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おかげ参りのお話は他にもあるけれど、代参犬が主役?のお話はなかなか無いのでは…と。テンポよくすらすらと読めはしますが、小説というよりは映画のあらすじでも読んでいるような…ま、そういう気軽に読める本です。☆3.5
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江戸時代の伊勢参りを舞台にした、エンタメ時代小説。
生きて行くには困難が付きものである。何だかんだで行き詰まった人はときに、旅に出る。人生のリセットである。時代は変われど、そんな風に旅に出る人は昔からいたのかもしれない。
伊勢神宮へのお参りは江戸の庶民にとって1つの夢であった。一生に一度はお参りりしてみたい場所、それが「お伊勢さん」だったのだ。60年に一度の遷宮がある年はひときわ御利益があると言われ、江戸庶民は大挙して伊勢路を目指した。これを「おかげ参り」と称する。
とはいえ、旅をするにも先立つものはカネである。貧乏人はおいそれとは旅立てない。町内で皆がカネを出し合って、くじで代表者を決め、行けない者の代わりにお守りや魔除けを買ってくる「代参」が往々にして行われた。
一方で、信心だから、大目に見ろ、とばかりに、奉公人が主人に黙って、あるいは子どもが親に言わずに、抜け出して参る例も多く見られた。「抜け参り」である。金もないのにどうするかといえば、行く先々で路銀を寄付してもらうのである。伊勢まではいけないものが金を恵む代わりに、自分の分もお参りしてもらうという寸法だ。「抜け参り」するものは、目印として柄杓を持つのが習わしであった。
さらに、伊勢参りに出かけたのは人ばかりではない。お使いとして、犬を行かせる例があったという。首に「代参犬」と札を付けると、道中、人々が食べ物を恵んでくれ、ときには首の袋に喜捨もしてくれる。「伊勢参りに行く犬だからどうぞよろしく」と札に書いておけば、街道を迷わぬように人々が連れ歩いてくれるというからのどかなものだ。
このあたりにご興味がある方は、『犬の伊勢参り』が参考になる。
予備知識はここまで。
さてここに、1人の博徒がいる。名は辰五郎。そろそろ中年にさしかかり、博打のツキも蔭りを見せてきた。大枚の借金があるが返せる当てがない。折良く、町内の代参のくじにあたり、夜逃げすれすれで伊勢参りに出かける。
ひどい奉公先に放り込まれ、辛い毎日を送っている男の子、三吉。親はその後、行方不明。たった1人の姉が祝言をあげると聞いたが、旦那には暇をもらえない。伊勢参りにかこつけて、姉の元に行こうと黙って出てくる。
もう1人、死のうと思い詰めた薄幸の女、沙夜。婚家でさんざんな目に遭って飛び出してきたが、自分など生きている価値がないと悲観し、命を絶とうとしたところ、行き会わせた辰五郎と三吉に助けられる。
この3人がともに、伊勢を目指すことになる。
3人にはもう1人、いやもう1匹の道連れがいた。白い紀州犬、翁丸。名前は立派だが、食い意地ばかり張った駄目犬である。
人生に躓いたもの同士、家族連れのふりをした方が宿代も安いと、1つ部屋に泊まり、枕を並べる。東海道をお伊勢さんまで、名所を見、名物を食べては旅するうち、いつしか互いの境遇も打ち明けあい、疑似家族のような絆が生まれていく。
とはいえ、辰五郎は根っからの渡世人。博打も打てば女も好きだ。下ネタの下品さにはときどき閉口した。が、実のところ、弥次喜多で知られる「東海道中膝栗毛」もキワどいネタには事欠かないか���、そちらに比べればむしろかわいい方かもしれない。
著者は、映画化もされた「超高速!参勤交代」シリーズの作者であり、歴史の裏舞台も散りばめながらエンタメにまとめ上げていく。
「東海道名所図絵」を手引きに歩く3人の旅は、タイムトリップをしながらグルメ旅も楽しめる趣向。宿場ごとに章立てされているため、通勤途中や寝る前の細切れ読みにも向いている。
終盤には思いがけず大きな陰謀にも巻き込まれ、あっと驚く結末を迎える。駄犬だと思っていた翁丸の意外な正体も明かされる。
ラストは次作への含みを持たせるが、続編はあるかな・・・?
甘いものや塩辛いものをたらふく食べる、おバカだけど憎めない翁丸のその後知りたさに、次が出たら読んでしまう、かもしれない。
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それなりのボリュームがありながらテンポ良く読めた。
やや掘り下げが足りないというか、一つ一つのエピソードがアッサリしている感はあるが、全体的には楽しく読めた。
博奕で多額の借金から逃げている男、子供が出来ないことを婚家に責められ死のうとした女、両親に捨てられた少年、そして誰かの代理参りの犬というメンバーでの伊勢参り。
それぞれが旅の中で変化を見せて、三人と一匹の関係も変化していくところが良かった。
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軽く読める道中モノ。
博徒の辰五郎が、お伊勢参りの途中で、奉公先を抜け出してきた子供の三吉、訳あり女の沙夜、そして代参犬の翁丸と出会い、共に旅をしていく話。
各々が抱える事情や、道中色々ありつつも、心温まるラストで終わるので、安心して読めます。
ダメ犬(?)・翁丸が美味しいところを全部持っていく感じなのですが、そこが好きです。
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江戸から伊勢まで。ドタバタ珍道中。土橋先生5作目。5戦4敗。泣かされすぎである。この代参犬システム可愛すぎるでしょ。 (代参犬:江戸時代に流行った60年に1度の伊勢神宮への集団参詣「おかげ参り」。旅が出来ない人は「代参犬」として犬に思いを託して送り出した。代参犬を見かけた人々は、これを伊勢へと導き、また首に着いた袋に寄進を与えた。)
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伊勢参りがしたくてもできない主人に代わり、犬が単独で伊勢神宮まで歩いてゆく「犬の伊勢参り」。そして参拝しお札をもらって帰る犬のことを「代参犬」といいます。江戸時代に百年ほどつづいた流行をもとに書かれた小説が本書です。
博徒の辰五郎はある夜、お伊勢講のくじに当たり長屋の代表として伊勢参りへと出発しました。ひょんなことから途中で出会った代参犬の翁丸、奉公先を抜け出してきた三吉、訳ありの女性・沙夜と旅を共にすることになりますが…?
犬の伊勢参りの最長距離記録としては、なんと3年をかけて青森・黒石と伊勢神宮を往復したという記録も。こういった事例にふれた『犬の伊勢参り』もあわせて読むと、より物語を楽しめます。
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先だってこんぴらにお参りする前に、何か面白い読み物はないかと南米の河を浚ってみましたらば、『駄犬道中こんぴら埋蔵金』という代参犬の小説がひっかかってきまして、で、それの前作がこちらのおかげ参りという伊勢への代参のストーリーだったので、こちらから先に読みました。で、代参犬の翁丸はあんまり出てこないのですが、紀州犬の白犬でスタミナがなく歯が悪い、グルメで臭いものが好きという設定。ビジュアルが今は亡きうちの爺さん(愛犬)そのもののような可愛さ。天保元年おかげ年で旅を共にするのは訳ありの三人、博徒辰五郎、丁稚三吉、自殺未遂美女沙夜、辰五郎の江戸っ子ダジャレがツボってかなり笑えた。柄杓で一本とって「これぞ男殺油地獄(おとこごろしあぶらのじごく)よ」とミエをきったり、温泉で明烏を唸ったり、ガマの油を売るところなどは寅さんのキャラそのもの。が、モテる男前の寅さんですが。出て来るキャラのほとんどが気持ちの良い人が多く、読了感が爽やか。翁丸も実はやんごとなきお犬様であることがわかるが、さしてほじくることなくさらりと言及されるだけ。もっと翁丸を全面にだしてほしかった。これだと博徒道中おかげ参りだと思う。ご当地グルメ旅アドベンチャー
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調子のいい博徒の辰五郎、代参犬(駄犬)の翁丸、親を知らない三吉、自殺を試みた沙夜、彼ら「偽家族」のやり取りが素晴らしく微笑ましかったです。
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伊勢神宮を目指し、東海道を旅する辰五郎、三吉、沙夜、そして紀州犬の翁丸。道中は様々な出来事や事件が起こり、結果的に?活躍する翁丸にはおかしくて笑っちゃいます。
博打にはまり、勝てば遊郭で遊ぶような辰五郎が、家族のふりをして旅を進めて行くうちに、今まで感じたことのなかった『家族』という温かさを感じるようになり、最後にはすっかり三吉の父親になっているところが微笑ましく感じました。
読んでいてページをめくるのが楽しく、たいそう愉快な3人+1匹のドタバタ珍道中ですが、ただの珍道中ではなく、クライマックスには将軍家斉様が登場し、大事件に巻き込まれ、そして翁丸が実は大奥の一目置かれるお方の犬だと判明したり、スケールも大きい物語だったことに、すごくびっくりもしました。
続編があることを知り、辰五郎、三吉、沙夜、そして翁丸の珍道中が続くのがうれしいです。
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人生は、博打の連続?
つきの落ちた孤独な博徒が、くじで引いたお伊勢参りで、家族を手に入れる。
一件落着、奇想天外だが、博打の心根なんてそんなに簡単に代わるものでもないだろうに。
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2020/02/14-04/16
道中で出会った3人と1匹の伊勢参り。それぞれが希有な運命を背負いながら伊勢神宮を目指す。宿場ごとの出来事が掘り起こしが不十分で興味が湧かない。土橋さんの道中ものとしては、物足りない。
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読む前には結構な分量に感じましたが、さらっと読めます
よくある東海道中もの、といっても読み比べたことがないのですが、面白おかしなお話です
良くも悪くも時間感覚が希薄なので、あっという間にお伊勢にたどり着きました
時間つぶしには、ちょうど良さそうです
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落語のペースで進むけど、
新しさがないので馴染みといえば馴染み。
小説というより脚本。
翁丸は歳なのか、あまり可愛げには描かれていなくて、
ちょっと残念。
噛みつくのと、臭いのと・・・だけ?
おそらく漫画や映像なら、可愛いワンコになるんだろうけど。
「駄犬道中こんぴら埋蔵金」も借りてきちゃったから、
読むしかないか・・・。