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ジブリ好きな人ほど必読すべき本
女性には特におすすめ
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昔読みたいと思った本でまだ読んでいなかったので。(2007/3/13)いつの時代も仕事に生きるか自分の生活を大事にするかって悩ましいのだなあと思うことしきりです。色を決める仕事をするひとの話ですが、社会人が仕事に向かう態度、ものづくりをする人間がどういう心構えをもつかがよくわかり、勉強になります。
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ジブリの色彩設計担当の保田さんのお話。日本における色彩設計という仕事の草分け的存在。ジブリの壮絶な制作裏が覗けます。
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色マニアのかた必見
ジブリの配色はここから生まれる
この世界死ぬほど細かいよ
こういう方たちがいるからこそ感動が増します
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ジブリの女王、「やっちん」のすべてはこの一冊で手堅く解る!やっちんの色に対する欲望のすさまじさ。それを我々は「色欲」と呼ぶべきではあるまいか。全ての女性クリエイター必読です。
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先月亡くなった保田道世さん。こんなすごい人がいてジブリは成り立っていたのだなあ。
いくつかの作品のあらすじがさらっと書かれていて、何度も観てるけど意外とわかってなかったとこがあった。
一口に色と言ってもその作業は広範囲に渡り、光や水を通した色の感じや服の質感、映画では一瞬で過ぎる一枚一枚の隅々にまで神経を張り巡らす。作品ごとに新しい色を作ったり、人を育てたり、社内外問わず全体をみて、時にはイベントまで計画して、いろんな人を巻き込んで魅了していた保田さん。
今度から、色にも注目してジブリ映画を観よう。面白かった。
トトロと火垂るの墓の2本同時進行のとき、宮崎さんと高畑さん両方が保田さんを必要とし、結局両方ともに携わる。すんごい信頼。仕事への向き合い方、大変なときの乗り越え方なんかもおもしろかった。それにしても過酷な仕事だ。
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ジブリの色彩設計の方のインタビューを集めたノンフィクション。
色指定の才能に加えて物をよく見る力、他からの意見を取り入れるコミュニケーション力、踏ん張りのきく気力体力と全てを兼ね備えた人
こんな天才は空前絶後かもしれないと思うと切なくなる。
何故なら、現役で身体を酷使したためかもう鬼籍の方なので。
こんな有能な人材をこんなふうに働かせることはもう無理だししてはいけないと思う。
もっと長生きして後輩の育成に繋げてほしかった。
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とても読みやすく、そして保田道世さんのことを知ることができてとても満足できました。
導入、宮崎駿監督の『もののけ姫』に対する言葉、胸の内の覚悟に圧倒されました。
そこでもう心は掴まれましたが この本の主役は宮崎駿監督ではなく ジブリを色彩設計という立場で支え、宮崎、高畑勲両監督から絶大なる信頼を得た保田さん。
その保田さんの話へと プロローグ、もののけ姫の制作秘話、絵の具発注先の悩み、から 保田さんの色彩設計の道の始まりまで戻り、と構成が物語のようで スゥッと入り込むことができました。
アニメの制作手順も色彩設計も何も知らない私は 最初から話が聞けるがわかりやすく知識を吸収しやすく読みやすかったです。
また話のボリュームの具合がちょうど良い。
初期の東映動画時代から順に書かれるが どの時代も蛇足がないと言えばいいのだろうか。
ストーリーが絞られていて ある作品に向かい合ったときはこういうことを学び、吸収し、課題を残し、次はこうしたいと思った、そして次の章では、、、と繋がっていく。
これが的確な書かれ方をしているので読みやすい。
うん、私は感想を書くのが下手だけど…。
保田道世さんという方がどんな風に宮崎・高畑両監督から信頼され、どんな仕事の経験を積み、色彩設計という仕事の分野で能力を開花させたのか。
開花させたというと本人はそうじゃないと言いそうなくらい仕事に厳しい。そして仕事への没頭具合がすごい。驚くべき熱中度、身を捧げていると言ってもいいのではないだろうか。
保田さんの素晴らしい点として書かれているのが
色彩設計という微妙な色の違いを認識する美的センス、目で見たものを再現するセンス、撮影のおいてどのように発色されるか、単純に色の記憶力の凄さ、などクリエイティブの分野における深度と、
プロジェクトの進行、スタッフへの業務割り振り、後継育成、依頼する外部会社への気遣い、パイプ作りの手腕、監督が考えるストーリーを理解した上での色彩設計などビジネスウーマンとしての視野の広さ、両方を高水準で併せ持っている。
超人。
宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫、久石譲、
山本二三、男鹿和雄etc
傑物揃いのスタジオジブリ…こ、ここにもまだ天才がいたのか!!!!!!!保田道世。という感じです。
凄すぎます。
天才が集まり作品を作り上げた そんな素晴らしい作品を見ることができる、奇跡だなと改めて思わされました。
でも本人たちは もしかしたら天才と片付けられたくないかも。なんて。
元々の才能の高さはあるかもしれないけれど、仕事への貪欲さがあるからこそ妥協せずやってきて 経験をとにかく積んで、もっと、もっと。
はたからみたら十分すごいのに そこで満足せず もっとやれる、と成長を続けてきた傑物揃いな気がします。
読み終わって悔しい気持ち。
保田さんに直接、たくさん楽しませてくれてありがとうと伝えられないだなんて。
これからのアニメ業界、作られるアニメがどうなるかわからないけれど、保田さん達が心血注いで作った名作はこれからも色褪せ���ことなく永遠に傑作として歴史にも皆の心にも残るだろうし、もういっそ、歴史的価値のある文化財なのでは、とも思える。
本当にありがとうございました。
著者の方も 素敵な本を出してくださりありがとうございました。
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保田道世さん、1939年生まれ、2016年に77歳で死去。
本書は1997年に「もののけ姫」余波で書かれた本なので58歳当時の「半生記」だが、本来なら「アニメーションの色職人――保田道世」というタイトルにすべきだったろう。
wikipediaに「宮崎駿からは「戦友」、高畑勲からは「同志」、押井守からは「強烈なおばさん」と、それぞれ評された。」とあるが、まさにそんな感じ。
ちなみに出生年は勲1935、駿1941、押井1951なので、保田さんは駿に近いが、尊敬していたのは勲だったのだろう、と記述から読み取れる。
先日「白蛇伝」DVD特典映像で、親しいスタジオでスタッフがバリバリ制作しています! と家内制手工業のような場面を見たが、その中に保田さんがいたんだろう、と思うと感慨深い。
本書の中では些末な記述だと思うが、トレーサーについてよく知らぬまま就職活動で訪れた東映の、屋上で同じ就活生と一緒に合唱したりした、という話で、さわさわーっと当時の人々の気風や雰囲気が想像できて、よかった。
こういう人好きというか、快活さというか、全然畑は違うが澁澤龍彦の人好きを連想したりもした。
また、当時のトレースとか、少し進んでトレースマシンとか、本書当時のコンピュータ技術への追いつき方とかについて、思うこと多々。
個人的にはおじさんになって「となりのトトロ」「火垂るの墓」で「茶カーボン」の効果になぎ倒されたので、その当事者に触れることができてよかった。
駿も本で「ある、女性仕上げ担当者の話し」と銘打って書いたり、ドキュメンタリーでも「やっちん」と相棒的立場を紹介したりもしている。
ジブリの色彩には毎度胸の奥をつかまれてひきずられて泣かされているが、その色彩パートのボスのことを知ることができて、よかった。
漠然と好きだったジブリについて、各方面から焦点を当てていくのは、愉しい。ますます楽しくなる。
そんな汲めども尽きぬ泉を作ったくれた人々に感謝至極。
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「作画汗まみれ」「漫画映画 漂流記」、東映動画草創期に漂う芸術家の梁山泊みたいな雰囲気を味わうべく本書に手を出す。
入社試験の健康診断で順番を待つ間、受験生らが合唱を始める。いい時代だなぁ!
私の愛する「赤毛のアン」は、かくも厳しいスケジュールで制作されていたのか。感謝の念を新たにする。
労働者の自由を勝ち取るべく、組合活動に奔走した高畑・宮崎・保田だったが、こと自分が打ち込める仕事になると徹夜で身を削ることを厭わない。真の自由とはこれなのか。
色彩設計と言えば「風の谷のナウシカ」に一つ苦言を呈したい。ナウシカのスパッツを肌色に近いベージュにしたのは大失敗だった。メーヴェを駆る彼女を後ろから捉えたショット。お尻好きのアニメーター金田伊功がヒップを強調して描いたため「ナウシカはノーパン」というデマが生まれてしまった。