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紙の本
切れ味鋭い当麻鉄彦のメス
2016/09/24 21:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
医師大鐘稔彦が描く外科医当麻鉄彦の物語である。すでに文庫本11冊からなる巨編となっている。医師の日々の動きを追っているとこれほどの大作となってしまうのはよく分かる。普通であれば、食傷気味になってもよいはずだが、なかなかそうはならない。
医学上の詳細にわたって解説されてはいるが、読者が医師でない限り、その半分も理解できないであろう。それでもストーリーは興味津々である。今回のストーリーは当麻鉄彦の医師としての日々を描いているものである点では、従来とさして変わらない。当麻は琵琶湖近くにある民間病院チェーンの一病院の外科部長を務めている。
当麻の伴侶は病魔に襲われて、腕を持つさしもの当麻でも救うことはできなかった。しかし、その友人と出会い二人は結ばれる。こういう幹になるストーリーに後輩医師、恩師が絡んで進行していく。また、系列病院で外科部長として働く同僚の私生活なども登場し、飽きさせない。
ただ、飽きはしないのだが、このストーリーの主張が読み取れなくなる。以前は当麻自身が臓器移植を積極的に行っており、このシリーズの主眼が読者にも読み取ることができた。この小説の主張は何かと疑問に思っていたところ、最後に出てきたものがある。しかし、そこではすべてを語らず、次回に持ち越しとなってしまった。
なかなか読者を放してくれないようだ。こうして次回作も読むことになりそうである。こういう構成は大鐘医師ではなく、出版社が知恵を付けているのであろうか。うまいものだと感心させられる。
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