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帳尻屋仕置【三】
作者 坂岡真氏の「鬼役」シリーズにどっぷりと嵌まっていたのだが、、、、久々、この本を手に取った。
3話からなる。短篇ものである。
「鯖屋殺し」―――口入屋 蛙屋忠兵衛。
内与力の長岡玄蕃に仕置きを頼まれて、容易に断れず、仕置きをしたのだが、、、、それは、鯖屋の陰謀であった。
忠兵衛も騙されていたことになり、、、、そして、被害者は、散々な目に遭い、死へと、至るのである。
憎き悪者への成敗!そして、最後に、被害者が埋葬された浄閑寺へ、大聖歓喜天を献納へと、、、、
「あぶな絵の女」―――ひどい事をされたおこうなのに、殺人の罪をきせられそうになる。
この時代、濡れ衣でさえ、上の采配により、面目の為に、拷問をかけてでも、白状させる気でいるのが、怖い感じがする。
殺す気でいて、包丁を持っていたことに対して、おこうは、溜め預けとなり、2年の任期を全うしなければならない事に、、、、
病弱な父親と、しばしの別れである。
「鈍刀」―――腕は確かなのに、鈍刀を持たねばならなかった荒岩三十郎。
忠兵衛は、腕を見込んで、帳尻屋に引き込みたかったのに、、、、鳥目が、災いを無して、死に至たる。
三十郎が、親身に言葉をかけた若夫婦も、上司の中傷と、奸計に嵌まり、自らの命を絶つ事になる。
悪を退治していくのだが、、、、被害者が、哀れに感じてしまう。
最後に忠兵衛に、赤ちゃん誕生が、唯一ホットする場面であった。