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「グリコ森永事件」の内容を企業名や人物の名前以外、すべて実際に起きたことを忠実に再現し、小説化したフィクションです。著者が元新聞記者ということもあり、事件関係者にたどり着く経緯や、取材方法などは真に迫ったものがありました。終盤にはページをめくるのももどかしく、夢中になって読みました。400ページを越える長編で、読み応え十分な一冊です。
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ミステリーランキングでこのミス7位、週刊文春1位
高評価の鉄板ミステリー読んでみました。
『これは、自分の声だ』つかみOK、これは期待。
読み進めるとあれーーーーこれどっかで?
半年前に一橋文哉『闇に消えた怪人 グリコ・森永事件の真相』を読んでた。
著者も・・・について極力史実通りに再現しましたとあるようにドキュメントにかなり振られてるんですが
参考資料のドキュメントの…説、▲▲説を小説風にちょっと書いてみましたみたいな感じで、参考資料っていうかネタ本?
フィクション部分もいまいちかなぁ。
聡一郎さんのお父さん、お姉さん殺されてお母さん、聡一郎も不幸すぎる。対して俊也の伯父、お母さん『奮い立ったって感じかなぁ』ってなんだか。
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読み応えのある作品。
ノンフィクション部分が事実に忠実で、色々とささやかれている犯人説にも寄せているので、説得力もあり全て本当のことのように思えてくる。
実際のテープの声の主は、どのように今を生きているのか思いを馳せてしまう。
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グリコ・森永事件。自分が小学生の頃の事件だったが、やはり、グリコや森永の製品を買うのはなんとなく怖かった覚えがある。それ以上に、キツネ目の男の存在がなんとも不気味であった記憶がある。
この物語は史実をだいぶ取り入れているのだろうが、本当にこの通りの事件だったのでは?と思えるほどの説得力がある。
物語は、親の部屋で探し物をしていた青年、曽根が、英語で書かれたメモとカセットテープを見つけることから始まる。そのカセットテープは、31年前に世間を騒がせた事件で使われたテープだった。その録音の声は自分の声であると思い至る。
また、新聞記者である阿久津は、年末特番で31年前の事件を扱うことで、急きょ担当者になり、その風化された事件を追うことに。
曽根と阿久津、2人の視線で物語は進む。曽根は自分の父親がその事件に関わっていたのではないのかという恐怖からその事件を追い、阿久津は初めこそ担当者になったからというしょうがなく事件を追っていたが、途中から自分の正義から事件を追うことに。
この事件は、実際子どもの声を使った事件であり、犯人は子どもを事件に関わらせたということ。そして、その家族も被害者であること。それをちゃんと理解していたのだろうか。世紀の事件は悲しい背景があるのではと思わずにいられなかった。
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グリコ森永事件を、こういう形で描くとは。
未解決の事件というのは、なぜ未解決のままなのか、というところに意味があるのだろう。
大人の誘拐、毒入りのお菓子のばらまき、防犯ビデオに映る顔、そしてふざけたような犯行声明文。
あまりにも「ネタ」が多すぎて忘れてしまっていたけれど、あの事件の一番の被害者は、やはり「こども」なのだ。
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昭和の未解決事件「グリコ・森永事件」を題材にした長編。企業や犯人の名前などは変更してあるが、事件の経緯はかなり現実の事件に沿って、描かれている。この事件があった当時、自分はまだ小学生で「かいじん21面相」だけが印象深く残っていたが、この事件の裏にはいろんなことがあったのだと、30年以上経った今、知る事実に呆然となるほど。実際の事件の犯人の狙いは明らかになっていないが、作品では株価操作が目的だったとされている。ある日、突然、父の遺品の中から、事件で使ったと思われる脅迫テープを見つけてしまった曽根と、昭和最大の未解決事件を追う新聞記者・阿久津、二人の目線から事件が明らかになっていく過程も、すごく良く描きこまれていて、作者の事件への熱意が伝わる作品。
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グリコ・森永事件から30年以上だったんだなあと感慨深いです。よく書かれているなあと感心しました。真実は、一体なんなんだろうかと本当に知りたくなりました。昭和は遠くなってしまいましたね。
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面白かったです。グリコ森永事件の真相の物語。
とてもよく読み応えのある内容です。
”なるほど真相はそうだったのか!!”みたいなある意味
爽快感をえるということではなく。
本当にこういうことがおこっていたのかも。そうであれば
重く、暗澹たる気持ちになるような内容でした。
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グリコ森永事件、キツネ目の犯人、そうやったなぁ、そんな事件あったなぁと思いながら読み進めました。
総一郎がお母さんに会えて良かった。
それぞれが前を向いて、そして自分自身に結論を出すことができた。
それでもこんな悲しいことって…
読み応えありです。
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「ギン萬事件」から31年。
執拗に事件を追う新聞記者。
そして恐喝に使われた録音テープの音声が自分の物だと知った男。
2人はそれぞれのやり方で真相を探っていく。
読み進めていくと、私の中でプッツリと終わっている「グリコ・森永事件」が甦ってきた。
記者が事件を追う。
解決を望む思いも理解できるが、それが強すぎると
事件の被害者、記者自身も含め、特定の人たちを追い詰めてしまうのではないかと心配になってくる。
都合の良いことばかりではなく、私たちが本当に知りたいことを伝えて欲しい。
読み終えてそんなことを思った。
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グリコ森永事件の犯人を追うフィクション。
フィクションでありながら、
未解決事件の真相に迫っている雰囲気を覚える。
時代背景や怪しい輩のメンツを含め。
新聞記者と脅迫電話の声は子供時代の自分かもとう男、
それぞれが事件の闇に迫っていく。
迫っていく過程がかなりテンポ良く進むが、
あくまでもフィクションだからこれは致し方なし。
事件当事者達よりも巻き込まれた
家族や子供の存在の痛々しさが辛い。
1番犠牲者は彼らなのかもしれない。
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グリコ・森永事件を題材にした読み応えのある作品
1984年3月18日、自宅で入浴中だった江崎グリコ社長の
誘拐に端を発した阪神を舞台に食品会社を標的とした一連の事件。
2000年2月13日に一連の犯罪は完全時効を迎えた。
作品では、ギン萬事件として描かれていく。
被害にあった食品会社が以下の名称で対比している。
・ギンガ ----- 江崎グリコ
・又市食品 ----- 丸大食品
・萬堂製菓 ----- 森永製菓
・ホープ食品 ----- ハウス食品
・鳩屋 ----- 不二家
・摂津屋 ----- 駿河屋
この昭和史最大の未解決事件。
新聞の年末特集企画として、ギン萬事件を改めて追う文化部の記者阿久津。
ギン萬事件犯人の関係者の子ども?としてその真相を探ろうとする曽根俊也。
物語は二つの視点から進んでいく。
どこまでがフィクションでどこからがノンフィクションなのか
よく分からなくなってしまう。
もしかしたら、グリコ・森永事件の真相ってこうなんじゃ?
とまで錯覚してしまう。
こういうタイプの本は読んだ事がなかった。
実におもしろく読めた。
(学図)
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+++
逃げ続けることが、人生だった。
家族に時効はない。今を生きる「子供たち」に昭和最大の未解決事件「グリ森」は影を落とす。
「これは、自分の声だ」
京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった――。
未解決事件の闇には、犯人も、その家族も存在する。
圧倒的な取材と着想で描かれた全世代必読!
本年度最高の長編小説。
昭和最大の未解決事件―「ギンガ萬堂事件」の真相を追う新聞記者と「男」がたどり着いた果てとは――。
気鋭作家が挑んだ渾身の長編小説。
+++
グリコ森永事件を題材にした409ページの大作である。青酸ソーダ入りのお菓子が店頭に置かれたということで、当時子どもが生まれたばかりだったわたしも我が身のこととして恐ろしさを感じた事件だったので、興味深く読んだ。大々的に報道された割には、実際犯人は何が目的だったのかよくわからず、尻すぼみに終わった印象があったが、本書を読むと、妙に納得できてしまう。記者が、大きな事件の取材に際して、犯人はどんなにもっともらしい大義名分を持っているのかと思って臨むと、どうしようもない理由で事件を起こしていることが多々あり、がっくりする、というようなことを言っているが、このギンガ萬堂事件の犯人たちも、まさにそうで、それがリアルさをより増している。読後は、あの事件の真相はまさにこうだったのだろうと思えてしまうほどである。テープの声の子どもにスポットを当てたのも見事だと思う。読み応えのある一冊だった。
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一気に読んでしまった…
続きが気になって仕方なかった。
「グリコ・森永事件」を題材にしたフィクション。
最初はどうなるんだろう?と思って読み進めていったけど、明らかになるにつれ、とても苦しかった。
『「子どもを巻き込んだ事件なんだ」という強い想いから』書かれた本。
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グリコ森永事件をベースに家族の絆を書いた作品といったところか。犯人像の仮説としても面白い。ただあまりにも話が上手く進み過ぎるというのはあるし、読者がこの事件についてある程度知っていることが前提になっているように感じた。