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20160801リクエスト
3歳になる娘、山口琴美が、公園で行方不明になった。最後に一緒にいたというママ友の証言はハッキリしない。
浜松の湖畔でペンションを営む父子のストーリー。二つの話のつながりは、楓=琴美。
不幸が重なり、とんでもないことをしてしまう父。悲しい話。
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突然公園から消えた女の子琴美。一緒にいたはずのママ友のはっきりしない証言、あらぬ疑いをかけられた母妙子。行方不明のまま月日は過ぎ、楓という女性が登場。家族とは何か、事件を通してどう寄り添い共に歩むべきかが描かれていて、一気にに読み切ってしまった。
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パートの仕事が終わらず、保育園のお迎えに間に合わなかった日。三歳の娘は忽然と姿を消した。
必死に探し続ける家族がいたましく、急に軽やかなペンションパートが始まってちょっと驚いた。もう一人の彼女の現状が辛くて辛くて。毒親。でも良い彼氏?がいてほんと良かった。後半になるにつれて不穏感が増し増しで緊迫感があってぐいぐい読めた。ただ展開というか、二十年以上たどり着けなかったことがあっさり繋がってしまって拍子抜け。彼女の身に起きたことはあまりにも不幸だけど、今がとても幸せそうでほんとよかったと思えた爽やかなラストだった。
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2016/9/24
3歳の娘が公園で行方不明になった...
一緒にいたはずのお友達もお母さんも何も知らない...
怖すぎて一気読み。
周りの人の保身によって、真実から遠ざかっていくことも多いんだろうな。
娘を大事にしよう。
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突如起こった幼児失踪事件と、その二十二年後に明らかになる真相の顛末を描いたサスペンス。正直なところを言えば、半分くらい読めば真相はある程度分かったのですが。それは問題にはならないかと。
幼児失踪に伴う家族の悲嘆、謂れのない中傷、容赦のない悪意の数々がとにかく痛々しくってたまりません。ほんっと春口さんはこういうの描かれるのが巧みだなあ……。そして、物語としての読み口は穏やかなもので終わったのですが。しばし考えさせられたのは。
悪意のある行動と、悪意のない罪と、どちらがより責められるべきものなのでしょう。どれほどの事情があっても許されないことというのは確かにあるけれど。それでも、心情としては複雑です。そして罪でないからと裁かれない人たちのいかに多いことか……物語自体に救いがあってよかったなあ。
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心が震えました。
この表紙とタイトルで、物語の展開はなんとなく想像できたんですが…
引き込まれました。
幼稚園のお迎えの時間に、ほんの少し遅れてしまった。
そのわずかな時間のいたずらで、消えてしまった娘。
自分を責めつづける母。
ひたすら娘の帰りを待ちわびた家族。
生きているのか、それとも────。
以下、ネタバレです。
もちろん犯人が一番悪い。
どんな理由があろうとも、決して赦されるべきではない。
犯人は逮捕され、娘は本当の家族の元へ帰る。
それが簡単にできたら何も言うことはないのに…。
でも長い、長い年月と情が、それの邪魔をする。
母が娘の髪をやさしく撫でながら、犯人に問いかける。
激することなく淡々と、本当に静かに…
その答えを、犯人に寄り添うように心の中で叫ぶ娘。
この場面は圧巻でした。
涙があふれて仕方がありませんでした。
失われた年月が物語る、
憎み切れない結末のせつなさが、深く胸に残ります。
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ラストのお父さんの言葉が悲しかった。中傷を受けても、帰ってくる娘を待ってその土地に留まる家族の気持ちがやりきれない。
犯人にも同情すべき点はあったけれど、やはり家族を離れ離れにさせた罪は重い。
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3歳の娘がいなくなった。いつも遊んでいた公園から忽然と。
母である自分の責任と自分を責める妙子。
琴美はどこに行ってしまったのか。
著者の悪母を読んだばかりで、そのイメージを持って読み始めたのですが、いい意味で裏切られた感じでした。
前半の琴美がいなくなったシーン。母親の気持ちを考えると苦しくなります。
悪い偶然が重なり、容疑者扱いまでされる妙子。辛すぎます。
後半の楓の話に移り、ある程度の予測はつきましたが、一気に読ませるストーリー運びはすごいなと思いました。
犯罪としては許されないこと。
でも、娘が幸せそうだったことで、その犯罪だけを責めなかった母の強さに感服しました。
北朝鮮の拉致事件、埼玉の中学生監禁事件など、重なるものも思い出し、失われた時間を思うと、ハッピーエンドとは行かないのではとも思いましたが、フィクションなので、この結果にほっとさせられました。
読んで良かったです。
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犯人を匂わせて惑わせる手法のようで、自分の子供を行方不明にさせてしまった親の葛藤とその後の強い愛を描いていた。
いつもの春口作品のような最後にあっ!となる驚きはなく大体想像通りの展開だったけどすらすらと気持ちよく読めた。
不幸になる人がいなかったのが良かったな。
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前半部分はいかにもタイトル通り「行方」という感じでよかった。
後半はなんとなーくそうなんだろうなと思った結末だった。
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はじめての作家さん。
行方不明の家族の思いがリアルだった。
いろんな理由?で行方不明があるだろうけど、切ないパターン。
捜査の始まりは意外と真実は見えないものなんだなぁ。
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北朝鮮の拉致問題。
先日の国連でのトランプ氏が、発表してくれた言葉に、今なお、行方不明として、元気に過ごしているのか心配している、被害者の家族がいる。
この本は、はじめ「行方」、、、そして、初め読む作者 春口裕子氏、、、どんな展開で、、、と、思いながら、読み始めたが、、、
パートで、遅くなったお迎えの時間に間に合わなかった山口妙子は、娘を探しに公園へ。
しかし、何処にも3歳になる娘が、居ない。
行方がわからなくなる目に見ていてくれたママ友の身勝手な、言動と行動。
悲痛な思いで、探し回る。
ママ友の娘は、無事に発見されたのに、なぜ、我が子は、、、見つからないのか?
義理の母からの中傷も、近所の噂話も、悲痛な思いで、受け止めなくてはならない。
話の展開が、行方不明になりながら、その時の身勝手の母親と子供の成長した話が、導入されてきて、、、そして、浜松で、ペンションをしている父と娘の話、、、、
話の展開で、少しずつ、氷が溶けていくように、話が繋がっていく。
警察官となった兄の妹を思う心遣いも、そして、実母の妙子の娘を前にしながらも、自分が母親であることを、胸に仕舞いながら接して過ごす苦しさ。
どんなにか辛い思いをしたのだろうと思われる。
ここまで、調べて、身近なに、手を触れるぐらいに迄、接近しているのに、ぎゅうっと、わが胸に抱きしめられない葛藤を抑えるのに、、、、本の小説なのに、胸が熱くなった。
今、幼い子供用へ、布絵本を作成しているのが、、、、
布絵本キットでの作成である。
「キケン」という題で、丁度、この本のような ゾウの滑り台が、表紙になるような、布絵本セットだが、、、
たかいところ、、、と、表示を刺繍するところなのだが、、、
この本を読んで、車の車道、池への接近、台所、、、が、キケンの事を知らせるような絵本、、、、
最後の裏表紙は、母親ウサギと子ウサギが、並んで、〈手をつなごう〉と、刺繍で文字をいれる。
本当に、子供と手をつないでおかないと、、、、と、一気読みしてしまった本である。
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3歳の娘が姿を消してしまった。
それも自分のお迎えの時間が遅れたせいで。
自分のせいかとおもうとめっちゃ後悔する。けど、遅れる連絡をしておいたのだから、何かあるなんて考えもしないだろうしね〜。
こんなときって変な偶然が重なっているんだろうね、きっと。
さらわれていたけど、別の場所で大切に育てられていた。それは良かった。けれども、自分の境遇が恵まれていないからといって他人の人生を捻じ曲げていいことにはならない。行動する前に、その行動で周囲がどうなるのか? と立ち止まって考えたりしないものなのだろうか。自分勝手すぎる行動にイライラする。
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これは、読んでいて本当に辛かった。こんなことがあっていいのか。そして、心ない周囲の対応に、フィクションであることを忘れ、本気で頭にきて本を破って捨てようかと思ったくらい(笑)
3歳児の娘を持つ妙子は、スーパーでパートをしている。勤務は2時までだが、遅番のパートが度々遅刻をするので、その度に2時半まで勤務せざるを得なくなり、そんな日は幼稚園のお迎えに行くのが遅くなる。
その日もやはり、遅番のパートが遅刻して、妙子は2時半まで勤務しなければならなくなった。幼稚園に少し遅れるので、待たせておいて欲しいとお願いし、急いで幼稚園に行くと娘の琴美がいない。先生に聞くと、恋文が琴美と遊びたいとグズり、恋文の母親の朱里が連れて行ったと言う。
なぜ待たせておいてくれなかったのかの言葉を飲み込み、公園に向かうと誰もいない。一体何が起こったのか。琴美を勝手に連れて行った朱里に話を聞こうにも電話に出ない。夜中に押しかけやっと話を聞くことができるも、のらりくらりと言い訳をして話にならない。
それから22年。衝撃の展開とともに事件は一気に動き出す。
実際、自分が妙子の立場だとしたら、諦めただろうか。妙子のように強く待ち続けることができただろうか。そして、誠司はどんな思いで楓を育てたのだろう。誰も悪くない。いや、悪いか。でも、許してしまいたくなる。
いろいろな事実を考えるとモヤモヤが残るが、それでも最後は心に爽やかな風が吹く。良い本を読んだという読後感だけが残った。
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三歳の琴美が失踪し二十二年余り経った後の、ペンションの父娘や当時一緒にいた琴美の友人等、はじめは誰だかわからない人達の日常からの繋がりが謎だらけで引き込まれた。導入部は義母やママ友等嫌な人ばかりで気分がわるくなりそうだったことが嘘みたいに家族の、特に母親の有り様が温かい。最初の子供だけが染みのよう。