紙の本
文章が美しいです
2016/10/26 01:05
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投稿者:dora - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しい言葉が並ぶ世界観が学生の頃から好きでした。
遊び心があるようなトリックも短編の中に織り込まれ余韻に浸ってしまう作品ばかりでした。
電子書籍
七つの短編
2021/12/02 11:11
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編ながらしっかりしたプロットはさすがという感じ。特に「路上の闇」は独特の緊迫感があってよかった。あと「孤独な関係」も先が読めないミステリー感が最高でした。
紙の本
連城氏らしい作品群
2017/08/24 00:31
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投稿者:クレメル鯰 - この投稿者のレビュー一覧を見る
確かに連城ミステリ初心者にとって、うってつけの入門書だと思います。
個人的には表題作の『顔のない肖像画』が一番に感じました。
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めくるめく幻惑と逆転の7編。読む手を止められないが、同時に、一編を読むたびに間をおいて噛み締めたくもある。文体とストーリーと謎をかくも華麗に融合させる作家は今後出てくるのだろうか。8.0
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1.潰された目
一つの強姦事件について、
関係者の供述という形で進行する。
語り手が変わる度、
事件の見え方が様変わりする。
真相は予想を上回るものだった。
2.美しい針
「先生」と称する男が
「患者」の女に施そうとする
「治療」の目的とは。
激しい官能的描写の行き着く先が
全く見えずに惹きこまれた。
これまた驚きの真相。
3.路上の闇
連続タクシー強盗が発生する中、
山岸は1台のタクシーを拾った。
彼のコートの内のシャツは
真っ赤な血に染まっていた。
運転手と山岸の腹の探り合い。
展開が限られてしまう設定だが、
それでも読ませる巧さがあった。
4.ぼくをみつけて
誘拐されているから助けて欲しい、
子供の声で掛かってきた110番。
だが、その子は9年前に誘拐され、
犯人の手で殺害されたはずだった。
設定だけでもう面白い。
倒叙ものといった感じ。
驚きよりも話の出来に感心させられた。
5.夜のもうひとつの顔
不倫相手の平田を殺害した葉子。
遺体を発見した平田の妻・雪絵は、
あろうことか部下の葉子に助けを求めた。
続いても倒叙もの。
しかし、この作者が似た様な話を
二編続けて書く訳がない。感服。
6.孤独な関係
偶然懇意になった部長の妻から、
彼の浮気調査を頼まれた野木冴子。
素人探偵気取りの冴子が掴んだ真相は。
浮気相手は一体誰なんだ、
と読み進めると二転三転
予想外の真相が待ち受けた。
7.顔のない肖像画
日本の画壇を駆け抜けた荻生仙太郎。
彼の作品を独占していたある富豪が、
オークションを開催するという。
偶然知り合った荻生の妻から、
ある作品を競り落とすよう頼まれた旗野。
オークションの真意、
荻生未亡人の真意とは。
表題作も納得の余韻の残る作品。
どうしても薄味になりがちで
短編はあまり好きじゃないんだが、
連城さんは例外。
どの作品も短編とは思えぬ読み応え。
これまた素晴らしい短編集だった。
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〈鮮やかに、芸術的ー〉
「美しい針」に漂う夢野久作の雰囲気。
「路上の闇」の世にも奇妙な物語感。
「顔のない肖像画」の、どんでん返し。
魅力的で、驚きの話が全7編。
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美しい針くだらなさが最高。
路上の闇の展開は読めたけどテンポがよくて一番読みやすかった。
表題作はラストの切なさが好き
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「夜よ鼠たちのために」と双璧を成す短編ミステリ。反転に次ぐ反転は、構図が見えやすい嫌いもあるが、「孤独な関係」はそれを逆手にとった結末で、新鮮な読後感がある。そして表題作は、アカデミー賞作品と言われても違和感がない程で、1人の人生が描きこまれていた。
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わりとありきたりな設定で、なんとなくオチが分かるな~と思いながらも
美しい表現に酔いしれながらサクサクと読んでいたら、
表題作にやられた………。
もうこの小話が読めたからOKですというくらい。
余韻もいいんだよなあ。
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ミステリと恋愛小説が融合した7編からなる短編集。
連城三紀彦3作目。
私の部屋の本棚には連城三紀彦作品で占有された一角がある。そう、私は連城三紀彦を崇拝する者の1人である。
初読【夜よ鼠たちのために】で、美しき文体で描かれた短編叙述ミステリを体験し面食らった。余韻冷めぬうちに長編ミステリ【白光】を連読、美しき文体と構成力はそのままに、人間の闇の底が淡々と綴られ、最後の真実にたどり着いた時は完膚なきまでの衝撃を食らった。そして確信した。この人は天才だと。
以降、今は亡き連城三紀彦を敬愛し彼の作品をコレクションのように集めている。
約8か月ぶりの連城三紀彦作品。
感想から述べると前読の2作品ほど飛び抜けたインパクトはないものの、安定した構成と美しい文章、捻りの効いたどんでん返しに、もてなされた。
病院で女性患者が医師に強姦されたという証言から始まり、医師、医師の婚約者、患者の妹など複数のバラバラな証言から驚きの真実にたどり着く「涜された目」
亡き画家の遺作を他者に買い取られた未亡人から金に糸目をつけず競り落としてくれと依頼を受ける主人公が、不審な点を残しながら進むオークション、やがて明かされる衝撃の真相が描かれた表題作「顔のない肖像画」
特にこの2作はハマった。
ミステリ < トリック
と言う方が合点がいくかもしれない。
目から入る文字が脳で映像へと変換されていく。
映像が物語に沿った展開を見せるので私もその後を追う。
ちゃんとついて行ったはずなのに、ちゃんと疑っていたはずなのに、最後は見事に逆転している。どこかでちゃんと期待しながら。
その一瞬の、果てるような快楽をくれる作品であった。
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これはまた素晴らしい短編集であった、一つ一つに様々な趣向が凝らされていて、思うことがありすぎて、レビューにまとめることができない。安定の連城作品テイストである、まだまだ未読の作品が多い、再読も含めて読み進めていきたいと思う。
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表題作を含む7作品収録
いずれの作品も結末に驚かされました
どの作品も一筋縄ではいかない展開とでも
いいましょうか
とても楽しめました
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どんでん返し短編集。
『瀆された目』
『美しい針』
『路上の闇』
『ぼくを見つけて』
『夜のもうひとつの顔』
『孤独な関係』
『顔のない肖像画』
最初の二作が生々しすぎてきつくて、全部読めるかなと不安になったけど、『路上の闇』以降は楽しく読めた。
『ぼくを見つけて』と『顔のない肖像画』が好きかな。
なんていうか恋愛とミステリというとやたら不倫とか生々しい情事とかが出てきがちで、そういうのは苦手なんだよな…。連城作品を読み進められるか心配になるのはこういうところ。カマトトみたいで我ながら嫌なんだけど、男性視点の生々しい欲望みたいなの描写されるとゾッとしちゃうんだよな。