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名探偵・明智小五郎シリーズの文庫化(全12巻予定)。
これまでに様々な版元から文庫が出ているが、本シリーズの特徴は、事件が発生した時期を推定し、その時系列に沿って作品を並べたところ。シャーロック・ホームズシリーズに同じコンセプトの全集があるようだが、日本のシリーズ探偵ものでは、ひょっとして初めての試み?
第1巻である本書は『D坂の殺人事件』『幽霊』『黒手組』『心理試験』『屋根裏の散歩者』の5編を収録。どれも既に名作、古典となっているが、矢張り一番インパクトがあるのは『屋根裏の散歩者』だと思う。この中で、江戸川乱歩という作家の特徴が最も顕著に出ているのでは。
解説は皆川博子。また、平山雄一(編集協力)の『明智小五郎年代記』も面白かった。
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グールドのシャーロック・ホームズ全集のように明智小五郎の登場する物語を時系列に並べた、という趣向。少しずつ背景となる時代が変わっていくようなところが興味深い。
帯に刊行予定が載っているのだが、『影男』がないみたいなのは何故?!
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乱歩にはあまり縁が無く過ごしていたせいなのか、子供の時に見たテレビシリーズの天知茂の印象が強いせいか、明智小五郎の若々しさにビックリしました。(^^;
ま、事件発生年代順構成の一冊目なので、若いのも当然なのですが。(^^;
収録作の中では、心理試験の最後の一刺しと、屋根裏の散歩者の犯人の心理が印象的でした。
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こういうの好き! と身悶えしてしまうほどには、明智小五郎が手掛けた事件を時系列順に並べて編んだなどというこの企画は最高。発売当初に広告を見たときは、それはもう鼻息を荒くしてしまったものである。ナツイチにラインナップされていたのでぱっちんバンドともども連れて帰ってきた本書。やはり突出しているのは「屋根裏の散歩者」。あの妖しげな雰囲気ったら、おおげさに言えば100年近くも前に書かれた小説が、けれど飽きずに読まれていることに納得がいくというもの。気になっていた皆川博子さんの解説も、終盤に不意を衝くすばらしさ。
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正直、明智小五郎は小学校の図書館から借りた少年探偵団シリーズしか読んだことがなかったのだが、電車の中吊り広告に作品を時系列に並べた全集が文庫で出るとあったので楽しみにしていた。
現代ミステリーとは異なり、ストーリーにやや強引さがあることは否めないが、謎解きの面白さは十分に味わえる。
また、予審判事が登場するなど、現代とは異なる法制度が描写されているのも、法律を勉強している身としては少し嬉しくなる。
全12巻とのことで既刊も購入済みで未読ではあるが、時代背景も明智小五郎のキャラクターも少しずつ変わっていくのが楽しみである。
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乱歩先生の作品を読みたいと思ったとき、そういえば明智小五郎の出てる話はあんまり読んだ記憶がないな…と気がついたので本書を手にとってみました。
実際に読むまでは、明智小五郎が出ている話をただまとめただけだと思っていましたが、明智登場作品から時系列を推測し、現実と照らし合わせて編集してあると知り、俄然面白く読むことができました。
年代推測の過程も記載されておりますし、皆川博子先生による解説も素晴らしい。
乱歩作品の特別熱心なファンという訳ではありませんが、このような本を企画した方に感謝したいと思いました。
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語り口も良いし、純粋に推理を楽しんでいる明智小五郎の人物像も良い。犯人に至っては、殺すつもりのなかった人もいれば、殺人を楽しみたい人もいて、実に魅力的な作品に仕上がっている。大正期の頽廃と浪漫、高等遊民たち。そんな時代の雰囲気が味わえる。
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日本を代表する名探偵の活躍を年代順に並べたシリーズ第一弾。素人探偵と称して本に埋もれた部屋に住み犯罪や心理に異常に詳しくモジャモジャ頭でニコニコ顔の高等遊民という犯罪者みたいな危険な香りを漂わせてのデビュー。D坂の殺人事件、幽霊、心理試験、黒手組、屋根裏の散歩者を収録。
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明智小五郎クロニクル
乱歩が発表した順番ではなく、作品を読み込んで、実際にこれらの事件が発生した年月日を推定し、その年代順に並べた
D坂の殺人事件 1920年9月
幽霊 1920(21?)年 秋~冬
黒手組 1921年12月
心理試験 1922年11月~12月
屋根裏の散歩者 1923(22?)年 春
シャーロッキアンの研究 「年代学」
シャーロック・ホームズが実在性人物だと見なして、ホームズ物語を楽しむファン
大正十三年(1924年)、「D坂の殺人事件」で探偵小説界に初めて登場した明智小五郎
棒縞の浴衣を着て、変に肩をふって歩く。
モジャモジャの髪の毛を引っかき回すのが癖で、いつも木綿の着物によれよれの兵児帯という姿は、戦後、金田一耕助に引き継がれる。
明智小五郎は、後に少年探偵団を率いて怪人二十面相を相手に大活躍する
12巻
ぼちぼち読破したい !!
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明智小五郎事件簿全集をAmazonで見つけ購入。
小学生の子供と楽しもうかと思ったが、事件の動機の多くが歪んだ恋愛、愛憎、性癖などでありちと薦めにくい。
四話を刊行された時系列で綴じられており、明智小五郎が世にで始めた頃の様子が青臭い書生じみていた状態から次第に有名な探偵へと変化して行く様子を感じ取れる。
「屋根裏の散歩者」は犯罪の行われる描写がよく緊張感が漂いまるで犯行現場に居合わせるような心持ちにさせてくれる。また同様の気分を味わいたくて続けて読みたくなるように思われた。
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所謂文豪と呼ばれる人達の文章を読むことが苦手だった。
教科書で眺めていても、小難しい言葉を並べ立てているだけで物語性が薄い気がしていた。高校を卒業して以来文学作品なんて読んでこなかったが、大学生にもなったんだしと江戸川乱歩に手を出した。
本を読んでも面白くなかったら嫌だな。そう思い、試すように青空文庫で『心理試験』を読んだ。
世界がひっくり返った。
面白い
それからこの本を買うまでにそう時間はかからかった。
とにかくキャラクター1人1人の使い方がうまく、カメラワークも巧みで、読者の頭の中では映画が自然と流れる。
読者が監督も役者も全て読者に任せた映画を頭の中で作ってしまえる文才に脱帽。
出会えて良かった。知らない言葉を検索するのも楽しい。
濃密な時間を過ごせる1冊である。
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1日で読み終えた。
江戸川乱歩ものを読みたいと思って初購入。
かなり昔の方なんですね。それすらも知らなかった(^◇^;)
昔の文体ですが意味は理解できるし、やりとりが楽しいです。
面白かった(^^)
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名探偵明智小五郎の名前は知ってはいたが読んだことはなく、江戸川乱歩の本も読んだことなかったので読んでみた
読む前までは文章がかたそうというイメージを持っていたが読み始めてみるとやさしい文章ですらすら読むことができた
初めて明智小五郎が出てくる「D坂の殺人事件」では、明智小五郎がどのように自分の無罪を証明し、本当の犯人を見つけるかがおもしろかった
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何度でも読み返したくなる癖になる江戸川乱歩。「心理試験」での飄々としながらの鋭い切り口がたまらなく好き。
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D坂や心理試験、屋根裏は人気作だと思いますが、個人的には幽霊が面白かった!怖いなこれ。
あと、平山さんの年代記がすごくいい。時代背景がわかると味わいが深いなぁ。蕗屋にラスコーリニコフみを感じたのは正しかったのね。