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感情に身を任せる自己中心的な恋愛ではなく、理性で相手や相手の家族を思いやるという愛の形。新聞小説で、この完成度。この伏線。恐れ入りました。
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職場の子に「今まで読んだ中で一番面白かった本は?」と質問して挙がったタイトル。アマゾンやらブクログやらでの評価も高かったのが後押しとなって読んでみたが、いやあ長かった。小説自体が長かったわけではなく、次から次へとページをめくりたくなるタイプの小説ではなく、少し開いたらなかなか手を出しにくくなる。そんな小説だった。
内容だけみれば、ある男女が激しく求め合うのだが、色々な障害に邪魔されて、また、第三者の故意の障害もあって、2人はすれ違ってしまう。というような、ひと昔前のメロドラマのようなものなのだが、文体のせいか、それとも作者の世界観のせいか、物語全体が芸術的なものに感じられてくる。
それでも、やはり読んでいる時間はじれったい恋にヤキモキしてしまい、ぐんぐん読み進めることはできなかった。が、ラストが秀逸でこれからの2人の未来を見てみたいと思った。
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前半ちょっと退屈気味だったけど、ぐんぐん引き込まれました。
えぇ・・・、
わぁぁ・・・、
と、思わず、ため息が出る。
ありありと光景が浮かんでくる物語で、読み終わった時は、良い映画を見たときのような満たされ感でいっぱいになりました。
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2016/07/19
過去は変えられる。
なるほど確かに、と思ったと同時に、そうだとすると人生とはなんて希望に満ちているのだろうと思った。
難しい部分もあったけれど、まさに大人の恋愛小説。
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中盤からの展開に完全に引き込まれた。
ザワザワして、ザワザワして。
ザワザワがなくならないまま進み、そしてクライマックス。
新幹線の中での読了感。ひとり幸福な気持ちを味わうことができた。
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こんなふうに人を愛せたら。
そう思わずにはいられなかった。
五感すべてを使って、
嚙みしめるように読んだ。
この物語の中に、浸かっていたい。
こんな恋愛小説は、はじめて。
―――石田 ゆり子さん
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会ったのは、たったの三度だけ。
でも、人生でもっとも深く愛した人――
切なすぎる大人の恋の物語
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魂が惹かれ合う
恋って、こんな感じに始まるんだよなあと
思い出した。
登場人物がキャラ立ちしてて
痛い痛い
自己嫌悪になるような人の弱いところを
キャラに確立してて、
あー、痛い
主人公のふたりだけが
まっすぐでまぶしい。
うらやましいです
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「人生の道半ばにして正道を踏み外し」つつあった四十歳の男と女の五年半の軌跡が綴られている。
テーマは恋愛であるものの、バグダッド、ユーゴスラヴィア、長崎・・・と様々なバックボーンが複雑に絡み合う。
蒔野と洋子を取り巻く出来事と、答えのでない問いに、煩悶されながら読み進める自分を見出す。
あらすじ( k-hirano.com/lp/matinee-no-owari-ni/ から、抜粋)
物語は、クラシックギタリストの蒔野と、海外の通信社に勤務する洋子の出会いから始まります。初めて出会った時から、強く惹かれ合っていた二人。しかし、洋子には婚約者がいました。やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまいます。互いへの愛を断ち切れぬまま、別々の道を歩む二人の運命が再び交わる日はくるのかー
本文からの引用
幸福とは、日々経験されるこの世界の表面に、それについて語るべき相手の顔が、くっきりと示されることだった。
「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えているんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」
洋子は自分が、出口が幾つもある迷宮の中を彷徨っているような感じがした。そして、誤った道は必ず行き止まり、正しい道へと引き返さざるを得ない迷宮よりも、むしろ、どの道を選ぼうとも行き止まりはなく、それはそれとして異なる出口が準備されている迷宮の方が、はるかに残酷なのだと思った。
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あの人に値する存在でありたいと願わないとするなら、恋とは一体、何だろうか?
美しく切ないさまざまに息を呑む、満たされていく。
これぞ、恍惚な読書体験。
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魅力的な主人公たちと惹きつけて離さないプロット。美しい結末。本の装丁もこの小説にピッタリで素敵です。
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文字・文章によって 演奏 をどこまで表現できるのか?
と読む前は懐疑的だったけど、
演奏 音楽のチカラを
臨場感もって瑞々しく描き切っていて感嘆した。
平野さんすごいね。
リアリスト視点で
最愛の人にとって自身は課題解決の存在であり得る?
の問いを模索する様が、
思慮深くロジカルにも見えるし逡巡にも見えた。
逡巡は恋なので当然のことですし。
そんな洋子と蒔野のやりとりに
共感できて投影できて グッと物語に入りこめて、
読み進むスピードは加速していった。
けど、それも200ページあたりまで。。
早苗のアレはちょっと。。
以降は 入り込めず残念。
ガヴォット・ショーロ、というブラジル民謡曲を知ったり、
クロアチアのファシスト政党 ウスタシャを知るきっかけにもなった。
良作は そんなキッカケを包含しているものなので、
その点では本作には満足。
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あちこちで絶賛されている本書だったので、初読みの作家さんだったけれど手に取ってみた。
むむ。
どうなんでしょうか。この安っぽいストーリー。
これが新聞連載が終わった時にはマチネロスに陥った読者多数とも言われた小説なのか?
アマゾンの評価もぶっちぎりの高評価だけれども・・・。
物語は簡単に言ってしまうとクラシックギタリストの蒔野とジャーナリストの洋子の恋愛もの。
強く惹かれあう二人は運命のいたずらかすれ違い別々の人生を歩むようになる。
何度も繰り返される「未来は過去を変えてくれる」の台詞だったり、国際政治問題への提言の数々、豊富なクラシックの知識を土台に芸術家特有の苦悩を描く筆力、などなどなど、完成度の高い作品であることには間違いがない。
でも、いかんせん陳腐だよ。
使い古したネタが昭和かよってつっこみたくなってしまうメロドラマ感・・・。
もしやこの小説はストーリーはさておき、登場人物一人ひとりの綿密な心理描写だったり、ストーリーに肉付けされた芸術性やら政治問題を堪能するものだったのか。
それだったらもうちょっと楽しめたのかもしれないなぁ。
ごめんなさい、どうしても世間の評価と乖離があるようで・・・。
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すれ違いで別れてしまった蒔野と洋子。あの時ああしていれば、こうだったらと考えてしまう。別々の人生を生きながらもどこか深いところで繋がっているような相手を思い合う気持ちが切なくて、どうか二人が再会できますようにという願いで読んでいた。
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出来事だけ見れば、ひどく滑稽で、リアルっぽいフィクションである。現実でも自分や他者をこういった視点で見ることはできない。そのため、なにかに振り回されているような感覚を持つことがある。p.397 に出てきた〈ハイパー・ロマンティシズム〉は全く知らない言葉であった。こういうものことかと思うほど、よくも丁寧に語彙豊富に描けるものだなと感心していた。それは著者のねらうところではなく、自分の不勉強のせいである。
登場人物のように、バイリンガルであったり、何ヵ国も跨いでいるアイデンティティーを持つ人の世界の見え方は、全く想像が難しい。今、インターネットが普及しているエリアにおいては、以前より境目が曖昧になってきている。そういう視点を持ちやすくしている。
著者がツイッターでつぶやいているような出来事が、事実としてしっかり織り混ぜられていた。関心が気になるの人なので、他作品も読みたい。
ツイッターで流れてきた断片に惹かれて読むに至った。いくつかを引用する。
p.40
『ーー生きることと引き替えに、現代人は、際限もないうるささに耐えてる。音ばかりじゃない。映像も、匂いも、味も、ひょっとすると、ぬくもりのようなものでさえも。・・・・・・何もかもが、我先にと五感に殺到してきては、その存在をめいっぱいがなり立てて主張している。・・・・・・社会はそれでも飽き足らずに、個人の時間感覚を破裂させてでも、更にもっとと詰め込んでくる。
p.150
幸福とは、日々経験されるこの世界の表面に、それについて語るべき相手の顔が、くっきりと示されることだった。
20160730
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思想が各論点においてすべて浅い。20歳そこそこレベル。他の部分は恋愛絡みのNaverまとめ読んでるみたいな感じ。あと、経済学をきちんと勉強したことがないのに、洋子と夫の会話周辺で金融を題材に用いて語りまくってますが、まともな人間には影で嘲笑されるのでやめたほうがよいかと。
一方、数回しか会わないなかで深まっていく関係という設定は確かに見どころ。