紙の本
認知症のケア
2016/09/07 16:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
認知症高齢者をケアする場合の哲学であり技術であるユマニチュードの入門書。ケアをする人がいること自体が、ケアを受ける人の健康を損なう可能性が、現在の高齢者ケアにある。ケアをする時、優しさというのは心がこもっていればいいというものではなく、物理的なものである。人は、それぞれ自分に尊厳があると感じてるのだろう。しかし、ケアする場面で相手を人として認めているつもりでそうではないため、自己犠牲してケアをしている気持ちが生じ、自分の仕事の楽しくない。そこに問題の本質があり、介護の現場での燃え尽き症候群の病因がある。
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とても素晴らしい哲学と技術。多くの施設、病院で取り入れて欲しい。また人に対する接し方として普遍性があるので、普段の生活にも取り入れようと思う。
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「ユマニチュード入門」から、さらに立ち入った内容。
実例を多く紹介しながら、ユマニチュードの中でめざす本質的な部分に論を進めていて非常に理解しやすかった。
自由と自律が人間にとって不可欠であること
ヘンダーソンの理論、マズローの法則への対峙
権力の存在とそこから解放されること
「哲学的な距離」をとるということ
ケアをする人とはどうあるべきか レベル1/2/3
プロフェッショナルとは何か
患者中心のケアとは
人としての特徴を考慮したケアとは
といったテーマに答えてくれる
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素晴らしい本だった。
わかりやすい哲学書のようなものだ。
みんなに読んでもらいたい。特に、介護士や、医師、看護師、医療従事者。
2017.3.7.
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URL:https://mol.medicalonline.jp/library/ebooks/detail/?id=4450
*学外からは「学認」をご利用ください(利用方法↓)
http://www.shiga-med.ac.jp/library/support/manual/gakunin_mol.pdf
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4年前に読んだが研修デザインのインプットとして再読。欲求段階説をここまでこき下ろしていたっけ? すっかり忘れてた。この考え方に至るまで歴史的背景と著者らの実践、人間をどう理解、認識するかなど、わかりやすく述べられている。医療・介護従事者は読んでおいて損はない一冊。
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ダマシオ『デカルトの誤り』からヒントを得たユマニチュードというアプローチについての解説書。
認知症における「認知」の書籍にもかかわらず見当識などにはほとんど触れることなく「人に対しての認知」という社会的な認知を中心とした、新しい(そしておそらく正しい)アプローチを解説する入門書。
「恐れ」という「感じ」の取り扱いについての記述とアプローチが素晴らしい。まず「何を恐れているのか」というあたりをきちんと理解していない状態にあることに問題があることや「人間とは何か」という問いへの思考が必要であることなどを説く。
かなり突っ込んだ内容ながら下らないケア本のような自己満足的な胡散臭さはない。「コレは違う」という感じがしないので読みやすく感動的。
あと、ダマシオの『デカルトの誤り』は読んだ気になってたのだけど、よく調べたら読んだのは『よみがえるスピノザ』の方だった。うーんタイトル似てると思ったけど全然似てないよな。
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ユマニチュードを病院で実践して実際に患者を歩かせた次の日にその患者歩けると思い込み転倒しているなんてことがあったから正直懐疑的だった。
実際本を読んでこれからの施設の課題や性に関してなど視野が広がることも多く学べるところはあったと思う。ただ色々やはり引っかかる部分もあって、施設に入ったときの失うものについてとかまずそのレベルだったら施設の選択とか介護の選択方法が間違えている気がするし例えが極端すぎて過激に感じる。他も書かれていることはとても良いことに聞こえるけど、実際に実行するとなると精神的に良くても身体的に患者の不利益につながるのではと思うことや介護側の負担が多すぎて潰れる人が増えそうだなと感じることも多かった。
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ユマニチュードのマインドは医療福祉に従事する人は持っておくべきだけど、このマインドだけで医療福祉に関わっていくことは危険だと思います。
ユマニチュードを構成する一つ一つから何を実践すべきかどうかを他の思想や科学的根拠をベースに吟味していくことが必要だと感じました。
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これ、社会人3年目に読んだかな。たしか。
当時のわたしにとっては霹靂的理論の発見に感動した。
著者ロゼットさんによる認知症ケアの模範的問題行動の対処として、とても根拠に基づいた革命的支援術に思われたが、ユマニチュードとは、ひと言で言えば、その人らしさを尊重して、認知症の方々の世界観を受容して内から沸き起こるエンパワーメントやその人自身の意欲を引き出す効果を体系的にまとめたものだったと記憶している。
けれど現場の意見からすると、あくまで基本的な対人スキルとして参考にしたい要素はたくさんあるけれど、認知症だからみんなにこの法則が合うとは限らない。相手はひとであり、病気でも症例でもなく唯一無二のバッググランドを持った、病気になるまでの経験があるから、
ユマニチュードの理論を実践することが先行して一人ひとりの個性を見ることをおざなりにしてしまうのは本末転倒だと経験から実感。
参考程度に知識に入れておき、その人に合わせて丁寧にヒアリング、生活歴を聴き、個別のカルテ、ケアプランを実践していくこと。
双方が互いに機能し合ってこそ、ユマニチュードが生きてくるんだろなぁと思いました。
こんなケア技術もあるのか!という介護現場初任者には早いうちに一度は読んでおきたいバイブルと言えるかもしれない。