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残り者って、そういう意味だったのか。
二日間に、これまでの己の来し方と折り合いをつけて、新しい時代に繋げていく。そのたった二日間の5人のお話。
御中臈のふきが格好良すぎる。
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江戸城引渡し直前に、それぞれの事情で大奥に居残った5人の女たちが過ごす一夜。
一生ここで働くんだと考えていた場所がいきなり人のものになり、職も失って放り出されるって、身寄りのない人には本当に酷ですよね…。
それぞれ立場も違う女性のプライドや帰属意識が交錯。歴史上の裏方の裏方な人たちばかりですが、それぞれの戦いをリアルに感じながら一気読みです。
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天璋院、静寛院宮が最後まで守ろうとした大奥で
ずっと大奥で働くのだと思っていた女たちが
突然、明日はどうなるかわからずに江戸城を出る日
りつ、お蛸、ちか、もみぢ、そしてふき
5人の女がそれぞれの理由で、感情で大奥に残る2日間
本当にあったお話なんじゃないのかと思う
こういうことがあったっておかしくないよと思う
心の奥がジーンとなるような気持ちで読みました
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大奥に居残った者たちがいた…
民草の一人ではあっても、「忠義」の心を持ち合わせていた女たち。
それぞれの事情が明らかになるとともに、夜も明けていく。
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時は幕末、徳川家に江戸城の明け渡しが命じられる。
官軍の襲来を恐れ、女中たちが我先にと脱出を試みる中、大奥に留まった五人の「残り者」がいた。
なにゆえ残らねばならなかったのか。
それぞれ胸の内を明かした彼女らが起こした思いがけない行動とは――
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面白かった。
きっとこの本のように、天璋院や静寛院宮に忠義を誓い、いつまでも続くと思っていた奥勤めの女性がたくさんいたのだろう。
誰もが徳川の世が終わることが信じられず、りつたちのように時代の流れに翻弄され心の整理がつかず、放り出され不安な気持ちを抱えていたのだろう。
りつ、ふき、お蛸、ちかの丁寧な心理描写が素晴らしく読みんでいるこちらまで奥勤めをしたかのように感じて、明け渡しの際の官軍の所業には心底腹が立ってしまった。
終わり方もとてもよくおすすめ。
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幕末、江戸城受け渡しの前日、天璋院篤姫や静寛院和宮が去った後の大奥。大奥で働いていた女性5人が、それぞれの事情で城に残り、出会って、共に一夜を過ごす。
女性が自分1人の才覚で生きていくことが難しかった時代。若いうちに大奥に入り、一生をそこで生きると覚悟を決めていた女性達が、自分では如何ともしがたい時代の趨勢によって突然居場所を奪われることになるのだが、時代に翻弄されて尚保たれる矜恃、意地、芯の強さなどがとても素敵で、痛快だった。徳川家の江戸城最後の時に偶々出会った似た境遇の女性達が、身分を超えて共感し連帯しあう様が清々しかった。
どハマりした、何年も前の大河ドラマ「篤姫」を思いながら読んだけれど、これはこれとして映像化されても面白そう。
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時代を表現することにますます磨きのかかる朝井まかてさん。今回は、江戸開城にあたり、大奥に使えていた5人の女性を通して語られる、女たちの幕末。
大奥のなかにある呉服之間で働いていたりつは、その腕を天璋院にも認められ、生き甲斐を感じて仕事をしていた。その矢先、江戸城の無血開城という歴史の瞬間が訪れた。すぐにも大奥を去らなければならない。しかし、りつは呉服の間に戻るのだった。御膳所のお蛸、御三の間のちか、御中臈のふき、そして、和宮の呉服の間で働いていたもみぢが、それぞれの理由で城に残っていた。
舞台だ、これは舞台劇。個性的な5人の人物が、上手や下手から現れるところを想像しながら、楽しく読んだ。誰か演出してくれないかな。
幕末から明治にいたる、お仕事ガールズストーリー。
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2016.914
江戸城を明け渡すことになり、もうすでにほとんどの城に住んでいた人々が去って行ったあと 城に残っていた5人の篤姫に使えた女性たちのお話
大奥は江戸時代のことであるけれど、今でも女性たちの似たような状態はけっこうありますよね
今も昔も、女性の付き合いは難しい
しかし、この作者のお話に出てくる女性の強いこと!
カッコいい!
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江戸城明け渡しの前夜,いろいろな事情から残って見届ける5人の大奥の女性たちの視点で描かれている.女の目から見た幕末,1日を切り取って,来し方行く末を収めた鮮やかな手際に感服.また大奥事情にも詳しくなれる.
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舞台を見ているような面白さがあった。
江戸城明け渡しの日の大奥の様子という
何とも面白い設定だった。
なぜ残った女たちがいたのか?
残った5人の心の内を知りながら
大奥の様子が目に浮かぶようです。
「舞台」と言ったのは
スケールが大きそうな設定ながら
小さなところで繰り広げられる女子的会話のようになっているから。
どこかコミカルでした。
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最近気に入りの、朝井まかてさん。
まかてさんの描かれる女性は、時代的な背景もあって慎ましいながら凛としていて、胸がすくような人が多い。
これもまた、江戸時代でありながら、天璋院さん始め、己が足で立てる女性たちの物語。
江戸城開城。それぞれの思惑で居残った女性5人が共に過ごした一夜を描く。
読後感の良い1冊でした。
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2016.10.19.大奥最後の日。思いがけない理由から残ってしまった者たちの来し方を描く。朝井まかてさんの作品ということで期待がとても大きかっただけにがっかりした。自分の予想と違ったという勝手な理由からとは思うのだが…。
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幕末、大政奉還、江戸城明け渡しの様子を、大奥を舞台に書かれた本。
閉ざされた世界で、自分の仕事に誇りをもって務めていた人達。
不安定な幕末の世に、大奥から逃げ出す人たちが出て、仕事の負担が増え、疲弊していく人たち。
江戸城を明け渡した後の、未知の世界に不安を覚える人たち。
何だか、現代の会社に共通する不安感を感じました。
明け渡しまでの話が長くて、登場人物のその後の生活や活躍の部分がすごく少なかったのが、残念。その部分をもっと詳しく読みたかったな。
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江戸城明け渡しの際に、それぞれの事情で江戸城に残った大奥の女たちの話。いよいよここから盛り上がるか、と思ったら話が終わってしまった。もっと真相みたいなのがあるかと思った。