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32年前居酒屋で傷害事件を起こした男はその後何度も犯罪を重ね服役した。なぜ彼は罪を重ねるのか。
罪を犯した男と、その元妻や子供。
作者が得意とする、罪を背負った者と、その回りで支える人達。
薬丸岳さんの作品は、本当に立ち直れるのだろうかと疑問に思う気持ちと、立ち直ってくれたらいいなという気持ちと、でも難しいよな、といろいろな気持ちが混じりあう。
どの作品でも、どんな結末でも、嫌な思いをした記憶はない。だから次も読んで見たいと思う。
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2016/8/22
疾走感!!!!
顔中に豹柄の刺青を入れた男は何故罪を重ねるのか。
?...!...?!...!!!!
一気読み。上手い。
片桐は周りに恵まれたと思う。愛されてる。片桐の真っ直ぐさが人を惹きつけるのかな?胸糞悪い事件が明らかになって辛いけれど、ラストは目が潤む。
菊ちゃんの焼きそば、美味しいんだろうなあ。
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顔面刺青、片腕義手の男が目の前に現れたら身構える。そうした鎧を纏いながら犯罪を重ねていった片桐の想いがつらい。こういうやり方しかなかったのか。最初の事件さえなければ、幸せだったのにな。
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2016/08/24
移動中
タイトルはどうなんでしょう。蝉と言うところは季節感が強すぎたのでしょうか。でも、そっちの方が好きです。
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何度も罪を犯し、刑務所への出入りを繰り返す一人の男。あえて異様な風体をして一見自暴自棄に見える彼の「真実」を探るミステリ。
彼の周りの人間の視点から語られるその姿からは、決して悪人ではない気がするんだけれどなあ、とは思っていました。だけどなぜ何度も意味のない犯罪を起こしていたのか……その理由にはたどり着けなかったなあ。そして彼の選んだ結末は、決して正しいとは言えないかもしれないのですが。なるほど、一番の「罰」はそういうことなのだとも思えるなあ。
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友人を守るために犯してしまった罪により、自分の家族を失ってしまった。彼は復讐を誓い、その為にあらゆるものを犠牲にしてきた。最後に彼は愛する妻に会えたのだろうか?思わず感涙。
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ある居酒屋に顔中豹柄の男がやってくる。男は30年以上も刑務所を出たり入ったりを繰り返していた。この居酒屋の店主とは知り合いのようだが、果たして彼は悪人なのだろうか。この男の行動には不可解な点があまりにも多かった。
物語は、この顔中豹柄の男の周りの人の目を通して進んでいく。物語が進むにつれて、この男がわざと捕まり刑務所に入っているのではないかと思えてくる。
彼の行動の行く先が見えてくる頃には、彼なりの正義があまりにも悲しくて、そしてあまりにも不器用でやり切れなくなる。
今までの薬丸岳とは一味違った作品。これが薬丸岳の新境地となる作品であろう。
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雰囲気を漂わせる魅力的なキャストがのっけから物語にひきこんでくれる。それぞれのキャストが重なり合い薄皮をはぐようにジワジワ真実を炙り出していく。圧巻の終章では驚愕の真実が突如として浮かび上がる。何とも遣る瀬無くせつない情感に襲われる。病的、狂的といってよい執念が一人の男を突き動かす。ただ、悲壮感の中にも人生を賭けて貫き通せるものがあることに羨ましさも感じた。
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菊池正弘が営む居酒屋「菊屋」に、古い友人で刑務所を出所したばかりの片桐達夫が現れ
た。かつてこの店で傷害事件を起こしてから、自身の妻とも離婚し、32年もの間に何度
も犯罪に手を染めてきた男だ。獣のような雰囲気は人を怯えさせ、刺青に隠された表情か
らは本心が全くつかめない―。著者新境地!魂を震わす衝撃のミステリー。
菊池正弘が営む居酒屋に現れた片桐達夫は、この店で傷害事件を起こしてから、32年もの間に何度も犯罪に手を染めてきた。なぜ彼は罪を重ねるのか。彼が犯した最後の罪とは…。『月刊ジェイ・ノベル』連載を改題し、加筆修正。
犯罪を続けるのは、妻を薬漬けにして強姦した男、最初の犯罪で指した男、が無期懲役で刑務所にいるからだった。
工場で左手を切りおとしたのも、身体障害者のいる刑務所に入るためだった。コンビニ強盗は実際にやった男と遭遇して変わりに逮捕。その時の男が恩を感じて、出所後に後をつけていた。復讐するはずの男に銃で撃たれてで死んだ。男をスタンガンで気絶させ、刑務所に逆戻り。携帯電話の写真を恩を感じた男が実の娘に届ける。いつか詳しい話をすると別れる。
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主人公は何故、自身の体を傷つけ罪を重ねに重ねてまでも1人の人物を探し出すのか。登場人物たちが次々と主人公の生い立ちや過去を語り、最終的に下そうとする主人公の復讐の思いや全貌が見えてくる。恩義を感じなんとか主人公に復讐を止めさせようとする登場人物達、そして何の罪もない主人公の家族。その人たちの事を思うと、罪を重ねるのではなく、もっと違った手段で探している人物を追い詰める事が出来なかったのだろうか、と。読み進めていくうちに何度も何度もそう思い泣けてきました。大変切なくもあり、悲しいラストでした。
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友人の居酒屋で傷害事件を起こしてしまった片桐。彼はその後、顔に刺青をし犯罪を重ね、左腕を切断してしまい義手となる。
彼はなぜそのような行動をとるのか?関係者5人の視点によって描かれる。
刑務所の部分は少々都合がいいような気がしたが、娘との会話は哀しさが。ラストはすぐに話してあげても・・・
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池正弘が営む居酒屋に現れた片桐達夫は、この店で傷害事件を起こしてから、32年もの間に何度も犯罪に手を染めてきた。なぜ彼は罪を重ねるのか。彼が犯した最後の罪とは…。
薬丸岳に限らず人気作家にときどきあるのが、原稿用紙の枚数稼ぎのために同じ描写を繰り返すこと。同じシーンを複数の登場人物の視点で描く構成のため、本作は特に繰り返しが多く、煩わしかった。
(C)
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むなしい…。
なんで?どうして別の生き方ができなかったの?
そう聞いてみたい。
だって、あなたにはまだ「ひかり」がいるじゃない。
そう気づかせてあげたい。
顔中に入れ墨をした理由は何なのか。
なぜ何度も何度も、軽い罪を犯しては刑務所に入るのか。
やはり、一度犯罪に手を染めた者は、変わることはできないのか。
先が気になって仕方なかった。
気になったのは、各章ごとに違う人物の視点から、また同じ場面が繰り返される書き方。
とらえ方の違いがわかって、それはそれでいい半面、
一気に読み進めたい流れが途切れてしまうことが残念だった。
はたして、「ひかり」は真実を知ったほうがいいのだろうか…
最後に父に向けて放った言葉を、後悔して苦しむのではないだろうか…
狂気ともいえる一途な執念が、あまりに哀しく、やるせなかった。
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なんだろう、このモヤモヤ感。
片桐の生き方に共感できるような、
いや、やっぱりできんな…。
いいやつなだけに、顔に刺青までする
必要があったのか、腑に落ちない。
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登場人物の視点を章立てにしながら、主人公の行動を追い、そして章立てが進むにつれその行動の詳細が明らかになり、ラストには衝撃のその行動の理由がわかるという凝った構成。
確かに同じシーンを登場人物の視点を変えながら描くので同じシーンや会話の繰り返しが各章の中に何度か出てきてもどかしいのですが、映像を想像しながら読むと視点が変わることによる状況の感じ方も前章を読んだ時とは若干変わるので、人物をより身近に感じて面白さが深まっていきます。
ドラマで見てみたいようなストーリーですね。でもこんな主人公、現実感ないでしょうね。それだけに主人公の愛と孤独の深さにラストは涙、涙でした。薬丸さんのミステリーを読んでこれほど泣かされるとは思ってなかったです。
本当に面白い話を書かれる作家さんですね。
面白いだけでなくいつも考えさせられるところも好きです。