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よくわからない
2016/10/24 19:20
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投稿者:フィン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある有名翻訳家の方が絶賛していたので購入しました。実話をもとにした犯罪小説だそうです。アメリカのニューオリンズという町の雰囲気は(行ったことはないのですが)にじみ出てきてる気がします。
アックスマンの犯罪の動機があまりにも型にはまっていて。。現実は小説のようではないということでしょうか。正直、あまり面白くありませんでした。
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ニューオーリンズという場所、ジャズ勃興の時期という舞台設定に惹かれ読んだが、かなり面白かった。実際の事件、実在した人物がフィクションの中にうまくからんでくる。ルイ・アームストロングの伝記にもなっている。話は複数の人間の立場で展開していき、要所で絡み合っていきながら、事件の全体像が明らかになっていく。通勤時に読み始めたが、読むのを止められずに困った。家で一気に読み終えた。テレビドラマ化されるようですが、観てみたいですね。次があるとしたら、舞台はおそらくシカゴで、やっぱりジャズと絡むんでしょうね。
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ハリケーンが迫りくるニューオーリンズの街を舞台に、連続殺人鬼を追う三組の探偵役の活躍を描く長篇ミステリ。時は1918年、ジャズ発祥の地であるニューオーリンズでは、アックスマンと名のる斧を使った殺人犯による連続殺人が起き、市民は恐怖に震えていた。ジャズが好きなアックスマンは新聞社に宛てて犯行予告を送り、その時刻にジャズが演奏されている家は見逃す、と書いていた。当時、流行の兆しを見せていたこともあり、ジャズを演奏させるレストランが続出しバンド・メンバーは大忙し。怖いもの見たさで街に繰り出す酔狂な連中で街はマルディグラの狂騒状態に陥る。
アイルランド系の刑事マイクルは、アックスマン事件の捜査で指揮をとっていたが、四件目の事件が起きても犯人の手がかりすらつかむことができず焦っていた。上司のマクファースンからは捜査失敗の責任を負っての解任が仄めかされ、もしさからえば、家庭の事情をかばいきれないと、脅しめいたことも言われる。実はマイクルには黒人の妻とその間にできた二人の子がいる。時代が時代であり、南部のニューオーリンズでは白人と黒人の結婚は考えられないことだったのだ。
しかもマイクルには別の困難な事情があった。先輩刑事のルカを告発して刑務所送りにしたことで、仲間の刑事の反感を買っていた。ニューオーリンズには、ザ・ファミリーと呼ばれるイタリア系のマフィアが根強い力をふるっていて、その力は警察内部にも及んでいた。ルカに限らず、多くの刑事がドン・カルロの組織と通じており、マイクルは署内で孤立していた。そんな時、同じアイリッシュで新人のケリーが協力を申し出てきた。力を得たマイクルは家族を守るため捜査に邁進する。
同じ頃、模範囚で一年刑期を短くされたルカは、刑務所を出たばかりだった。ニューオーリンズに戻ったルカはドン・カルロを訪ねた。頼りたくはなかったが、ファミリーの銀行に貯めていた金が警察に摘発されたため、イタリアに帰ることもできなかったからだ。ドンは、ルカに当座の金と住まいを用意し、アックスマンが誰かを突き止めたら、組織から抜けさせることを約束する。昔なじみの刑事から事件の捜査資料を見せてもらったルカは犯人が現場に残したタロット・カードがブードゥー巫女のところで見たフランス式タロットであることを見抜き、クレオールに目をつける。
かつての情報屋からブードゥーについて知りたいのなら、ある女を訪ねるといいと教えられ、バイユーに足を踏み入れる。映画『ノーマーシー/非情の愛』で、リチャード・ギアとキム・ベイシンガーが逃げ惑ったあのマングローブの枝という枝からスパニッシュ・モスが垂れ下がった湿潤で陰鬱な低湿地帯だ。そこで、訪ねてくる患者に医療を施していたのがシモーンというクレオールの美女。マルセイユ・タロットについてはたいした情報は得られなかったが、ルカはシモーンに魅かれるものを感じた。
三組目の探偵役は有名なピンカートン探偵社に勤務するアイダ。警察官志望だったが、女であることとわずかながら混じっている黒人の血のおかげで警察官になれず、それならと女も雇っているピンカートン探偵社に応募したが、今のところは受付しかさせてもらえてない。なんとか探偵として認められたいと思い、独りでアックスマン事件を調査し始める。このシャーロック・ホームズに憧れる女探偵の相棒を務めるのが、なんと、当時売り出し中のコルネット奏者、ルイス・アームストロング。あのサッチモの若き日の姿である。作中で繰り広げる即興演奏に聴衆が興奮するところなど、ジャズ台頭期のニューオーリンズの熱気をよく伝えている。
もっとも、この駆け出し探偵、ホームズには似ても似つかない足で稼ぐタイプ。若い女一人では張り込みや聞き込みも難しいからと父に演奏を教えてもらっていた頃からの友だちであるルイスを相棒役にしている。あやしい男の後をつけたり、人の家に忍び込んだり、と危なっかしい捜査を続けるが、大事な勘所は押さえている。危険な目にあうアイダを何とか助けようとするルイスの経歴その他は、現実のサッチモのそれをなぞっており、困難な状況下でがんばる若いミュージシャンに声援を送りたくなってくるが、音楽家は殴り合いには不向きだ。指や唇を怪我したりしたら商売が上がったりになる。
この三者三様の探偵役が視点を交代しながら犯人に迫るのがミソだ。プラス面としては、いろんなジャンルのミステリを読んでいる気分が味わえるところか。マイクルと彼を慕うケリーの警察官コンビは、署に巣食う悪徳警官やその背後に潜む巨悪との対決を一身に背負っている。正義の告発者が仲間に総スカンをくらうというのも警察小説によくある話だ。刑事としての能力も魅力もルカに劣るマイクルは、かつてルカが自分を仕込んでくれたように若いケリーを育てようとすることで、力と自身を得る。
ルカは好んでマフィアの手先になったわけではなかった。同じシチリア出身ということで、若くしてファミリーによって警察に送り込まれてしまったのだ。過去を持つルカが、シモーンによって身も心も癒されてゆくあたりは、この小説の中でいちばん読ませるところだ。アックスマンに最も接近するのもルカである。バイユーの低湿地帯で繰り広げられる追走劇はハリケーンによる洪水という状況もあって迫力満点。ハードボイルド小説のノリである。
アイダとルイスのコンビは、ホームズとワトソンを意識しているのだろうが、本家からの引用等それなりに楽しませてくれるものの、ホームズ物の味わいには乏しい。むしろ、毛皮をまとった大男が短剣をふるって襲いかかるところなど、ルパンやホームズ以前の犯罪小説風の雰囲気というほうがふさわしい。マイクルやルカがきれいごとではすまない男社会の中で生きるため、心ならずも手を汚さなければならない、どちらかといえば陰の役割を任されているため、陽のキャラクターとしてアイダとルイスの若さが必要だったのだろう。
マイナス点としては、三つの異なる小説を同時に読んでいるようなまとまりのなさがあげられる。個人的には、ルカが担当するハードボイルド・バージョンがもっとも好みで、次がマイクル、ケリーによる警察小説バージョン。ニューオーリンズのような大都市に蔓延る悪徳に対峙するにはアイダのような若い娘や、ただのミュージシャンに過ぎないルイスには荷が重過ぎる。ここだけヤング・アダルト小説のような雰囲気が漂うところに違和感が残���。もっと徹底してリアリズム路線で書いてもらいたかった。
イタリア系、アイルランド系、クレオール、黒人といった異なる人種が、それぞれの勢力範囲を持ち、緊張関係をはらんで住み分けるという独特の歴史を持つニューオーリンズ。その街を背景に、実際に起きたアックスマン事件を活用し、ロンドン在住という身でありながら、登場人物にニューオーリンズの市中を縦横無尽に歩き回らせるのみならず、ジャズに湧く群衆の喧騒、ハリケーンによる大洪水まで一切合財を放り込み、処女長篇を書き上げた著者の実力には脱帽する。ただ、あまりにも人が死にすぎる。こんなに殺さなくてもよかったのではないか、と言いたくなるのは、こちらが平和ボケした日本人だからだろうか。
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世界レベルの新人作家というのは凄いものである。本書はCWA(英国推理作家協会)賞の最優秀新人賞受賞作であるが、ここまで凝りに凝った力作を書けるかと思うと、そのレベルの高さ、スケールの大きさに気が遠くなる。
舞台は1919年、第一次大戦後のニューオーリンズであるが、この南部にあってプチ・フランスでもある奇妙なジャズの街は、同時にこの作品の本当の主人公でもある。それほどまでに当時よりジャズが鳴り響いていたこの街の活気は、人間臭く、そしてその裏にある時代の闇は深くどす黒い。
しかもここで取り上げられた題材は、実際に1918年から1919年にかけて起こったアックスマン事件である。そして新聞に公表された連続殺人鬼アックスマンからの手紙をそのままに作中に引用して使用しつつ、作者なりのアックスマン事件の真相構築という曲芸をやらかしているものである。
さらに言えば、三人の探偵役を負う登場人物がストーリーを解決に向けて進めてゆく。刑務所を出所するなり、地元ギャングからアックスマン事件を探るように命じられた元悪徳警官のルカ。ルカを密告し、内密に黒人の妻を娶っているゆえに反組織的と仲間たちから敬遠されるマイクル・タルボット警部補。探偵に憧れピンカートン探偵社に入るが事務職員でしかないゆえにアックスマン事件を進んで調査するアイダ・デイヴィス。
特に、アイダは仲の良い友人のコルネット奏者ルイス・アームストロングと二人三脚で事件に関わってゆく。もちろんこれは後にサッチモとして知られるようになる天才ミュージシャンの若かりし頃。作者はこの時代にニューオーリンズにいた歴史的事実に着想を得て、本書での趣向をひねり出したようである。
残虐非道な連続殺人事件の背後に政治的金銭的背景が潜んでいるという<街の本質>のようなものは、古い時代のアメリカでは多くの作家が書くべき題材の宝庫と言えようが、フレンチクオーター地区を軸にして白人・黒人・クレオールなどの人種がひしめく混沌の象徴、人格を持った街としてのニューオーリンズの人間臭さが、何とも猥雑で、華麗で、迷宮であってなんとも言えない。
アイダが愛読するホームズの小説が一つの小道具であり、アームストロング青年との交情が最後まで楽しく微笑ましい。
ミシシッピ川の氾濫と迫りくるハリケーンの情景がクライマックスを盛り立てる。
シリーズ次作への期待を抱かせるエピローグは、次の事件のきっとプロローグでもあるように思える。これからも注目を浴びるであろう意欲いっぱいの新人作家、レイ・セレスティン。何とも頼もしく楽しみな書き手である。
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このシリアルキラーのアックスマンに『マークスの山』のマークスの面影が重なるのは私だけ?少女探偵のボディーガードというか、ナイト気取りのサッチモが微笑ましい。同じ事件を追いかけている三人が殆ど出会わず、それぞれに真犯人や黒幕を突き止めるって、面白いパターン。
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1日平均70ページ。1週間かけて読んだ。登場人物がなかなか覚えられないし、展開が頭に残ってなくて、はて・・・?
できれば一気に読みたかったのですが、それでも十分面白く読めた。
ジャズがもっと物語の中で重要な意味を持つのかと思ったけれど、そうじゃなかったのが少し残念かな。
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ジャズは物語の展開にそれほど関係なし。関係ないが、ジャズ溢れるニューオーリンズの雰囲気や、ルイ・アームストロングを意識した登場人物の設定なんかは普通に楽しめる。結末はもうひとつ。
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1910年代のニューオリンズを舞台にしたサスペンス。
割とハードボイルド系の群像劇で、暴力描写は迫力があった。
『別々の登場人物が3方向から事件を追う』というストーリー展開のせいか、序盤はやや散漫な印象を受けたが、徐々に犯人に近付く中盤以降は気にならなくなった。また、舞台となっているニューオリンズの雰囲気や空気感といった部分は魅力的だったと思う。希望の持てる結末も良かった。
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マニーフレッシュの地元がニューオーリンズと知り、漠然と憧れ、その後ジャズの聖地とやっと知ったわけでございます。自分にとってこの本は教科書のようなものでございました。合衆国の中でも独特の歴史を歩んできていて各地区ごとに人種のコミュニティができており、それによって今回の事件が起きてしまった訳ですが。コミュニティ自体は悪くないのだが、なぜだか対抗意識が生まれてきて命を奪ったりするのは、本末転倒でございます。しかし集団にいると麻痺してくるのです。そこにあるルールが自分の天命であるかのように。
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最後まで続くミステリー。結末はこれだったか。
クレオールなので ラフカディオハーンを思いだしたが、1か所、懐かしく登場した。