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【ある恋愛の根底に潜んでいた、想像を超える悪意】一行目に不気味な文章が書かれた、ある人物の手記。それを読む男を待ち受けるのは、狂気か救済か。中村文則が放つ新たな最高傑作。
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私とは何なのか?感想を言葉で表することが難しい。でも凄い本に出会えたという手応えは確実に読了して約2週間経ってもまだ心と頭の中に有って。もう一度読まなくちゃ。
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「このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない」
この怖さは、ここでしか体感できない。
人間の暗部、隠された強暴性、誰もが持つ攻撃性。
それらを解放しているこの作品は危険。
私が消えていくということ、誰かが私に成り替わるということ。
中村文則さんは、
またまた大変な作品を世に送り出してしまった。
必読だと思います。
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『文學界』で読んで、単行本でまた。
文則さんの宮崎勤考。
文則さんならドグラ・マグラ的長編小説を書いてくれそう。しんどいだろうけど読んでみたい。読者って我儘だなあ。
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歪み、崩れ、滅していく〝私〟。
読み返すたびに打ちのめされる。
一読目で幻惑され、ニ読目で入り込んだ。
そして三読目で、その深さに驚いた。
脳に残る。
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「私は消滅」でも「私が消滅」でも「私を消滅」でも「私と消滅」でも「私も消滅」でもない「私の消滅」。
おそろしや~!
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ある精神科医の物語。記憶を無くした『僕』が、自分の手記を読み、自分は複雑な家庭で育った精神科医であることを知る。しかし、その記憶は『私』である精神科医が仕掛けた罠だった。
基本、一人称で語られる物語なので、途中頭が混乱してしまったが、『私』である精神科医の復讐の物語である。
それにしても、中村文則さん、たまに読むにはいいけれど、相変わらず重いです。
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狂気と正気が交差して『私』という存在がどこに到達しているのか着地しないままこのまま浮遊を続けているのかわからなくなる。精神の異常は人の手によって簡単に洗脳という手法で作り出すことができる。『私』という人間の消滅が始まる。
物語の中に自分を組み込まれずにいるのは難しいのだが、客観的に見てゆかないとうっかり自分も飲み込まれそうになってしまうほどの恐ろしさを感じる。
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昨日、半分まで読んで寝たら悪夢を見た。起きて畑仕事しながらも読まずにはいられなくなり、そして今日一日ずっしりの重くて、何か恐ろしいことを見落としているような不安を覚えながら過ごす。読み終わってもずっとその感覚が続いている。全部、この本のせい。
こんなに気分の悪い本はなかなかない。それだけに、すさまじい本だとも思う。
自分は自分であるという記憶、意識のなんと曖昧なことか。悪や狂気と正常の境目の何と曖昧なことか。
この本の中の世界は、今の自分の世界と紙一重でつながっているという事実、というか恐怖。
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冒頭の文章には惹かれたけれど、全体的には、あまりしっくりとこなかった。復讐の概念や感覚や、人生をリセットしようとする試みも、うまいこと描かれていたけれど、嘘くささが否めなかった。
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はじめの文章から引き込まれます。そして読み終えてからも考える凄い作品。もう一度読もう。あとがきの最後の言葉に救われる思い。
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中村文則さんの小説は新作が出るごとに楽しみにして読んでいます。
同じ年でこんな小説を書けるなんて、本当に尊敬します。
これからも作品楽しみです!
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宮崎勉など実際にあった事件を引用しつつ、精神分析の方法を取り入れつつ人間の心のあり方、その人を形作る心そのものがなんなのかを考えさせられる。
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記憶を消したり書き込んだり。過去の自分があっての今の自分、昔からずっとつながってきている、自分。で、いいのかな?「私」ってなんだろう。
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不気味な文章で始まる手記。
ある恋愛の根底に潜む悪意とは。
一人称で語られる物語です。
二度読まなければ倒錯する構成。
キーワードは「私」と「僕」と各セクションの番号。
なぜ人は壊れるのか、どうすれば壊れるのか。
そして過去を変えるという神を冒涜する行為。
宮崎勤事件の分析から、本当の悪を考察。
ただただ、とても悲しい物語です。
和久井が静かに言う「殺しましょう」は
同著者「掏摸」の登場人物、木崎の紹介文、
「彼はただ殺すんだ」と同様、恐ろしい恐怖を感じる。
あとがきまで読んでやや救われる。
映画化求む。