モラハラ環境を生きた人たち みんなのレビュー

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投稿者：月の犬　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

「モラハラから離れた後の心のケア」というのに惹かれて、この本を購入しました。

どこを切り取って読んでみても、素晴らしい本です。読んでいて度々、涙があふれました。

変化を無理強いしない、「苦しんでいる渦中の、ありのままの自分」にそっと寄り添ってくれる言葉たちが、何度も何度も心を洗ってくれます。
「さぁ、変わりましょうよ」と、腕を引っ張るのではなく、やさしく寄り添い、見えない羽根で抱きしめてくれるかのような、そんな沢山のやさしさと強さを感じた本でした。

（だからこそ逆に、自分の力で立ち上がり、自分の力で自然と前進しようという気持ちを、そっと起こさせてくれるのかなと感じました。）

そして、読めば読むほど頭がスッキリとし、心に散らばっていた傷の残りカスに気付き、気持ちが整理されていくような感じがしました。

私の場合は、夫がモラハラなのではなく、血縁の家族がそうでした。（父と姉です..母は、父と姉の心理的奴隷のようになっていました..)
私自身も、一つ屋根の下で暮らした長年の呪縛を解くには、こんなにも骨が折れるのかと、何度も自分がどうにかなってしまいそうな人生でした。

でも、そうして生きてきて、やっと心にけじめをつけて自分らしく生きれるようになった後の・・・、モラハラと離れた後のもう苦しいこと、苦しいこと・・・何が起こっているのか分からず、自分の心の動揺と、必要のない呪縛の数々には、我ながら愕然としたものでした。

心の傷は、自分なりに処理してきたつもりでしたが、この本を読みながら、そして日常を送りながら、心の傷がまだまだどれだけ開いたり閉じたりを繰り返し、うずいているのかを痛感させられて、今までにない新鮮な涙がこぼれました。

家族は血縁ですから、生きていれば様々なやりとりがあり、絆を完全に絶つことは出来ません。母を支える必要がある時もあるし、父や姉と触れ合えば、閉じていた傷も急にパックリ開く時もあります。

心がちょっと不安になった日は、寝る前に手に取って読みたい、私にとってはお守りのような本になりそうです。

また、この先モラハラで苦しんでいる方と出会うことがあったなら、真っ先にオススメしたい本だなと、すごく思いました。

今まさに苦しんでいる人にこそ、手に取って欲しい、届いて欲しいと、願わずにはいられません。

こんな素晴らしい本を書いて下さった著者には、感謝が絶えません。