投稿元:
レビューを見る
第59回群像新人文学賞受賞
第155回芥川賞候補
在日コリアンの少女ジニ
空を受け入れよう
芥川賞でもよかったんじゃないですか
『コンビニ人間』が強すぎた
この小説のほうが好み
引き込まれるパワーがありました。
投稿元:
レビューを見る
根深い民族差別と戦う少女が少し大人になるまでの物語。重いテーマであるし、書き出しから最後まで重い。ジニが最後には救われることだけを願って読んだ。自分の故郷にも朝鮮学校はあった。チマチョゴリを着た生徒と直接関わったことはないが、子供の目を通して見ても何か異質なものを感じた。ジニは在日朝鮮人は立場で日本語や米国で過ごす。日本語で書かれた小説であるが、日本人には到底理解できない世界がそこにある。そこに異質な存在があることで不当な差別を受けるジニ。差別をする方は意識的でも無意識でもやる。その行為がどれほど人を追い詰めるのか、この小説を読んで体験するべきだ。重い小説である。作者の実体験も混じっているのだろう。日本人作家には書けない思いが作品に込められている。
投稿元:
レビューを見る
韓国。北朝鮮。朝鮮学校。中学生。民族差別。在日韓国人のジニという少女の体験。学校からもそれ以外の社会からも浮いた存在として扱われて、攻撃され、どこが自分の居場所なのか、この居場所は正しいのか、悩み、革命を目指す。当たり前の世界を疑い始めたら、もう当たり前には戻れない。
投稿元:
レビューを見る
ちょっと苦手な分野だった気がする。感動もなく、ただ、淡々と流れるジニの回想記録小説にすこし、うんざりした。あまり私には合わなかった気がする。とはいえ、第59回群像新人文学賞なのだから、何かあるのかなあと思うが私にはちょっと理解できなかった。
内容は、ジニという主人公(在日朝鮮人の女の子、朝鮮語が話せない)が語る朝鮮学校での出来事だが、ちょうとテポドンがどうのこうのと日本でも騒がれていた頃の話だ。確かに、その当時は私も朝鮮学校という学校があるとは知っていたが、あまり関心はなかった。
なので、今更こういう小説を読んでもあまり、ピンとこない。ただ、今現在の北朝鮮はそれにも増してロケットを打ち上げ過ぎではないかと思うくらい、世界にアピールしてる。
今は金体制も息子に変わってはいるが、やってることは同じような事をしているし、あまり、興味はないが、ジニが教室の金一家の肖像画を剥がず場面はちょっとだけ、スッキリしたような気がした。
投稿元:
レビューを見る
在日の辛さ悲しさ、世間の矛盾や親への思いなど、痛いほどわかる。
冒頭のアメリカでの生活との連続性はわかるけど、ここんところの筋がちょっとわかりずらい。でも、実に考えさせられる秀作。
投稿元:
レビューを見る
在日朝鮮人三世の少女ジニの回想形式で描かれる。日本の小学校卒業後に都内朝鮮学校に進んだジニ。入学式から違和感を持っていた金親子の肖像画が、朝鮮語が話せない為に学校に馴染めず、学校から一歩外に出たらチマ・チョゴリの為に"朝鮮人"として見られる彼女のアイデンティティの傷つきに大きく影響し続ける。テポドン発射の日に受けた屈辱、やり場のない怒りと哀しみ、彼女が起こした革命が彼女自身を深く傷つける展開はやるせない。
ミサイル発射は日常化しつつあり、偶然にも核実験が行われたばかりであるが、ジニの様な立場の子ども達については思い至らなかった私に新たな視点をもたらせてくれた一冊。もっと読まれてもいい作品。
投稿元:
レビューを見る
自分で選んだわけではない環境により自分の人生が影響を受けることの理不尽さは、その環境下にない者が理解することは難しい。
投稿元:
レビューを見る
ジニの葛藤は簡単に共感出来るものではなかったけど、物語にありがちな突拍子もないものではなく、リアリティがあるもので読み応えがあった
投稿元:
レビューを見る
在日韓国人の問題は今なおあるのだということを著者は記している。フィクションの体をとりながらそのうち何割かはノンフィクションだと思わせる。それは出来事ではなく著者の感じる思いなのかもしれない。こうしている今も北朝鮮はミサイルを核実験を行い、それに対する日本人の言動におそれる子ども達がいる。日本はまだまだ民主主義とは遠い位置に立っている。難しい問題がさらりとわかりやすく臨場感をもってかかれてあり、寝る間も惜しんで一気に読んだ。
投稿元:
レビューを見る
在日三世の少女ジニが居場所を求めて苦しみ、闘う物語。
途中、読むのが辛くなる。生まれる国を選べる人なんかいないのに、なぜ差別するのか。この国だけでなく、いろいろな国の大きな流れが内向きになっていて、息苦しさを感じる。
投稿元:
レビューを見る
期待が大きかっただけあって、あれこれで終わりかなと思っちゃいました。私は何人という深い問題に思春期の不安定な時をうまくモチーフにした小説だとは思いますが。
投稿元:
レビューを見る
気になっていた本。
Twitterか新聞からその存在を知り、
文藝春秋で芥川賞の選評を読んでいた。
その際、あたしに定着したのは、
「荒削りだが熱量が強く、今後が楽しみ」
な作家さんってこと。
ところで。
他の皆さまに伺いたいのでありますが、選評を読むのが楽しみな方っていらっしゃるのでしょうか。
あたしは大好き。
さて。
いきなりグイグイと引き込まれたのでありますが、何をもって“荒削り”と仰るのか気になって気になって仕方がない。
「こーゆー描写が?」
と思いつつ、
“ここはこーじゃなきゃ青い感じが伝わらぬであろうな・・・”
なんて思いながら、ストーリーと選評への挑戦でひと粒で2度も3度も楽しめちゃった。
何十年も前の事だけれど、
たまたま電車で会った朝鮮学校に通う小学生の女の子を思い出した。
その時あたしは馬鹿な高校生で不躾な質問もしたと思う。
その時、彼女は少し言葉を濁して俯いたような気がする。恥ずかしい事をした。
でも、明るく素直な面白い少女で、日焼けした顔は今でも思い出せる。
ジニと彼女が重なった。
国の責任を背負わせての個人への誹謗中傷暴力脅しがなくなりますように。
投稿元:
レビューを見る
在日韓国人・ジニは、東京、ハワイ州、オレゴン州と巡りめぐって来た。
学校を追われ、次は何処へ逃げる?
自分の過去も含め、全てを受け入れるのはエネルギーがいること。
ジニが希望を抱いて進めるといいな。
友達のニナ、ホームステイ先のステファニーの存在が救いだった。
投稿元:
レビューを見る
主人公ジニの性格が激しく、自分と違いすぎるので共感はできなかったけれど、丁寧に書き込まれた完成度の高い作品でした。
純文学べったりではない。だから芥川賞をとらなかったのかもしれない。
こういう生まれの人がそれそのものの小説を書いて評価されて、2作目を出すのは大変そう。
投稿元:
レビューを見る
社会にはいろいろな人がいるという「包括」の概念を暗黙のうちにみんなが共有していくところ「排除」の発言や行動のシーンを見ることはつらいです。なんであれ「排除」の方向に向かってはいけないと思いました。