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見上げた夜空を、宇宙をおそろしいと思う理由が、少しだけつかめたような気がして涙が出た。
夢の中で《私》やそこにいた人、あるいは場面が次々切り替わるように、展開していく物語。
この体へ収まった、今日いまこの瞬間に認識している《私》だけが、《私》である必要はない。
どれだけ自由に振る舞っているつもりでも、それは誰かに操られているだけなのかもしれない。
《私》が存在していなけれぱ、他のすべてにも意味はない。けれど《私》と私以外は違うもの。
「わかった?/わかったから、もういい?」という問いかけが、第11章に何度か出てくる。
一度納得したつもりになっても、またすぐわからなくなる。生きている限り、「もういい」とはどうしても思えないのかもしれない。
哲学的で、意味があるようでないようで、心地のいい小説でした。
とりあえず登場人物は書き出して頭の中整理したくなるけど、曖昧なままでいい感じもする。
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物語の筋らしい筋やドラマチックさからは究極的に遠い話だった。哲学と幻想とSF、私と人形、意識と生きていること死んでいること。
率直に言うと、つまらなかった。今は多分、精神的な余裕もさほどないので、こういう話を楽しめる状況ではないせいかもしれないし、もしくはストレートに好みじゃないだけか。表現は好きで、やっぱりこの人の文章が好きだ、とは思えたが。
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嫌いじゃない。でもさっぱり分からない!
そもそも、気づけば読むのに1年弱かかってた…から、前半の内容をあんまり覚えてないまま読了…。
いつかもう一度ちゃんと読む。そのときは100年シリーズ最初から読み返したいな。
あと、Gシリーズ、Xシリーズどちらも途中で止まったままなので、やっぱり読みたい!そんでウォーカロンがいる世界らしいWシリーズ読みたい!!解説の人ありがとう!!
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百年シリーズ最終作。
私と鮭川、赤目姫がボートに乗って屋敷をめざします。
屋敷でのできごと、チベット、ナイアガラのできごと。
場面が変わり、登場人物が変わり、意識は混線し、視点は行き来していきます。
自分は誰なのか?
ミステリかSFか、幻想小説か。
巻末で解説者が「何がなんだかわからないが、すげえ」と、読後感を書いているのが分かります。
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1,2作目は、主人公と喋るロボットがふしぎな国を訪れて、住人を観察したり事件に巻き込まれる話(キノの旅みたい)。おもしろくて一気読み。3作目もわくわくして読み始めたら、読者を突き放すストーリーでぽかんとしてしまった。とはいえ、前作にも見え隠れしてた“精神と肉体”、“生きているって?”というテーマが前面に出ていて、作者が本当に書きたかったのはこれなのだなと納得した。前作あるいは今までのすべての本がこの3作目のための装置みたいだと思った。
2人の旅をもっとみたかった気持ちもあるし、作者の哲学により深く触れられた実験的な3作目もよくよく考えれば素晴らしいし、悩んで星4つに。
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3
百年シリーズ3弾。が、時代も含め直接的なつながりが不明瞭なふわっとした感じの小説。時代医者篠芝、小説家鮭川、喋れない謎めいた美女赤目姫、マタイ、緑目王子、その父、シンディなど次々と意識が同調し追体験していく。人間とは的な話。人間は端末であり思考は信号、そんな解釈も。「貴方は誰ですか?」「そうね、私は、貴女以外の者です。でも、それも正確ではない。私は、貴女でもあるかもしれない。私は、この世界かもしれない」。。「人形劇は、まだ続いている」
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ここで語られる自由な思考という概念と、荘子が胡蝶の夢で表現する精神(存在)のあり方とは繋がってくるのだろう。
個としての存在を保ちながら、いかに全と繋がれるか?いや、本来であれば躰という縛りから解き放たれれば、それは可能なはずだとするメッセージが感じられる。
人の幸福を個というレベルで考えるのか種というレベルで考えるのかにも繋がってくるか。
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一気に話が飛んだ気がして、ミチルとロイデイは…?一応犬の名前でロイデイが出てきたけれど…
謎が多かった。
百年シリーズはこれで終わりなんだよな…
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非常に難解。視点が飛躍し、場面も目まぐるしく移り変わるのでストーリーの説明、要約が不可能。
百年シリーズだが、どうやらミチルは登場せず、ロイディは犬となっている。意味がわからない。青目黒髪の登場人物は真賀田四季だろうが、他は?
マガタが作ったバーチャル世界なのだろうか?ウォーカロンの普及具合から見ても少なくともWシリーズよりも前の時間軸だと思われる。
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難しい!
再読して少しでも理解したいですが、脳の容量・体力的に見て無理そうなので次のキウイに進みます。
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「弾性って、英語だと?」
「エラスティック」
「そうか、なんとも偉そうな響きじゃないか」
第3章 より
無となることなど絶対にない。むしろ無を恐れるが故に、無用なデータまで貪欲に取り込み、概念をむやみに構築し続け、それらの破壊をまた極度に恐れるといった悪循環に陥る。この作用によって新たな理解を拒絶するメカニズムが完成する。
第4章 より
人間の心を持っていたら、人を襲ったりしないかもしれないし、いえ、持っているからこそ、人間に戻りたいという一心で人を襲うのかもしれないし
そうなの。どこまでの話かっていうのが、いつも一番難しくて大切なの。どこまでが認めなくてはいけない現実で、どこからは想像、それとも仮定の話なのか。
第6章 より
だから、すべてを仮想空間にしてしまったとたんに、もう自然なのか人工なのか、偶然なのか意図なのか、その境界どころか、違和感さえ消えてしまうんだ
第9章 より
シリーズ最終作は遥かナナメ上。最初は人称の形式を破壊しようとしているのかと思えるくらい歪なシークエンスと不確かな「私」。登場人物表はもちろんなし。何かで見ましたが(もしかしたら変わっているかもしれませんが)著者が一番気に入っている作品だそうです。
刊行は2013年。ZOKUでも思いましたが、以前はあえて使っていなかった固有名詞の引用も多かったように思えます。
想起したのは、HBOの『Westworld』の自我を持ち始めたAI。それから『攻殻機動隊』シリーズの電脳化、義体化が当たり前になったあの世界観。そういえば映画の1作目は人形使いが出てきましたし、脳や記憶をジャックする描写もありました。
いつかは機械が(人形が?)人間になる。はるか未来を予見するかのような設定は非常に新鮮でした。葛藤の向こう側を当然のように描かれている点に痺れます。
解説でも述べられていましたが、以前と同じキャラクターが登場するようなシリーズの続編ではなく、舞台設定や世界観を踏襲した過去編という位置付けだと思いました。
またぶつ切りに移り変わっていく思考は時間に縛られていないような印象を持ちました。人の持つ肉体、身体から解き放たれることは時間を超越することも示唆しているのかもしれません。
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前衛小説。構造上、キャラの魅力やユーモアのある掛け合い、派手なトリックのようなエンターテイメントはほとんど含まれない。
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何度目かの再読。百年シリーズの第三弾にして最終作。この小説は何度読んでもわからないとしか言いようがない。それでも読み返したくなる不思議さが存在する。これは過去か?未来か?それとも今か?夢か?現実なのか?もしくは幻?観測するたびに形を変えていく、それが森ミステリィの特異点。Wシリーズとも通じる話も展開されるがそれも小事。きっとまた読み返したくなる時がいつかくるだろう。その時にもこの酩酊感を味わえたらいいと願う。
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医者の篠柴と小説家の鮭川が謎めいた美女・赤目姫ととも屋敷を目指す物語から、次第に視点が時空を行き来していき、幻想的な物語へと変化していきます。
百年シリーズ第3作にして最終作。前作とがらりと変わって幻想的な物語。この物語の真意は、次のシリーズを読むことで理解できるのかもしれません。
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220706*読了
不思議すぎる小説。
こんな読書体験はしたことがないかもしれない。
理解が及ばない。理解しようと思っても、全てを理解できない。
でも、それすら心地よくて世界にどっぷりと浸ってしまう。
これが森博嗣マジック…。
こうやって思考の海に溺れさせてくれるところも、私が森博嗣さんの小説を溺愛する理由です。
百年シリーズなのにミチルもロイディも出てこず、違う登場人物達によって展開される。
ただ、通ずる部分もある。
そしてWシリーズと関連しているところも。
Wシリーズの前に読みたかった!とも思うけれど、Wシリーズを全て読んだ今だからこそ、繋がっていると感じる部分もあったし、これはこれでよかった。
よく分からない、本当に不思議な小説で、こんな手法すらありなのか!と驚くばかりなのだけれど、読み終わった後、とても好きだと感じる。
他にない小説。唯一無二です。