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「それって武士?ああ、武士だ。戦いにおいて武士はいつだって現実主義だ。血が噴き出し、目玉が飛び出し、内蔵も噴出する。それがすべての前提だ。…(中略)…後の世の武士道などというものは私から言わせれば泰平の世のたわごとだ」
源義経と言えば、気品あふれる悲劇のヒーローのイメージがあった。
こんなファンキーな義経は見たことない。
くほほほ、きゅははは、どひゃーん、ほえええ、ってそりゃなんやねん!
ツッコミを入れながらの読書となった。
私の中の義経像が見事に覆される。
「これが私のやり方。オレ流の生き方だ」
と、どこまでも強気な義経。
忠実な僕・武蔵坊弁慶と共にいよいよ兄・頼朝の元へ。
どうかこのまま最期までオレ流を貫いてほしい。
ツッコミどころ満載のファンキーな町田流『義経記』。
千年の時を越え、義経が今まで胸に秘めていた思いをどこまでもさらけ出せるのか…。
この後4巻まで続くらしい。
このエネルギッシュな筆力を保ち続ける町田康さんはすごい。
この義経は俳優でいうと菅田将暉のイメージかな?
菅田将暉主演の映画で観てみたい。
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ネット上の知り合いが褒めていた町田康に初トライ。
好きな人にはたまらんのだろうな~と思いつつ、でも私はダメでした。
町田さんはパンクロックバンドのボーカリスト。同時に小説家としてドゥマゴ文学賞、芥川賞、萩原朔太郎賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞を受賞。凄まじい。
1行目からハルク・ホーガン→ハルク判官ですからね、と~~ってもパンクでファンキーな義経記(ギケイキ)です。
多分、感性のところでかみ合わない。
何故、こんなにノリノリの文体なのか?面白いかもしれないけど、なぜここまで露悪的に描くのか?などと考えてしまうのです。理解しようと思ってしまう。
でも本当は感じるものであって、考えるものじゃ無いですよね。つまり考えた時点で感性が一致しないのだと思います。
面白い箇所も随所に有って最後まで読みましたが、次には進まないでしょうね。
読者を選ぶ癖の強い作家さんだと思います。
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ジョイスのユリシーズじゃないけど、他言語に翻訳するのは難しいとゆうか、無理かも。日本語、関西弁が母語でよかったと思った。この本のニュアンスが大方理解できて。もっとも町田さんとはちょっと年齢差があるせいか、残念ながら「出典」がはっきり分からないこともあるけど。ギケイキ2も読んで、まだ単行本になってない文藝の連載も読んでます。
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源義経とか武蔵坊弁慶とか日本史の時間に確かに聞いて覚えたけれど、生涯を通じてはあまり知らなかったので読んでみましたが…「…何だこりゃ…」が正直な感想です。コレは何というか…お笑い芸人の「歴史上の人物コント」を見ているような感じと言うか、しゃべくり漫才を聞いてるような感じと言うか。関西弁を知らない人が読みこなすのは難しいんじゃないかとも思いますし…普通の歴史小説好きにとっては、歴史小説と呼ぶのが憚られるようにも思います。しかし、余りにもクセが強すぎて逆にクセになるかも(^_^;)
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源義経を題材に書かれた本書だが、町田康の文体で独特に描かれている。
読みやすいと言えば読みやすいが、三文芝居がかったやりとりが続きすぎて腹を下しそうになってしまった。
義経記には大変興味があったので、続きを読みたい気もあるが、別の作者を探したいと思います。