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妻に薦められて読んだ作品。
著者のことは全く知らなかったのですが解説等で
この作品が著者が中学生の頃の言葉だと知って驚きました。
自閉症の人とはコミュニケーションを取ることが難しいという
イメージしかなかったのですが、頭の中、心の中ではこんなにも
たくさんの言葉を持っていたのだと思い知らされました。
また、自分の体が思い通りにならないと著者は何度も述べていましたが
そういった感覚を想像することが出来ただけでも良かったと思います。
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自閉症者である著者の東田直樹さんが中学生の時に出版した本。
文字でコミュニケーションができるようになるまで相当な努力をしてきたのだと思うし、周りの方のサポートや忍耐力、理解力に敬服する。
いまや30言語に翻訳され、10万部を超えているとのこと。
30ページ程の短編小説「側にいるから」はとても純粋で美しい作品。
東田直樹さんのプログも見てみようと思う。
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著者はご自身が自閉症です。
その彼が13歳の時に書いた本です。
彼はなかなか言葉出てこず、コミュニケーションを取るのが難しい。
ところが、アルファベットの文字表があると、それを指さして言葉にすることができるようです。
そして、健常者が思う所の58種類の質問、たとえば「なぜ飛び跳ねるのか?」などに答えて行きます。
少し理解するのに難しい所があるってのもありますが、心に響くので2回通りも読んでしまいました。
この本を読んで、少しでも寄り添う事ができればなぁと思いました。
現在は20歳を超えて、本格的な著作活動を行っているようですし、ブログもよく更新されているようです。
彼特有の物語も良いかもしれません。
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〇普通に、同じ感情を持つ人間なんだ。
とっても失礼なキャッチコピーかもしれないけれど。
作者の東田さんは、どうしてこの本を書けたのだろう。
この話をもとに、どうして何か所もの場所で講演ができるのだろう。
東田さん自身、きっと葛藤しながら生きているはずなのに、なぜこんなに簡単な言葉で思いを表現できるのだろう。
東田さんが、十三歳のときに書き上げた単行本の文庫化であるこの本は、重度の自閉症であった東田さんが医師により方法を見出されて、感情を一つひとつひらがな表を指さしながら著そうとした。
自分の意思はある。感情もある。しかしそれをうまく体で、行動で表現するまでにたくさんのステップがある。そのステップを踏むうち、いろいろな外部的・内部的要因によって邪魔されて別の行動へ行ってしまう、ということもしばしばあるのだそうだ。
上記のような行動は、健常者…普通の人(※という言い方もどうかとは思うがあえて。)にはどうしても奇異に映る。自閉症の方がどんな発想でそういう状況になっているか、理解・把握ができていなければどうしてもそうなってしまうだろう。その様子を見て、さらに自閉症の方は戸惑うのだろう。「なんでみんなこんな目をしているのだろう」と。
この本を読んで、自閉症のことを理解できたとは全く思わないし、むしろ謎が深まったと思っています。健常者である限りはきっと100%理解できることはないと思う。しかし、わからないからといって目を背けず、普通に同じ感情を持つ人間であって、少し時間がかかってもいいから普通に接しようと思うことが重要なのではないかと感じた。
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自閉的な傾向のある子どもたちと過ごすとき、同じ景色がどんな風に見えているのか知りたいと思うことがある。同じものを見ているのに分かり合えないもどかしさを感じる。
この本は作者が自閉症と診断されている。自分の行動の理由やどんなことを感じているのかを項目ごとに説明してある。知りたかったこともその中にいくつかあり、参考になった。
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1と2を連続で読了。なんというか、自分がコンプレックスに感じることって誰しもあると思いますが、その自分の考え方に恥ずかしくなりました。自分の気持ちを伝えられるのに、きちんと伝える努力をしない自分にも。
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重度の自閉症の子がこんなに豊かな表現力を持っているなんてと驚いた。やはり人は見た目で判断してしまうところが多いと気付かされた。
確かに、意識ははっきりしているのに伝えるすべがなく、体も思い通りに動かないというのは想像を絶する苦しみだろう。自閉症の方は毎日闘っているんだ。それが分かって良かった。
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以前から気になっていた本だけど、テレビ番組を久しぶりに見てやっぱり気になって買いました。自閉症の人の自分でコントロールできない部分について、自分でどんな風に感じているのかとか、よくわかってびっくり。そしてまたこの文章を書いた時が13歳だということも。
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彼の存在は数年前のNHKのドキュメンタリーで知った。
読んでみたいと思いながら、この度、文庫で出たのを知ってようやく手に取ることになった。
語彙が豊富で、彼が重い自閉症であるということは、私もNHKを見ていなければ、信じられなかったかもしれない。実際、海外のメディアには同じ自閉症の一種でもアスペルガーではないかと思う向きもあるらしい。もちろん、彼は自閉症の中でも特殊な症例らしく、彼がいろいろな思いを抱えているからと言って、他の自閉症の人たちが皆同じではない。それでも、見た目や先入観でとらえることのできない世界を彼らが持っているということを教えてくれるきっかけになる。
一冊の分量はけして多くなく、集中すればものの何時間で読み終わりそうな量だ。
ただ彼が自分の思いを言葉にできるようになるまでの年月と、一つ一つの考えを言葉にする作業を考えると、本当はそんなにあっさりと読んでは行けないもののように感じる。
エッセイ部分は、NHKの番組の中でも引用されていたと思うが、今回初めて、彼の創作の部分を読むことが出来た。彼の表現したいという思いがあふれだしているような気がした。
読み終えて、録画のまままだ見ていなかった2つ目のNHKのドキュメンタリーを見た。いわゆる自閉症としての動作が消えていることはなかったけれど、文章の出だしの一文など、文字盤を頼らずとも話せるようだった。アイルランドのミシェル氏も言っていたように、2年の間に彼は成長していた。ガンの闘病を続けるNHKスタッフとのやりとり、認知症の祖母とのやりとりには胸が熱くなった。
続けて、彼の著作を手に取ってみたいと思う。
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とにかく衝撃的だった。
凝り固まった頭をガツンと殴られた気分。
世界の見方が変わった。
見方を変えれば、今までなんでもないことが、とても貴重で素晴らしいことなんだと実感。
世界はこんなにも美しく、愉快で、気持ちいいところなのだと教えてもらった。
重度の自閉症の13歳の男の子が書いた文章とは信じられないほど、とても素晴らしい表現力!
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自分の気持ちを相手に伝えるのがとても大変なのです。
自閉症と呼ばれる障害があるとは知っているが、それがどのようなものなのか、それを持つ人はどのような思い、考えでいるのか。
そうしたことを考える上でのヒントになる一冊。
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心に直接「言いたいことは伝わりました」と届けたくなる、勉強になる言葉が沢山綴られていました。心の奥の方が静かに揺さぶられて、今もなお余韻が残っています。
テレビで見たことのある人にしても、数少ない出会ったことのある人にしても、自閉症者の心のうちというのはどうにも理解しがたくて、感情も読み取れなくて、正直あまり考えたことがありませんでした。その状態を彼らは普通だと捉えているのか、楽しんでいるのか、苦しんでいるのか、も分かりようがなく。もっとも、そんなことが汲み取れるほど寄り添った経験がないのですが。だから、今、自閉症者本人が症状を苦しく感じることがあるのだと知ることが出来ただけでも見える世界が少し変わった気分です。
それから、障害を持たない人の理性や様々な概念の形成が極めて社会的なもので本能によるものではないのだろうということを改めて思い知らされました。「太古の昔からタイムスリップしてきたような人間」という表現はあまりに秀逸です。自閉症のように名前が付かなくても、気が利かないと言われがちな人や集中力が足りない人など、どうも社会適応能力が無いというレッテルを貼られる人は世の中に結構居るものだと思います。そういう風に言われる人の中には自分の状況を言語化して説明することが叶わなくて理解を得られないままになっている人もいるのではないでしょうか。悪意や怠慢が原因で社会に適応出来ない人の考えは別として、本能に近いレベルの「こんな風に生きたい(あるいは、しか生きられない)」には一定の理解が必要だと考えます。それに、自分は理解「してあげる」側だと思い込んでいても、自分にも理解「してもらいたい」部分があるかもしれないわけで、何事においても、自分が寄り添う姿勢を見せることは回りまわって自分にとっても良い影響を及ぼすかもしれないわけで。
より良い共生を考えるための良い教材です。これからも沢山の人の目に触れますように。
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人間の脳には様々な何かが秘められていると感じた一冊。
自閉症の方たちの感性はとても豊かで、ある意味で野性的。
健常者と呼ばれる人たちには感じられない、もしくは進化の過程で失ってしまった(眠っている?)感覚を持っているのか。
一つ一つが詞の様で美しい文章。いろいろと考えさせられる。
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自閉症とは、かくも苦しい人生なのか。それを生きている方々は、なんと強い魂なのか。同症を持つ著者が13歳のころに著した本書は衝撃的であり、同時に、自分の無知と意識の低さに恥ずかしさを覚える。
NHKの特番で存在を知り、先輩が推薦していたと聞き、手に取った。まだ読まれていない方は、是非ご購入を。著者に印税が入りますし(^-^)b
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いつだったか、どこかの誰かが「人の心の中には地球の外と同じように宇宙が広がっている」と書いてあったのを思い出した。
一見、近よりがたい、声をかけることを躊躇してしまいそうな、もし話しかけても通じなかったらどうしよう、となりそうな自閉症スぺクトラムの方にも広大な宇宙が広がっているんだ、と教えられた。
想像しがたいくらい苦しく、辛いのに、泣けてくるほど優しい。
一問一答形式で読みやすく、パラっとめくって1ページ読むだけで新たな視点が開ける。
「こんなときこう感じてたんだ」
「意味不明に見える行動にこんな意味が」
もちろん、解説でデヴィッド・ミッチェルさんが書いているように、「彼は導師ではない」ひとりの人間だから、すべての自閉症スぺクトラムの方にあてはまるわけじゃないと思うけど。
タイトルの『自閉症の僕が跳びはねる理由』も書いてあるのだけど、私は自分が子どもの頃に感じた思いに近いものを感じ、懐かしくて懐かしくて...。
他の感覚も「全く分からないではない」気分にさせられるのは、東田さんの文章力と「他の人の感覚で分かるように書いている」というバランス力の賜物だろうか。
皆さんに読んでもらいたいけど、『誰か』を『お世話しなくちゃならない』という立場の方にもおすすめ。
この本はブクログのレビューで知りました。
書いてくださった方、ありがとうございました。