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アメーバ状宇宙人との共生を描いた『20億の針』の続編。
前作よりコミカルさが増していて、主人公と共生している宇宙人も妙に人間っぽくなっていた。
登場人物が良くも悪くも『良い人』ばかりなので、その点では好き嫌いが別れるかもしれない。長閑な世界は嫌いではないが。
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前作「20億の針」から7年後。
"捕り手"の宿主であるボブ・キーナードは、原因不明の体調の悪化に悩まされています。
"捕り手"の超人的な努力により、辛うじて最悪の事態は免れているものの、危険な状態を脱するにはいたらず、二人!?は"捕り手"の仲間に連絡を取ることこそ最後の希望と思いいたるのです。
前作は、小学校の時に子供向けの抄訳版である「宇宙人デカ」を読んで以来の楽しみと、その期待に違わぬ面白さがあり、本作への読書前の期待はいやがうえにも高まっていました。
それを思うと、正直、前作よりは見劣りする部分が多かったように感じました。
例えば、ボブの命というタイムリミットが設定されている割には、その切迫感をあまり感じさせない、ボブや周囲の人間の行動。
あるいは、邦題にも象徴される、「途方もない星の数の中から目的("捕り手"の故郷の星)を探し出す」、という想像するだに気の遠くなるような設定が十分に生かしきれていないように思えるなど…
逆に言うと、どこか安心した心持ちでサクサクと読めるのは確かです。心臓には優しいです。
まだ二作しか読んでいませんが、あるいはそれがクレメントという、SFファンがそのまま作家になったような作家の、一つのスタイルなのかもしれません(あくまで推測ですが)。
読まれるなら、ぜひ順番どおりにお楽しみください。
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前作では少年だったからか、あまり感じなかったが
宿主がちょっと残念な子に見えるほど(作中で
そう言及されるほど)周りの新キャラ
女性(少女)のキレがいい。
彼は問題を抱えて体調不良だったからとしておこう。
捕り手とのコンビが円滑に始まり、
この作品でも良好に続いているように、
地球人類として誇れる好ましい善良な個人なのだから。
あれだけ、楽しく過ごした少年時代の仲間は、
全くといっていいほど出てこないあたり、
年月が経って、みんな大人になり
それぞれの人生、世界を生きていくのだなぁ、
という感想。
SF、ミステリーのジャンルに分けたときの感想は
特になし。それからどうなるの(はずだったの)?
という期待は残るが、とりあえず一件落着!?
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前作のハードさがちょっと和らいだ感じ?SF度は低いです。謎解きといったほどのこともなく前作の世界観を余韻で楽しむ感じかな。
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名作「20億の針」の28年後に出された続編で、設定上は7年後の世界。
共生生活をおくる中で宿主のボブの体調が悪化してくるのをどうやって解決するか?追い詰めたはずの犯人が実は逃れているのでは?前作よりはサスペンス要素はうすれていますが、南の島を舞台にしたSFで楽しいです。
でも、ゼリー状の異星人と人間とが意思疎通を図るなど、スタートレック的に人間の延長みたいな感じでいいのか、毎回引っかかるのです。致命的な断然感も描いて欲しいのですが、この著者はそういうことはしない。ハリウッド映画的能天気とでもいうのでしょうか。
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#日本SF読者クラブ 「20億の針」から7年後の話しである、主人公のボブが大学を卒業し、故郷の島に戻ってくる。この間”捕り手”との共生関係は続いていたが、ボブの体調に深刻な異変が起きる。ボブを救うべく”捕り手”をはじめとして、島のいろんな人たちが動き始める。もしや、”ホシ”がまだ生きてるのでは? 今回は、女の子たちが大活躍する。前作が1950年に発表され、それから28年後に今作が発表されたので、女性の社会進出とか時代的なものがあるのかもしれない。
舞台は相変わらず、のんびりした南の島。そして若い女の子か。いいなあ、と妄想する。