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理念をお飾りにせず、理念を踏まえたあるべきビジョン=どんな状態を作りたいかを定め、ビジョンを実現する戦略を絞り=やらないことも明確にし、どう達成するかの戦術は個々の自主性に一任、掲げた目標については徹底追及する。全ての事象は自分の選択の結果であり、他責にしてはならない。結果を変えたければ自らの意思で日々の行動を変わらねばならない。ってな内容。
言葉にすれば単純だが、成功に裏ワザは無いことを理解し、基本を愚直に邁進するのみ。平凡も積み上げれば非凡になるということ。
キリンvsアサヒ。キリンの凋落、アサヒの躍進を中心にマーケティング事例として取り上げらることの多い熾烈なシェア争いの裏側で、このようなドラマがあったんだなー。同じ食品業界に身を置くものとして、シェア争いの大変さがわかるだけに、苦労の先のシェア奪還劇には感動!
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同じ営業として非常にためになる本でした。部下の指導に役立ちます。お客様との接点を増やす…
営業活動はこれに尽きると改めて感じました。ぶれずに実行します!
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心に刺さるフレーズがたくさんあった。
ビジョンを描き、それに向かって課題を解決していく手法は参考になった。
シンプルなビジョンは大切だ、と再認識。
どこに行ってもキリンビールが飲める
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営業の本質、とか今のもやもやがすっきりした気がします
現場の営業の人間としてどうしなければいけないのか、どうすべきなのか、どうしたいのか、かなり元気・パワーをもらいました
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素直に面白く、ためになる本だと思う。
ただし、基本的には同じことを繰り返して言っているので、後半はやや冗長。
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アサヒスーパードライの攻勢に押され、国内首位から転落したキリンがアサヒからシェアNo.1を奪回するまでの軌跡。
キリン本社で上司と衝突し、お荷物支店、高知支店に左遷された田村。支店長として懸命に高知支店の改革を行い、苦難の末に高知県内のシェアをアサヒから奪還する。四国、東海地区営業本部長として、両地区でシェアを取り返し、最後にはついに全国でアサヒを凌駕する。
著者の徹底的な現場主義とお客様第一主義の理念、愚直に取り組む姿勢、お客のためとならなければ本社にも反論する気概、ついには社内を巻き込んで動かしてしまう熱い情熱、そのどれもに深く感動した。
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理念の大切さ。
理念から生まれるビジョン。
上司をみるなビジョンをみろ
自分が会社を代表してるつもりでやる
一人一人が会社の存在意義を理解し
理念にのっとり行動するようになるには。
そもそも、自分がなんのために
この会社にいるのか
っていうのが、わかることが大事。
「個人的が本来もってる良さが次々現れ
人間としての質が高まりより個性的になる。
そうした変化は、仕事を通じて得られる」
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正直…「“手段”の“自己目的化”」に覆われてしまっているような、変な閉塞感のようなモノを、最近は強く感じる…そういう中であるが故に…この『キリンビール高知支店の奇跡』で綴られているようなことが、殊更に爽やかに思えた…色々な意味で薦めたい一冊だ!!
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キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!
(講談社+α新書)2016/4/21 著:田村 潤
著者は、元キリンビール㈱代表取締役副社長。95年に支店長として高地に赴任した後、四国4県の地区本部長、東海地区本部長を経て、2007年に代表取締役服社長兼営業本部長に就任。全国の営業の指揮を執り、キリンビールのシェアの首位奪回を実現した。
キリンがスーパードライの波に飲み込まれてつつあった1995年に、45歳であった著者は社内で代表的苦戦エリアと言われた高知支店に支店長として赴任した。厳しい闘いの末、2年半後には高知支店の業績は反転し、高知県にいおいてアサヒビールからトップシェアの座を奪い返すことができた。
後になって気づいたこととして、この闘いの本質はライバルとの闘いというよりも。自社の風土との闘いと言える。そして、現実と格闘して得ることができたのは、キリンビール社内、あるいはビール業界だけで通用するノウハウだけではなく、営業の普遍的な考え方や、物事の捉え方であった。
上記の考え方について3章にわたり実体験をもとに説明している。
①高知の闘いで勝ち方を学んだ
②舞台が大きくなっても勝つための基本は変わらない
③勝つための「心の置き場」
ビール業界のシェア争いが熾烈であることは何かで学んだことがある。
今まではアサヒがどうのようにしてシェアトップになったかということが中心となって書かれた書物から得た情報がほとんどであったが、やはり事実はひとつであっても視点が変われば違う物語は存在する。
本書は組織として問題を抱えている。問題を抱えていない組織なんて皆無だと思うがそんな迷える人の必読書ともいえる。読んでいてこちらも胃が痛くなったり汗が噴き出るような錯覚を覚えてしまうものの、成功に向けて改善していく様には多くの感動と気づきを与えてくれた。
私自身はお酒は飲まずビールは飲まないものの、小さい時父親は本書で出てくるキリンラガーをひたすら飲んでいた。本書のような思いの人が売るラガービールとそれを受け入れ飲む消費者。気づけばその背景には著者の頑張りがあったと思うと不思議な気分になる。
今は家計の事情もありラガーではなく、発泡酒を飲んでいる父。
次の休みには発泡酒ではなくラガービールでも買って持っていってやろうと思う。
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スーパードライ全盛期にキリンビール高知支店を起死回生させた、スーパードライとの攻防戦を如何に制したかを記すビール好きには興奮隠せない元営業本部長の著者。
その中で組織作り、チーム戦略のエッセンスとして語られていることは非常にシンプル。
ひとつは、現場に本質があり、すべてはそこからスタートさせることの重要性。現場のリアリティを大事にし、机上論、美辞麗句を排するという点。
そして、ふたつ目は、人間の能力は無限大であるということ。さらにいうと、それを引き出し、会社の業績につなげ、従業員に素晴らしい人生を歩んでもらうことが、リーダーの使命であるということ。
そして、これらの原則を支えている哲学は、「起点となる現場強化が決定的に大事である」ということと、そこで働く人の主体性が重要であり、自ら進んで行動し、自分の頭で考え、チームでの工夫や努力で突破するスタイルを重視することである。
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愚直に基本を行うことで成功するということを体現したようなストーリー。それを実行するところの難しさ、人をどう巻き込むかは組織・環境によって違うんだろうけど。。
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成績が悪くなるほど,本社では会議が続き,営業現場へはこれをやれ,あれをやれという指示が増えてくる。そうなると,その指示をいかにこなすか,忠実に守るか,という受け身の営業スタイルに陥り,言われたことをこなすだけで精一杯となるのがよくあるパターンだ。
掃除をすれば店主が喜んでくれるので続けている。これは目的と手段のはき違え。よく考えれば売り上げを伸ばす営業活動ではない。意味のないところに力を使っているはわかっているのだが,ほかにやるべきことが思いつかないので言われたとおりにやる(=なにも考えていない)。負け組の発想・精神風土。
このような問題があるので解決したいと具体的に伝える。高知支店は全体としてふわっとしていて中途半端。営業に限らずどんな仕事でもやることを絞ってやるのがあたりまえ。そして,その結果成功したのか失敗したのか検証されないのでは次に生かせない。
本当にやる気のある人は私とマンツーマンで真剣にやったかやらなかったかを詰めていこう。そしてやれなかったことをどうやってやれるようにするか,明日からこの結果のコミュニケーションをしっかりやろう。
「バカでもわかる単純明快。」と大きく書いた紙を貼っておいた。100人いたら100人がすぐにわかるような施策が必要だと考えた。単純なことを愚直に地道に徹底してやる。とういうこと。
結果はどうだったのか?目標が達成できていなかったとすれば,何故できなかったのか?努力が足りなかったのか,こうすれば良いのではないか?という問答をお互いが納得するまで突き詰める。→結果のクロージングにこだわる。これが結果のコミュニケーション。やったつもりが許されない。見てないことは罪。やっていないことは悪。逃さない。逃げられないという環境を作ることにより徐々に本気になる。
結果のコミュニケーションを毎月毎月粘り強く続けていくと一人ひとりに徐々に基礎体力がついてくる。「勝つための営業活動」を始めてスタートさせた営業マンはとにかく訪問するということに慣れていなかったので最初はとにかく辛かったと話す。
とにかく数を回りたいので,1件当たりの滞在時間も5分程度と短くしなければならない。ならば,その5分で相手に関心や交換を持ってもらうにはどうすればいいのかという工夫がでてくる。
チームワークとは何か?それは馴れ合いではなく。一人一人が自立することによってお互いを認め合って生まるもの。・それぞえれが相手のために役立つことは何かを考えるようになる。結果のコミュニケーションを通じてそれぞれが自分の約束に責任を持つようになる。だからそこチームワークが生まれてきた。
高知が一番というキャッチコピーは本来お客にとって何のメリットもない。しかし,このキャッチコピーは高知の人々の琴線に触れた。
結局,行動スタイルを変えることができるかどうかは簡単に言えば視点や心置き方を変えて見られるかどうかですし,人によっては身を捨てられるかどうかということでしょう。すべてをなげうって集中すると見えなかったものが見えてくる。当然���壁にもぶつかる。しかし,そこで死に物狂いで壁を乗り越えることで,今まで見えなかったものが見える。そして,自分の成長につながる。
真剣に相談する人には協力してあげたくなる。
必死に頑張っている人は応援したくなる。
勘違いが多かったのは料飲店を回るとの目的と捉えてしまうこと。大切なのはキリンのあるべき状態をつくる&キリンのメッセージを伝える。というビジョンを実現させようとすることなのです。どやってビジョンに到達するかは,自らの決意と覚悟,どれだか自分で考えて工夫することができるかにかかっている。
会議が好きな風土の会社は実行への関心が希薄になる。正しい施策を作ること辞退への関心が大きいから,会議が多い。そして,習慣化した会議は内向きの言い訳づくりの場であったり,何の課題解決にもならない者が多い。
仕事とは理念に裏打ちされたビジョンを達成するもの。上から命令された施策や企画を中術にこなすことのみが仕事だとする考えは間違い。疑問を持たず,ただこなすだけの仕事は面白くない。
勝つことの重要性を理解してもらうには商品力によるのではなく営業力、すなわち自分の力で勝つことを経験してもらう必要がある。競合と差が開くのは実行力の差である。
主体性を持つ:指示まちスタイル変革。自分の頭で考え、行動して主体的に議論をする。組織や立場にとらわれずに最終目標に向かうためには自由に意見を述べること。組織の壁に萎縮して大事な意見を述べないことは組織の損失。
研修では理解できても持ち場に戻ると実行できないことが多い。実行力を高める必要性。
理念とはなんのために仕事をするのかこの会社はなんで成り立っているのか。根本・源流はなんなのか?そこを考え抜いて行き着くIdentity。困ったときの道しるべ。但し、理念を現実にどう生かすのかはきわめて困難。一方で理念がないと前進しない。
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<2021年5月再読>
過去の功績に胡坐をかいており、危機感がない。当事者意識が欠けているチームをモチベーションをあげるチームワークづくり。
特に若いメンバーは戦い方を知らなかっただけではないか?
チームが切磋琢磨し、チームのためにという意識を持たせる。人のせいにしない。
現場の実行力を上げるために、理念、ビジョンを共有する。
勝ちに対する行動にこだわる。結果を出すことにこだわる。
指示待ちではなく、自ら動く。
メンバーはなにをしたいのか、自分になにをしてもらいたいのか?とヒアリングを実施する。
高知は一番が大好き!というお客さんの心をつかむポイントを見つけたことが大きな成功要因だと思う。ローカリゼーションが大事!現場をしっかり観察する。顧客視点!
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村上春樹の影響でビールを呑み始め、10年以上が経ったが、今のところ銘柄に強い拘りはない。
人によっては、「スーパードライでなくっちゃ。」や「ヱビスが一番!」というような意見があると思うが、個人としては(今のところ)全くと言っていいほどない。
そもそも、拘りを持つほどまで味がわかっていない。
ただ、去年パリに行った際に訪れたOkomusu(http://www.okomusu.com/)が一番搾りの生ビールを提供していたのには、感動した。
過去に海外でスーパードライや一番搾りの瓶を提供している飲食店に出会したことはあったが、生ビールは初めてであった。
かなり強気な価格設定ではあったが、ヨーロッパでも日本のビール会社が頑張っているんだ、と日本人として少し嬉しくなった。
本書はキリンビールが国内ビール市場に於いてシェア2位に転じてから再び首位に返り咲くまでの軌跡を、元副社長の経験を元に書かれている。
読んでいく中で驚いたのは、当時のキリンビール社内の体制と社員の士気である。
かつて国内シェア60%以上を誇っていた為、独禁法違反にならないよう「頑張り過ぎないこと」を第一に取り組んできた会社が、スーパードライの登場でシェアが降下していく中、どのようすればシェアを取り戻せるかわからない状況に陥ったという点だ。
著者・田村氏も高知支店長時代、どうしていいかわからず途方に暮れたとのこと。
個人的に最も感銘を受けたのは、「正解などわからない。必要なのは前進する力を常に創造し続けること。正解など、その後で見つかる」と「量は質に転化する」の2文。
新卒の就職活動時、ビール会社大手4社も調べていたので営業職の仕事内容を理解していたつもりではいたが、恐らくどの仕事も根幹は一緒。きっと一緒。
「不安やわからないこともあるけど、動き始めないと何も変わらない。また頑張ろう。」と思えました。
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田村さんの熱い思いが伝わってくる本であった。絶対的にアサヒに負けている状況でどう挽回していったのかーそれは現場力と理念に裏打ちされたビジョンだと思う。古河ASがY、Sに勝つためにはやはりこの2点が大事だと思う。それは何も特別なことではなく当たり前のことを愚直に実行することだ。現場に本質がある、人間の能力は無限大、自発的な目標を定めリーダーとの間で約束したらその結果を検証、経営は実行力、リーダーは一緒に課題解決せよ、イノベーションとは既存のものや力の組み合わせの革新。この本は”V字回復の経営”を地で行く書だと思う。思いが行動を変えるーこのことばを肝に銘じていきたい。
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■アサヒスーパードライは発酵度を非常に高めた製品でコクとキレという対立する概念を一つのものとして「美味しさのイメージ」をつくった。
■1996年のラガービールの味覚の変更により事前の消費者調査と正反対の結果が市場に生じた。
■尊敬する上司から学んだこと。
①現場に本質がある
・すべてはそこからスタートさせる
・現場のリアリティを大事にし,机上論や美辞麗句を排する
②人間の能力は無限大である
・それを引き出して会社の業績につなげる
・従業員に素晴らしい人生を歩んでもらう
■過去のキリンの営業組織風土
・役所以上の役所
・官僚主義,形式主義,実行より手続,現場より会議,本質把握より細かな手続
■闘う相手はライバルメーカーではなく社内風土。
■起点となる現場強化が決定的に大事。
・そこで働く人,一人一人の主体性が重要
・他に頼らず自ら進んで行動し,自分で考え,工夫や努力で突破する
■これだけは絶対にやってはいけない。
①自分で考えて確信を持てることしか部下に言ってはいけない
・本部から言われたことをそのまま下してはいけない
・いずれ聞き流される
②総花的な営業
・「戦力の逐次投入」は必ず失敗する
■バカでもわかる単純明快
・100人いたら100人がすぐに分かるような施策が必要
・単純なことを愚直に地道に徹底してやる
■「結果のコミュニケーション」
・営業結果についてのフィードバックを徹底
・目標達成できなかったのはなぜか
■なぜ売れるビールと売れないビールに分かれるのか。
・ビールは情報で飲まれている
・「美味しそう」「元気がいい」「売れている」
・目立つ場所にたくさん置いてあるのが売れている美味しいビール
・イメージが大衆心理に押し寄せる波のようなもの
■ビールはマーケティングの教材に取り上げられる。
■キリンを選んでもらうには,おキリンビールを飲むことに自信を持ってもらうこと。
・「メジャー感」「元気感」「売れている感」「安心感」
■最下位クラスから1位への要因はテクニックではなく,捉え方であり,行動スタイル。
■買われる人間と買われない人間の差。
・仕事は1から10まで上から言われてそれをこなすものだという考え方が抜けきらない
・視点や心の置き方を変えて見られるかどうか
・身を捨てられるかどうか
■四国は一つの島であるが4県四様の市場の違いがあり県民性の違いも大きく県同士も中がよいとは言えない。
・統一的な対策を打つとミスマッチが生じる
・理念,ビジョン,行動スタイルは高知のものをそのまま使用し,戦略・戦術は現場で考え,現場で責任をもって実行
・ビジョン実現のために自分の得意先でどう実現したらいいかということを自分で考えて主体的に行動する
■大きく役割が細分化された組織では「会議」が増える。
・会議が好きな風土の組織は実行への関心が希薄になる
・正しい施策を作ること自体への関心が大きくなるので会議が多くなる
・習慣化した会議は内向きの言い訳づくりの場となる
■「会議廃止」の効果
・営業部門と企画部門の関係が良くなる
・内勤の人数を減らせる
・資料作成や事前打ち合わせなど会議の準備と報告書の作成が無くなる
・エネルギーを社内から社外へ
・自分の立場を守るためのエネルギーを顧客増のエネルギーへ
■仕事とはすなわち理念に裏打ちされたビジョンを達成するもの
・上から命令された施策や企画を忠実にこなすことのみが仕事だとする考え方は間違っている
・細部にわたる上からの強制により営業マンに必要な「お客様の視点」が見えなくなる
■「美味しいしいキリンビールを飲んでいただく御客様を増やす」という理念の実現のための行動規範。
・営業マンに必要なことは不屈の精神と主体性の確立
・決してあきらめない
・現場力こそが最大の競争力の源泉
・勝敗の決め手は前進する力
・自己満足的で保身的な仕事をやめ顧客の信頼を高めることを第一に
■マンデーメールで送っていた内容
①主体性を持つ
・指示待ちスタイルの変革
・自分で考え行動して主体的に議論する
・組織や立場にとらわれず最終目標に向かうために自由に意見を述べる
・組織の壁に委縮して大事な意見を述べないことは延いては組織の損失につながる
②結果を出すことにこだわる
・人相手の営業は必ず競争,競合に勝たねばならない
・負けるということは御客様の満足低下を意味する
③基本を徹底する
・ビジョンと戦略に基づき,愚直に基本を繰り返す鼓動スタイルが大切
・会社の基礎体力の強化をもたらし変化に柔軟な対応を可能にする
■キリンの戦後の歴史的背景により醸成された風土。特に現場から遠い本社社員に評論家タイプが増えてきた。
・施策を連発した方が管理する側も目先が変わり目標を立てやすい
・現場はやらされ感があるがたとえ成果が上がらなくても上の命令に従っているのだから責任は問われない気楽さがある
・それぞれ自分を安全な場所に置き,業績が振るわなくても悪いのは他者で自分はやるべきことはやっているという意識
■リーダーの強化
①正しい決定を下せる
②現場を熟知している
③覚悟と責任感を持っている
■アサヒからキリンに変えてもらうため,キリンを飲んでいる人に喜んでもらうことに専念した結果,キリンを飲んでいる人の幸福度が相対的に高まった。
■勝つための「心の置き場」
①事実をベースに考えつくす
・現実を正視してから学ぼうという誠実さ
・現実と格闘してこそ営業にとって普遍的なフィロソフィーが得られる
②理念
・理念がないと前進しない
・リーダーには理念を形骸化させないという役割もある
③ビジョン
・「あるべき状態」を共有できれば戦略の絞り込みが可能
・戦術は個人が自由に工夫するというダイナミズムが出来上がる
・理念,ビジョン,戦略,戦術が一貫性を持てば数字にも変化が表れる
④腹をくくる
・コミットメントとは腹をくくること
・すべてはリーダーの責任
⑤成功体験
・大きな成功体験はその後の自分を助けてくれる
⑥���ランドとは守りの思想
・ブランド育成で重要なのは一貫性
・個々のブランドが持つ本質的価値に軸足を置き同じメッセージを伝える
⑦営業のイノベーション
・対照的なのは官僚的支配(画一性を好み,計算不可能なものは認めない,仕事を事務処理的に遂行)
⑧リーダーシップの確信を支えるもの
・ひたすら考えること
・未来は予測できないが創ることができるという思想
・実行力への信頼
・戦略を柔軟に実行できる適応力
⑨勝ちたいという執念
・執念の持続性が勝敗を分けることに直結
⑩結果のコミュニケーション
・できなかった場合は「なぜできなかったか」「本当にできないことだったのかを突き詰める」
・辛くても続けていくと営業マンが自分で考え,行動して,主体的に議論する能力を呼び込む
⑪最小のコストで最大の顧客満足を
⑫チームワーク
・日本企業の勝ちパターン
・部分最適の考え方を捨て全体最適を達成すると,そこに成長がある
・メンバー一人一人にとっても精神的な力になる
・個人が達成する喜びより広く深い
⑬量は質に転化する
・基本活動を愚直に地道に継続するといつかそれが質を生み出す
・平凡を極めると非凡に変わる
⑭苦しいときの変革は地方から起こる
⑮顧客目線のシンプルな戦術
・やることをシンプルにしておかなければやらなくなる
・御客様や流通の人もシンプルなことしか聞いてくれない
⑯バックミラーを見ながら運転してはいけない
・データだけに基づく計画が多すぎる
・データは過去の我々の行動の結果に過ぎず過去の行動が我々の未来を決定するのはおかしい
⑰動きのあるものとして捉える
・市場を止まっているものとしてみてはいけない
・市場のダイナミズムを活かしうねりをいかに起こすかに関心を持つ
■5つの要素と2つの在り方
(5つの要素)
①ビジョンを明確に描く
②ビジョンを「自分が実現する」と決める
③ビジョン実現のための戦略・戦術(勝利へのシナリオ)を考え抜く
④勝利へのシナリオを「自分がやりきる」と決める
⑤結果のコミュニケーションと徹底した活動の継続
(2つの在り方)
①「約束」(コミットメント)
・約束とは決して人から迫られるのではなく自発的に湧き上がるもの
・ビジョン実現のためにすぐやる,何でもやる,手に入るまでやる
②「責任者」(自分が源・自分ごと)
・すべては自分の選択の結果であり,何かのせい,誰かのせいにしない
・常に自分が源,自分が当事者であるという意識
■価値を創造する営業の「正しいマネジメント」
①事業目的
・御客様に自社商品を買っていただき喜んでもらうこと
・御客様の満足と価値が重要(貢献)
(旧来のマネジメント〔以下「旧来」〕)
・売上,利益を上げること(自己満足・維持)
②良い会社
・理念の追求度が高い会社
(旧来)
・大きな事業規模を持ち,利益額の高い会社
③ビジョンと目標
・すべてのよりどころとしてのビジョン
・ビジョン実現に本気になることにより高い目標に向かう意味も���確になる
(旧来)
・ビジョンは御題目で活動指標等の目標がよりどころ
・活動指標をゴールにするため働いている意味を失い疲弊しがち
④求められること
・ビジョンの実現に本気になること
(旧来)
・言われたとおりに実行すること
⑤目標達成へのプロセス
・ビジョン・戦略・戦術の軸が明確なので発想や行動に自由度が高まる
(旧来)
・管理志向が強まり現場の自由度が下がる
・やらされ感が生まれやすくなる
⑥問題解決
・どうしたらうまくいくかを考える
・広い視野からあらゆる可能性を検討する
・すぐに行動,行動しながら修正
(旧来)
・なぜうまくいかないのかを分析する
・原因の克服のみを考える。
・原因の究明に時間をかけ過ぎ行動が遅れる
⑦何と向き合うか
・最も重要な市場の事実
(旧来)
・決められた指標の達成度
⑧思考の基準
・現場のリアリティ重視
・強みの強化
(旧来)
・机上の理論と分析重視
・弱点補強
⑨行動スタイル
・主体的行動スタイル
・自らの力を信じ自らの工夫と努力により困難な状況を突破する
・決して諦めない
(旧来)
・受け身の行動スタイル(細部にわたる管理により醸成される)
・自由度が低い分言い訳が可能となり無責任な体質が生じる
・すぐに諦める
⑩行動力
・正解が分からなくても前進する
・動きながら考える
(旧来)
・会議で議論し結論が出てから動く
・動けばすぐに分かることも考えすぎて前進しない
⑪営業の能力
・様々な局面に対して自分で最善の手を見出そうとする気概(自分の意思決定による一歩を最善と信じそれを実行するものが評価される)
(旧来)
・社内での説明能力の高さ
⑫求められる人材
・イノベーションを起こし付加価値を生み出す人材
(旧来)
・決められた範囲の仕事を正確にこなす人材
⑬リーダー
・理念・戦略・戦術の軸をメンバーに説明・共有し,主体的に行動するようリードする
・現場で率先垂範し現場に強い
・現場の事実を戦略立案につなげる
(旧来)
・現場から離れた後方で指標によりメンバーを管理する
・社内の報告や会議に強く現場への関心が低い
■多くの会社で企画管理部門が強くなる一方で営業や製造の現場の力が弱くなっている。
・会社内部の官僚主義の蔓延
・「現場力」と何のためにこの仕事をするのかという「理念」が弱くなってきている
■日本企業が強みを失った二つの原因
①デフレが長期にわたったこと
②近視眼に陥りやすい四半期決算制度導入を始めとする近年の会社統治改革の失敗や過剰なコンプライアンス強化