイニシャルみたいやけど、そんなもん、分からんに決まっとるやんけ。ってか、別に何でもええやん、そうなったら。AAでもBBでもええがな。どんでん返しもそこまでの衝撃はなかったし、ちょっと中途半端で、期待外れな印象を持ってしまいました。
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■愛を貫くには、こうするしかなかったのか?
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか? それは本当に殺人だったのか? 「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら、この事件は実は――。話題騒然のベストセラー、遂に文庫化!
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犯人や犯行動機は分かりやすい。しかし、読み終えて振り返ると、あの文章は何だったのかと思う箇所が多く、釈然としなかった。
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アクリル板 内省せい的 にぎ賑わせた 国選の弁護士 ネグレス育児放棄 蝶 真の欲望は隠される タルコフスキー 瞼の裏 木原坂 K2 カポーティ冷血 粘土細工 侵食 芥川龍之介 地獄変 数字は美しい 奇妙な公式 写真とは模倣であると 芸術とは一種の暴露であるとも 人形師 顧客にとって都合のいい生命 シリコン アイドルの実在を感じているだろう? 遺族に辛辣な言葉を吐いてるし 時に饒舌になる あらゆる狂気を受容するように 人間の暗部もライトに、漫画のようにデフォルメして、多くの人々が納得できることだけを書く。…貴方にはそれがお似合いですよ。 羨望の眼差し 応仁の乱 人が死に過ぎた頃 妻の姿を顧みなくなる 死に瀕して 諸悪の根源 彼は超えてはならない領域に行こうとした ハッピーボーイ 彼の弾くピアノの鬼気迫る旋律 黄色いブロック 吐き気 心療内科 合成 虫唾が走る 遊離 凌駕 メフィストフェレス 憐れみの感情もセックスのスパイス 化物 琥珀色の液体 シアン化合物 青酸カリ 僕は編集者だからゼロからものは作れない タレントのゴーストライター 読解力云々 蛇足 説明
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2人の女性を殺した死刑囚へインタビューを行うライター。本を書くための取材を通して真相に近づいていくのだが…。
帯のキャッチで煽ってたほど衝撃的なラストではなかったが、先を読もうと思わせる構成力は感じた。
イニシャルはもっと深い意味があるのかと思ってサイトを漁ったが、普通の話しか見つからずやや拍子抜け。
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好きな作家の中村文則の作品。
冒頭から怪しい雰囲気が漂っており、ストーリーに引き込まれていく。内容的には、犯罪を犯した写真家の話を聞き取りする場面から始まる。最終的に話を強引に持ってきた感があるが、犯罪者の心情も分からんでもない気がする。たまたま文庫に巡り合えてよかった。
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読了だけなら2時間あればいける。
でもその後にとても時間がかかった。一晩経って、それでももう少し考えて、やっと、これ…かな…!?という答えが出た。そうだとすれば納得ができる。
私の着目部分は献辞。あとは仮名。個人的には亜希子さんも気になるところ。
ミステリとしては中も外も大きな仕掛け。小説としては、様々な狂気。読解に努めようとすると読みにくさも感じるが、しかしそこがよかったと思うの。僕も取り込まれないといいのだが。
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面白かった。
正直に言って全体の流れが最後の方まで解らなかった。
最後の方は読むのを止められなかったw
以前に読んだ作品よりは幾分、俗ぽっい感じがしたが、文章のキレの良さはカッコイイと思う。
人の心の奥の歪みがごく自然に書かれていて、自分の周りの人々が皆そのように歪みを抱えている様に思えてしまう。
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久々に文則作品を読んだ気がする。
最初は「この小説はサスペンスだな」と思い、読み進めていくうちに「いやホラーだわ」と感じたが、終盤で「これは深すぎる愛の物語じゃないか…!!」と心を撃ち抜かれ、でもやっぱり最後まで読んだら安定の文則作品だった。恐ろしい。
相変わらず世界観が独特。でもそれにハマる。怖いものみたさ…的な。ただ今回はすごく純愛性を感じる部分が強かった。好きです。
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なかなか凝った「本」だった。
あまりにも自分勝手な登場人物で読了後 変な気持ちになる。
だが一気に読める。
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この本に於いて、起承転結の結は、どこが始まりだったのだろう…?
自分が今いるところは、伏線の回収部分なのか、それともまだ、転部が続いているのか…。
不可解で曖昧な狂気に満ちた世界は、物語の骨組みという流れすらも、不安定にさせていく。
今にして思えば、それがこの作品世界に取り込まれるということだったのだと思う。
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http://tacbook.hatenablog.com/entry/2016/04/30/224721