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大好きな作家さんの本なので読んでみた
瀬戸内海の小さな島に住む4人の高校生を主軸に、島での出来事を描いた作品
他の講談社の辻村作品と同様に別の作品の登場人物がゲスト出演している
高校生が主役という事で作品全体が明るく瑞々しく好印象
けど、敬意を感じていた大人の見たくなかった一面に気付いたりと、甘すぎない
その辺のバランス感覚はさすが辻村深月さん
いずれこの4人も他の作品に出て来るかと思うと、また楽しみ
今後とも追いかけていきたい作家さん
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瀬戸内海に浮かぶ島、冴島に住む四人の高校生、朱里、衣花、新、源樹の青春ストーリー。
本土と島を結ぶフェリーは様々な人を運ぶ。
ある日、四人が島に帰る途中に会った都会人は、妙に馴れ馴れしくイヤな感じだった。
ある著名な脚本家が遺した幻の脚本を、この島に探しに来たという。
そんな脚本は全く知らない。
故郷から逃げるように冴島にIターンでやってきた元競泳選手と、島で生まれた娘、
毎日ボーっとしているIターンの若者は何から逃げてきたのか。
60年前の島の噴火で離ればなれになった友達の真相。
小説で、田舎は閉鎖的、封建的など否定的に描かれることが多い。
確かに、この小説でも漁師の網元と網子の関係や、島にもともといる人とIターン組との関係など否定的に描かれる部分はある。
そんな島の暗い部分を吹き飛ばすように、高校生四人の視点から描かれる物語は、島の未来、そして自分たちの未来に希望を持つ明るい話だ。
爽やかな島風を感じるような小説だった。
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辻村作品は、「ツナグ」に続き2冊目。
本作は、瀬戸内海に浮かぶ冴島に暮らす4人の高校生の物語。
瑞々しい感性が心地よい、透明感に満ちた素敵なお話でした。
人間関係の難しさと、他人であろうと深く踏み込んで関わることのできる繋がりの素晴らしさと、田舎ならではの生きづらさと…、そういったものがうまく織り込んであって、4人の澄んだ目を通して見た世界が生き生きと描かれているなあと感じました。
すごく、好きだった。優しくて、きらきらと眩しい一冊。瀬戸内海の美しい景色が瞼の裏に浮かぶようなそんな感じ。
ツナグは少しダークな、人間の醜さも淡々と描かれていて、柔らかい文章と物語の合間に見える切れ味に少し驚いたりもしたんだけれど、この作品はどこまでも透明に澄んでいて、終始心地よかった。
とっても好みだったので、辻村作品制覇してやろうかなーーと。たのしみ!!
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2回目:2020/08/04
地方の暮らし/故郷とはなど考えさせられる。
コミニティーマネージャーのよしのが格好良すぎる。
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好きなことを続けるためには
好きじゃないことも
たくさんやっておいたほうがいい。
無駄に思えることに対しても
いつか感謝する日が来る。
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冴島という国内の架空の島を舞台に、
そこに住む男女の高校生4人視点から
島に住む人、Iターンの人々の物語が描かれる。
シングルマザーや村の振興に関わる政治的な話などなど、
物語に出てくる話題は多岐に渡るが、
好感の持てる高校生たち
(「冷たい校舎の時は止まる」や
「名前探しの放課後」みたいに
いい感じにできあがっている性格)
が主人公なおかげか、
全体を通して爽やかな雰囲気。
そして緩いリンクがこの作品にも。
見覚えのあるキャラクターの突然の出現に
深夜に自室で「マジか!」と叫んでしまった。
さらにこの作品、現実の出来事とも
リンクしていて、「私の大事な人の故郷です」の
セリフにはあ~そうだったっけ!ってなった。
まさかの熱い展開。
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美しい島で暮らす4人。
日々の暮らしの素晴らしさ
島で暮らす狭さと固さ。
少しずつ変わる島の暮らし。
踏み出す一歩が、気持ちを変える。
島を変えて行く。
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感想はブログでどうぞ
http://takotakora.at.webry.info/201612/article_2.html
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瀬戸内海に浮かぶ冴島という離島を舞台にした青春もの。
離島という閉鎖された空間の話しかと思いきや、
Iターンでやって来たそれぞれの理由を抱える人達、
そして変化を受け入れる島民たち、
その中で育つ高校生4人の日常。
それらがとてもリアルに感じられた作品。
所々、ご都合な展開はある。
幻の脚本を巡る話しや、そこに繋がる展開など、
それでもそこまで紡いできた物語の糸が、
それを良しとする希有な存在の作品ではないだろうか。
辻村深月という作家のアイデンティティが
存分に溢れている作品であるのは確かだった。
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今まで読んだ辻村深月作品の中で1番キラキラして爽やかな作品!離島の暮らしにはまったく縁がないので、離島での生活や、Iターンについて興味深かった。赤羽環が登場して、わぁぁぁ!となった。登場人物のリンク、大好き。
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とても爽やかな作品でした。町内に島を持っている田舎暮らしなので狭いコミュニティーの良いとこと悪いとこ、どっちも分かるなぁという感じです。
分かるなぁとは思いましたが共感はできなかったです。出会うには遅すぎた作品ですね。朱里たちと同じ高校生の頃にこの作品が存在して出会っていたらまた違ったのかもしれませんが、よかったね、という第三者的な目で見て楽しんでしまいました。卒業後の朱里たち、とくに衣花については実際はまずありえないだろうなと、でもそんな未来になったら素敵だよねと。もし彼女たちが実在していたら、朱里や新は島へは戻ってこないでしょうし、衣花は早々に島の誰かと結婚してお母さんになってそうだなと思いました。
朱里と源樹についてはちょっと今後が気になるので、またどこか別の作品で登場してくれたらうれしいかな。とりあえず「スロウハイツの神様」を再読したくなりました。
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高校生っていうのは、大人と子どもの間で、どちらにも属していてどちらでもない、微妙な時間だと思う。そんな、微妙な感覚が、そのまま描かれていて、でもそれがとても爽やかだった。
島で暮らす人たちの姿を、美しくて、素敵な部分だけでなく、うまくいかなかったり、厳しかったりするところも含めて描かれていた。そんな中で、朱里たち4人の高校生たちは、あくまでまっすぐで、とても気持ち良かった。
辻村さんの本らしく、なんとも言えない切なさとか、ひたむきさとか、そういうのがあって、あぁ、いいなぁって思った。
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辻村深月という作家は知ってはいたが、今まで一冊も読んだことはなかった。店頭で手に取ることはあっても、なぜか買おうとは思わなかった。
この本は、他の辻村深月の本と違って、何度か買うことを迷った。何度か目にし、何度か手に取り、何度か元に戻した。それがある日、残り一冊となっていたサイン本に何かを感じ、迷わず買っていた。
普段の自分だったら、この本に5点はつけないかも知れない。
今の自分には、とても心に沁みる物語だった。
瀬戸内海に浮かぶ小さな島、冴島と、そこで暮らす高校生たちの話。島と高校生。この二つのキーワードのうち、どちらかが欠けていても読まなかったかも知れない。
“いま”は永遠には続かない。
高校生の時間はいつか終わる。ほとんどの子たちが島を出て行く。つまり、これは「別れ」が前提の物語なのだ。
だから、なかなか読むことを進められず、少しずつ少しずつ読んでいた。
この日常がいつまでも続けばいいと。
でも、そんなわけにはいかない。
あったはずの日常は、過去へと変わっていく。その代わりに新しいものがやってくる。
けれど。
そんな中でも“つながり”は変わらない。
そっか。
だから、この物語の早い段階で「兄弟」という冴島の制度が出てきていたのか。
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はじめはなんだか読みにくく感じて、いつ読むのをやめてしまうのかと思いながら、のらりくらり読んでいたけど、読了。読みきって、人と感想を共有したい気持ちもあったし、苦しい100ページの壁を越えるとどんどんスピードアップ。最初の話はここと繋がるのね、いろんな話題が出てくるけど、島とぼくら、なんだよね。青春ものだし、人生もの。爽やかな海風のような読み終わりでした。
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裏表紙:”瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。
目次:Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、解説 瀧井朝世