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《100分de名著》は、2010年9月の的場昭弘の解説による「マルクス『資本論』」をイントロダクションとして2011年4月からの本編シリーズ化された 西研の解説の「ニーチェ『ツァラトゥストラ』」からずっと愛読しています。
私はテレビではニュースやドラマやドキュメンタリーもちろん映画それにお笑い・演芸も見ますが、我が家の風習というか伝統として教養番組を見るというのが大きな柱として存在する感じです。
このシリーズの前の、1992年4月6日から1999年4月1日までNHK教育で放送されていた《NHK人間大学》も好きで全部見ていました。
安藤忠雄の「私の”都市”論」や山﨑正和の「日本は今どこにいるのか 二十一世紀への文明論」とか、網野善彦の「日本史再考 新しい歴史像の可能性」、それから四方田犬彦の「映画はついに100歳になった」など、小学生には少し難しいところもありましたがとても思い出深いものが多く、活字媒体・読書への導入としてもおおいに刺激的なものばかりでした。
それより前の1999年4月5日から2005年3月30日まで続いた《NHK人間講座》の、阿久悠「歌謡曲って何だろう」や四方田犬彦の「大好きな韓国」、小泉武夫の「発酵は力なり 食と人類の知恵」や野坂昭如の「終戦日記を読む」、宇多喜代子の「女性俳人の系譜」や早乙女貢の「敗者から見た明治維新」、辺見じゅんの「戦場から届いた遺書」や松井孝典の「宇宙からみる生命と文明」、永六輔の「人はなぜ歌うのか」や小栗康平「映画を見る眼 映像の文体を考える」、斉藤環の「若者の心のSOS」や甲野善紀「古の武術に学ぶ」、森まゆみの「こんにちは 一葉さん 明治・東京に生きた女性作家」や五木寛之の「いまを生きるちから」、正高信男の「人間性の進化史 サル学で見るヒトの未来」などなど、ちょっと思い返すだけでもズラズラと出てきますが、これら前の世紀のものは父がすべて録画していたVHSで見ました。
いやそれどころではありません、もっとずっと生まれる前の1982年4月5日から1990年3月30日までやっていた《NHK市民大学》も、すべて父の記録していたライブラリーで私は見たのでした。
梅原猛の「記紀・万葉のこころ」や中村元の「東洋のこころ」、馬場あき子の「歌への招待」や遠山一行の「西洋近代と音楽」、西部邁の「大衆社会のゆくえ」とか竹内実の「現代中国への視点」、山口昌男の「文化人類学の視角」や阿部謹也の「よみがえる中世ヨーロッパ」、天沢退二郎の「宮沢賢治の世界」や荒俣宏の「博物学の世紀」、中岡哲郎の「人間と技術の文明論」や芳賀徹の「岩倉使節団の西洋見聞」、由井正臣の「田中正造 民衆からみた近代史」やジョセフ・ニーダム/河合隼雄の「科学と人間」、真継伸彦の「"救い"の構造 日本人の魂のありか」など、今でも記憶に鮮明に残る知的刺激を得たのでした。
ここまでのイントロダクションを書いて、ボーッと精神と身体がほてってきて後が続きません。
今夜は、去る2月1日に92歳で身罷った京極純一の1987年1月の「日本人の秩序像」という講演を再読しようと準備しています。
こうやって鬼籍に入られた方がどれほどおられることか。
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(2016.06.01読了)(2016.04.26購入)
Eテレの放映テキストです。
宮本武蔵を主人公にした時代小説は、いくつか読みました。作者によってずいぶんイメージが違います。史実は、あまり確実なものは残っていないのでしょうから、作家の想像力次第ということでしょう。吉川英治著「宮本武蔵」のもとになったのは、武蔵よりのちの時代の人が書いたもののようです。
武蔵が描いた絵は、永青文庫で何点か見ました。
武蔵は、関ケ原の戦いに参加していたと吉川・武蔵にはあったようですが、魚住さんによると、九州の黒田軍に加わっていたようです。
小次郎との決闘には、舟の櫂を削った木刀を使用し、約束に時間には遅れていったという話も、史実とは違うようです。長い木刀を使ったようですが、約束の時間は守ったようです。
『五輪書』については、最終の仕上げをする前の状態で残されたようです。内容は、剣法の指南書というところでしょうか。
武道やスポーツ選手には、参考になる事が書いてあるのではないでしょうか。
【目次】
【はじめに】二十一世紀によみがえる『五輪書』
第1回 兵法の道はすべてに通じる
第2回 自己を磨く鍛錬の道
第3回 状況を見きわめ、活路を開け!
第4回 己が道に徹して、自在に生きよ!
●関ケ原の合戦(12頁)
関ケ原の合戦の時には、武蔵は十九歳で、養父とともに九州で東軍だった黒田官兵衛の下で豊後の合戦や城攻めに参加していたようです。
●巌流島の決闘(13頁)
一般に知られている「巌流島の決闘」は、小説によるフィクションです。実際は、武蔵は舟の櫂などではなく、樫の木の精巧な大木刀を作って、約束の刻限に遅れることなく立ち会い、一撃で小次郎を倒したと考えられます
●武士(21頁)
武士とは何かというと、それは「戦う者」です。
戦う者である限り、いろいろな武器に精通し、戦いに備えなければならない。
●構え(44頁)
五方の構えは、上段、中断、下段、右脇、左脇に構える、この五方である。
構えを五つに分けるといっても、みな人を切るためである。構えは五つより他はない。いずれの構えであっても、構えると思わず、切るためだと思うべきである。
●三つの先(64頁)
敵と戦う時、自分から攻めるか、敵から攻めてくるか、敵と同時に攻め合うかの三つの場合があるが、常に自分が「先」、主導権を握るべきことを説きます。
☆関連図書(既読)
「五輪書の読み方」谷沢永一著、ごま書房、1982.10.05
「宮本武蔵 一」吉川英治著、講談社文庫、1971.07.01
「宮本武蔵 二」吉川英治著、講談社文庫、1971.07.01
「宮本武蔵 三」吉川英治著、講談社文庫、1971.07.30
「宮本武蔵 四」吉川英治著、講談社文庫、1971.07.30
「宮本武蔵 五」吉川英治著、講談社文庫、1971.07.30
「宮本武蔵 六」吉川英治著、講談社文庫、1971.07.30
「随筆 私本太平記・随筆 宮本武蔵」吉川英治著、講談社文庫、1990.10.11
「それからの武蔵 Ⅰ」小山勝清著、集英社文庫、1980.10.25
「それからの武蔵 Ⅱ」小山勝清著、集英社文庫、1980.10.25
「それからの武蔵 Ⅲ」小山勝清著、集��社文庫、1980.11.25
「それからの武蔵 Ⅳ」小山勝清著、集英社文庫、1980.11.25
「それからの武蔵 Ⅴ」小山勝清著、集英社文庫、1980.12.25
「それからの武蔵 Ⅵ」小山勝清著、集英社文庫、1980.12.25
「宮本武蔵」津本陽著、文春文庫、1989.02.10
「決闘者 宮本武蔵(上)」柴田錬三郎著、新潮文庫、1992.07.25
「決闘者 宮本武蔵(中)」柴田錬三郎著、新潮文庫、1992.07.25
「決闘者 宮本武蔵(下)」柴田錬三郎著、新潮文庫、1992.07.25
「謎の剣聖・宮本武蔵」加来耕三著、祥伝社文庫、1995.10.30
「宮本武蔵」司馬遼太郎著、朝日文庫、1999.11.01
「宮本武蔵」光瀬龍著、廣済堂文庫、2002.04.01
「謎解き宮本武蔵」久保三千雄著、新潮文庫、2003.01.01
(2016年6月6日・記)
(amazonより)
兵法はすべてに通じる
近年の研究で実像が明らかになりつつある無敗の剣豪・宮本武蔵が、自らの経験に基づき、武士の会得すべき「兵法の道」の本質を書き著した『五輪書』。その徹底して実践的・合理的な記述を、現代を生きる私たちが自己を鍛錬し、専門の道をきわめようとする際にも有効な、普遍的な指針として読み解く。
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日本人なら抱いている宮本武蔵のイメージが歴史小説によってもたらされた事、そして宮本武蔵の五輪書から導きだされる人物像が興味深かった。
特に武蔵は基本を重視し、むやみに応用を追求しない事を推奨していたことは現代にも通じると思う。
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五輪書の大事なところを抜粋してあり、
とても詳しく書いてありました。
宮本武蔵の凄さを改めて知ることができました。
武蔵の考えは現代にも通ずるので、読んで損はないと思います。