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いろんなことがあって、萩尾望都という一人の漫画家ができている。そのいろんな事を文章にできるのが漫画家の元にもなっているのだろうか。色々な世界をこれからも見せてくださいね
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青緑色の静かな池の水面を見て、その中に入っていく自分の姿を想像するような夢想癖があったりと、どこかしら危うい部分を有する一方で、感動したり感銘したものを、なぜ感動したかと言葉に置き換えたがる科学者のような分析グセがあったりと、萩尾望都の複雑な内面性を知ることが出来る興味深いエッセイでした。もっとも、これを読めば全てが解るわけではありませんが。両親との確執はなかなかに根深いものがあるようですが、そのマイナス要因が、氏を現実世界に引き留め、逆に作家活動の原動力となっているように感じられ、人間何が幸いするか解りません。
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エッセイと本の解説。一番古いもので1976年か。
萩尾望都さんの世界が垣間見える貴重な一冊。
言語化できない感情、事項はないと言い切る萩尾さんの分析癖こそが、彼女を彼女足らしめる所以なのだなぁ。
モンゴメリのアペリチフにアジモフのオードブル、ヘッセのスープにブラッドベリのサラダ、サリンジャーの白ワインに有吉佐和子の赤ワイン、ディックの肉料理にレムの魚料理、手塚治虫のアイスクリーム、グィンのデミタスコーヒー。
そんな食卓にただただうっとり。
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1970年代にデビューして以来、ずっと第一線を走り続ける漫画家・萩尾望都。私は『11人いる!』でその面白さに魅せられ、『ウは宇宙船のウ』を読んだあと、それより前の作品『ポーの一族』と『トーマの心臓』へ。以後もさまざな作品を読みあさり、大人になって漫画をほとんど読まなくなってからも、愛蔵版が出るとついつい買ってしまう漫画家でした。
本作はそんな萩尾望都のエッセイ集。お気に入りの小説、漫画、映画について熱く語り、ときにはこちらがついていけないことも。大島弓子、手塚治虫、中島らもなどの名前が飛び交います。彼女が漫画家になるきっかけや、売れなかった時代の話、ギャラがだんだん上がってきたときの話などが楽しい。あんな漫画を描く人は、こんなことを考えているのですね。思ったよりも普通なことに安心しました(笑)。ま、私はやっぱり「萩尾望都を読むなら漫画」かな。
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絵に音楽に踊りに、SFに宇宙に生命に死に、萩尾さんのアンテナが色彩をおびて広がっていく。その語りが、時に熱量高く、時に詩情に満ちていて、心地よい。はっとなって立ち止まって、そこから、そのはっ、は何だったのかを言葉にしていく。「その出会いは一瞬の煌めきで、煌めきは永遠に自分の中に残ります。 幸福な一瞬を抱きしめて、長い時を過ごしてゆくのです。」
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この人の作品はあまり読んだことがないが、最近名前を聞く機会が多いため、手にとってみた。著者が本当に多くの本や漫画に触れているのだと言うことがわかる。知らない作家も多かったので、ブックガイド的にも使えそう。なかなか面白かった。
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萩尾望都さんの傑作エッセイ集とあるので、飛びついた。が、退屈。おそらく、このエッセイを漫画で表現されたら、読者をうならせ、ひきこませる作品ができるのだろう。
残念だけど、逆に、エッセイを書く材料は見つかりそうだ。
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17のとき手塚治虫の「新選組」に出会ったショックで、漫画家になる決心をしてしまった…。萩尾望都があこがれ、求めるものたちを綴ったエッセイ。新たにエッセイ2編とあとがきを加えて文庫化。
考えたこと,見たこと等々を言葉に出来るってすごいなぁ・・・。まぁ,萩尾望都だから当然と言えば当然なんだけど。
エッセイの中に書かれた本とか読んでみようかと思う。
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1987〜2009、へるめす・キネマ旬報・ユリイカその他の雑誌や文庫の寄稿、初刊2011。?.生まれ育ちや友だち、漫画家デビュー。?.読み込んできた本。?.愛するコミック。?.映画や舞台。
同じものを見て、同じものを読んでも、そこに浸り汲み出す量の圧倒的な違いに、創作者ってすごいと思います。
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紀行文・書評・マンガ評・劇評・映画評、その他たっぷり味わえる。萩尾望都の透徹な眼差しと詩的な分析に酔う。
「わが師の恩」の中、「描いても描いても上手くいかない1シーンを、とうとう時間切れで、かなり手を入れたものの満足のいかないまま入稿した」という31枚の作品とはどれなのだろう。『ビアンカ』は31枚ではないし……。
「妖精」と評される中島らも。最高の栄冠であろう。
「批評の型あれこれ」で列挙された映画ファンのタイプ、自分はどれに当てはまるのか。