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動物愛護団体DOG、カルネシン(昴)、ルウ。人間に制裁を加える話。もともとのイヌから、同じだけ乖離した存在の、エンジェルテリアと不良品ジャンク、と言うところ、妙に説得力あり。
かなりスピーディーに進むけど、読後感はよくない。
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ハードカバーで読みましたが、どんどん惹き込まれて一気読みしちゃいました。
設定は非常に面白いが、若干描写がグロい。
可愛らしいエンジェルテリアってあの犬のことかなぁとか思いつつ、実は身の回りでもそんなことが起こっているのではと少し怖くなりました。
ロスト・ケアでもものすごくリサーチされる作家さんだなと思っていましたが、今回はもっと幅広い領域で且つかなり深掘りをされていました。
自分に当てはめてみると、どっちの立場にいるんだろうと考えさせられるが、きっと都合よく解釈しつつ、うまく自分自身を納得させるんだろうな。
自分だけ良ければという考えは、絶対にあかん。でも家族だけはなんて風に利己的に考えちゃうんだろう。
人間ってやっぱり弱いんだな。
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このボリューム、しかもこの内容を一気読みさせる筆力!さすが。
絶叫はネコで今度はイヌ…
怖すぎる。
読んでる間中、血の匂いと骨をかみ砕く音が全身にまとわりついていて。
しかも、「おまえだったのか!」という驚愕がそこに加わり、もう唖然茫然慄然。
しばらくは道で犬とすれ違うだけでも震えそう。
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ブラック・ドッグ
1ページ目から不穏な空気がぶわっと流れ込んできて、即入り込めました。
異なる地点、視点から異変を描く描写も、もどかしいながら、どうなるのよ!とページを次々めくってしまう。
「種差別の克服」云々がこの本の本筋で、そこから派生する実社会の問題について沈思黙考すべきなのでしょうが、物語としてのスピード感に追い越されてしまった。いい意味で。
典型的なパニック物は、この人死んじゃうな、とか、なんやかんやで活躍して生き残るんでしょ?っていうのが読める。「裏切られる」フレーズの帯がついていたとしても大体読めてしまう。
が、この本に関しては読めなかった。所詮パニック物だと舐めてました。
最後の彼の選択が、この本の印象を左右するポイントだと思うんですが、惨劇に次ぐ惨劇の終わりに、彼がそちらを選んだことは、個人的には好きなチョイスでした。
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過激な動物愛護団体<DOG>、遺棄動物の譲渡会を行うグループ、ペットを製造・販売する会社。
<DOG>によって、起こされる動物テロ。獣によるテロを、これでもかと言うぐらい、執拗に描いた本作は、アニマルミステリーだ。
テロの描写は、迫力と恐怖。
540ページと、かなりボリュームのある本だが、スピード感を持って読めた。
動物テロの作品だが、読み終えて本を閉じて見れば、本当に恐いのは人間だ。
団体<DOG>の科学的理論の説明がアッサリしていて良くわからなかったが、
この辺は詳しい説明があっても、読後感は同じかな~。
動物好きな人は勿論、嫌いな人にも薦めたい作品です。
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あの「ジェノサイド」を彷彿とさせるノンストップなクライムノベルの大傑作。「ロストケア」も「絶叫」もすごかったが、これもまじすごい。最初は動物虐待をテーマにした社会派な話かと思って読んでいたのだが、ある時点からジェットコースター的に阿鼻叫喚の世界へ突入する群像劇だ。読み終わってみればテーマはもっともっと壮大に広がり、ヒトとは何か、みたいなところまで行きつく。ではあるが、この本のすごいところは、テーマよりもむしろ、とにかく何もかもがエンターテイメントに徹しているところだろう。追う者と追われる者との息詰まる駆け引きも見事なら、善人も悪人も主役級も脇役も差別することなく毒牙にかける思い切りも見事だった。いろいろ小賢しく設定をひねってしまう悪癖はあるものの、著者の力量は本物だと思わざるを得ない。
これぞエンターテイメント。
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どんなに立派な正義があっても,テロリストはテロリスト.その上,やる側もやられる側も魅力的な人がいないし,とにかく人が死にすぎる.
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過激な動物愛護団体「DOG」が謎の生物を用いて起こす殺戮を描いたパニックホラー。実に真摯なテーマを内包しつつも、読み心地はとにかく非道・残虐・無慈悲としか言いようがなく。こういうのが苦手な人にはお薦めできません。でも過激なホラー好きにはアドレナリン出っ放しの一冊です。目が離せず一気読み。
登場人物たちのそれぞれの物語があるにも関わらず、意外なほどあっさりと切り捨てられてしまうのも読みどころの一つかも。善人悪人関わらず、「え、この人ここでもう終了!?」ってのが多くて。最後まで誰が生き残るのか、かなり予想のできない展開でした。そして、ラストにはとんでもない驚愕も。慌てて読み返してしまいました。
動物愛護の意味、種の差別等々考えさせられることも多いのだけれど。それって、考え出すときりがないんだよねえ。もうこれは純粋に恐怖とどきどきを楽しむための一冊かもしれません。
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過激な動物愛護団体「DOG」が暴走するお話なのですが、「ロスト・ケア」や「絶叫」に比べるとなんともチープで興ざめです。無意味な人死にも多くて、スプラッタとしても三流未満。次に期待。
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閉ざされた空間で、次々と人が無惨に殺されていく。状況は違えど「悪の教典」を思い出した。
劣悪な環境で、無理な交配により繁殖を強いられて産み出された犬たち。このうえなく愛らしいエンジェルテリアと、その対極にできた獰猛で危険な不良品ジャンク。種差別の克服のためと、動物愛護団体ドーン・オブ・ガイヤは、これを解き放つ。その行為はテロ以外のなにものでもないが。
カルネ・シンの正体については、まんまとミスリードされてしまった。
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どこの動物園だったかなぁ
「この世で一番危険な動物」
と表示されている檻があり
その檻の中には等身大の鏡が置いてあった。
という お話し。
この小説を読んでいて
ふと そんなことを思い出しました。
初めての作家さんです
これでもかという壮絶な殺戮の描写にはちょっと…
物語の中に引き込んでいく筆力はたいしたものですね
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動物は好きだ。猫は好き、犬も好き。虫は苦手。蚊は殺す。肉は食べる。魚も食べる。ペットショップは嫌い。リアルファーは昔は持ってた。今は買わない。
読んでる間中、自分自身の人間も含む動物についての差別とか区別とかを考えてた。自分自身にも問われる本。問題提示とストーリーの先がどうなるのかのハラハラとを両立させられるのが葉真中顕さんの小説のすごさと面白さだと思う。
今回はかなり展開が重かったから絶叫ぐらいのエンタメ感が好きだけど。
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仕掛けが前2作と同じで、もしかしてこのパターンしかないのか?と思わずにいられませんでした。ペット業界の闇についてはかなり切り込んでいてそこは評価したい。ただ残酷な描写が多すぎて、ただのパニックホラーになってしまった感も。うーんもったいない。
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「種差別の克服」を理念に掲げた、過激な動物愛護団体「DOG」。彼らは獣を操り、イベント会場にて次々と人々を殺していく。果たして生き残るのは。
どの登場人物が生き残り、DOGや獣と対峙するのかと思って読み進めたのだが・・・
過激な動物愛護団体、またペット産業の両者の極端な部分を捉えているのだが、なぜ人間はよくて動物は駄目なのか?その線引きは時と場合によると思うが、その考え自体が人間中心なのだなと。
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グロくえげつない。ヒーローものではなく、パニックもの。理論武装し自分が正しいと信じ切っているテロリストに反駁する言葉は持たない。でも、どんな生命であれ、軽んじることに正当性はないと思う。