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主人公は小学2年生の女の子・眞子。
日々仕事に追われる両親からは放ったらかされがち。
そんな彼女が心を通わせるのは、同居している曾祖母。
ある時眞子は、ひいおばあちゃんとの手紙交換を思いつくが……。
冒頭だけ読んでから寝ようと思ったのに、もうちょっとあとちょっと、と手が止まらなくて、結局残り15ページという所まで一気読み。
帯で煽っていたほど「ひいばあちゃんの秘密」に意外性は感じなかったのですが、すれ違う家族たちのもどかしさや小学生特有の残酷さの放って置けなさに突き動かされて、ぐんぐん読み進めてしまいました。
ちなみに私が生まれた時、曾祖母はどちらも既に他界していたんですけど、今年2歳になった私の娘にはいるんですよね、ひいおばあちゃん(私の祖母)。
おばあちゃんとはまた違った距離感を持つひいおばあちゃん、長生きして娘の思い出にしっかりと残って欲しいなあ。
なんて事も考えながら読んだ一冊でした。
相手の「何が出来ないか」よりも、「何が出来るか」に目を向けたいものです。
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主人公・眞子・三十一歳。失業中。
眞子が小学二年生のときに亡くなって以来、
そのままにされていた祖母の部屋の片づけをすることに───
仕事が忙しくあまり面倒をみてくれない両親。
でも、かずおばあちゃんがいてくれたから、さみしくはなかった。
明治生まれのかずは、貧しくて学校に通えず、
読み書きができない。
一緒におそばを作ったり、鉛筆を削ったり、
宿題の音読を聞いてもらったり、
テレビの番組で「あいうえお」を勉強したり、
かずおばあちゃんと過ごしたかけがえのない日々。
「ヤな思い出も、いい思い出も同じだけあるさ」
ふと語るかずの言葉が、しみじみ心に響く。
ある日、眞子はおばあちゃんにお手紙を書いた。
おばあちゃん、おへんじください。
でも、おばあちゃんは、なぜかお返事をくれない…
そして二十年以上たった今、片づけの途中に見つけた古い千代紙。
胸に熱いものがこみ上げた。
どんなときでも優しかった祖母を思い出した一冊。
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もし自分の生活から『読む・書く』というパーツが抜け落ちてしまったとしたら、
一体どれだけ味気ない毎日になってしまうのだろう。
レストランで注文することだってできないし
回覧板だって読めない。
口にはできない思いをそっと手紙で伝えることだってできないのだ。
字の読めない曾祖母と、字を覚えたての小学生の女の子。
そんな状況の中でも、それを補ってなお余りある
二人のお互いを思いやる気持ちのやりとりが愛おしい。
だからなおさらの事、手紙が書けなかった曾祖母の悲しみも胸に迫ってきて泣けてくるのだ。
長い長い時間をかけて届いた、曾祖母からの短いお返事が素敵でした。
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偉いってどんな人?
カッコいいってどんな人?
おばあちゃん(曽祖母)は大人なのに字が書けない。
大人なのに字が読めない。
でも、
すごく素敵だし、すごく優しいし、すごくカッコいい。
こんな風に生きられる人になりたいなぁと思うおばあちゃんの話です。
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おばあちゃんの言葉には魂がある。
自分の言葉が自分と一致してる。
心に届くものがある、ということです。
今の言葉、自分から離れてないかなぁ と、
ときどき確認してみると
「私にできること」 に
つながっていくような気がします。
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ーー〈ふたりとも〉
一文一文を沁みこませるように読む。
ーー〈しあわせなきもちで〉
きれいな言葉だと思う。
ーー〈まっていました〉
優しく愛しい字の羅列だと思う。
大好きな『ふたりはともだち』の文章が沢山登場してきて嬉しくなった。おばあちゃんっ子なのでとても共感できる作品。
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かずおばあちゃんかっこよかった!
文字読めないことで色々な苦労をしたことだろう。一生懸命生きる和也おばあちゃんはたくましく、心が強く優しい。
『ふたりはともだち』の話を久しぶりに聞いて、しみじみとした思いになった。
人の死は時として、突然来たりする。私もおばあちゃん子だったが、学生で自分のことでいっぱいで、あまり優しくできない時に亡くなってしまった。それだけにおばあちゃんが出てくる小説はたまらない気持ちになる。眞子と楽しい時間を過ごし、大きなものを孫に残していけたおばあちゃんは幸せだったと思う。