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最近、彩瀬まるさんの本3冊目です。今までのイメージで読んだら、言葉の感覚などはしつくりくるけど内容は深い淵に落ちてしまった人側をクローズした感じでした。
同じような部分を自分も纏っているせいか苦手かも
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この著者はほんとうにそれらが見えるんじゃないかな?
気にもとめない場所やあるタイミングでふっとそれを思い出させる浸透ホラー
浮遊霊と地縛霊のちがいなんかその当人しかかんがえないでしょ。
愛する人、身近な人が亡くなった人らのまたは自分の心の奥底にあるもの、なにか、暗くドロッとした想いみたいなものが時間の経過で変わったりするのがちょっと不思議だった。
心に残ったのはよるのふち。悲しすぎる。なんでママ死んじゃったのと死んじゃったならそのバケモノから守ってと宏之と一緒に祈った。
ゆびのいとも怖すぎる。最後の一欠片を食べたらどうなっていたのかな?
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明けない夜などないからなんて嘘
どこかの学者の言い付け通りに地球が全力で回っても
僕の瞼は閉じたままだから
怖い夢を見る
海であったり川であったり
引きずり込まれるのはいつも深くて暗い闇
助けてくれなんて言わない
ただ寄り添っていてくれるだけでいい
そばにいてくれるだけでいい
たとえあなたが人でなくても…
この手の作品、一括りにホラーと言うものは巷に溢れてそのなかで個性を出していくのは至難の技なのだがそこをなんなくクリアする彩瀬さんのチカラの正体はやはり「やさしさ」なのだろう。
受け入れることから始まる物語、それは一条の光に満ち満ちている
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すべて近くに死がある奇妙で不気味な話ばかり。「明滅」の「もしも、真っ暗な、なんの救いもない場所に連れて行かれたら」の妻の答えが好きだった。
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著者の作品は「やがて海へと届く」以来。あれも確か魂が出てきたけれど、本作もたくさん出てくるので題名が言い得て妙だった。それでも怪談色はないので安心してトイレに行けた。
君の心臓をいだくまで…弱い心が黒い鳥となって比喩として現れる。心の闇に耳を貸したら全てを失う。
ゆびのいと…取り憑く者の底無しの所有欲に触れた。この欲が愛なのか未練なのかわからないが、この欲を捨て去りまたいつかめぐり逢おうと約束を交わした二人が眩しく見えた。
目が開くとき…官能のスイッチをオンにしても反応しなくなったら別のスイッチを探すしかない。
よるのふち…評価はこの作品。兄弟の張り裂けそうな思いが母を呼び寄せてしまう。母が邪悪さを捨て去った時に見せた、この世に存在した証を最後に確かめるような手の動きが美しくも哀しい。
明滅…無感覚でどこか空気の薄くなるような奥さんが、実は人の心の一番深いところまで察して感応できた。
かいぶつの名前…これも素晴らしい作品だった。ちゃんと課題をこなしながら成長して嘘をつかない魂として再出発できるのだから閻魔大王の慈悲なのかな。
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「かいぶつの名前」がよかった
30代後半になっても、考え方や性格って昔と変わらないような気がする
自分で変えようとしないと。
身近な人が手を差し伸べてくれているのに、その手に気づかない、いや気づいているけど自分の中に閉じこもっている私は、いつになってもかわれないんだろうな
2017.02
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弱ったとき、逃げたいとき、静かに寄り添う影がいる。
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いわゆるジャケ買い。
彩瀬さん何冊目かな。
こわくて切ない連作短編集でした◎
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気になりつつ手を出していなかった作家さんで、この本が初読です。装丁とタイトルに惹かれました。 短編集です。
独特ですね。全体を通して、不快とは言い切れないけれど居心地がいいとは言えないレベルの湿気に覆われている感じ。
その湿気の源は、喪失とか崩壊とか諦念とかの痛みや哀しみです。でもあくまでジットリじゃなくシットリ。
でも、そういうものの向こう側にあるであろう穏やかで満たされた希望とか幸福の匂いをほんの微かに感じさせてくれてから終わる話が多い。
「眼が開くとき」「よるのふち」「かいぶつの名前」が好きでした。
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「君の心臓をいただくまで」
少し読みづらかったが、他のお話はよかった。
「眼が開くとき」元同級生の初恋の男の子の才能を開花させていく描写にうっとりした。
「かいぶつの名前」地縛霊となってしまった少女。長い年月成仏できず、いつまでも留まることしかできないのが、とても可哀想。悲しくなった。
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短編が7つ.どれも幽霊というか幻というか,不気味な存在が主役のお話だが,その割に怖くない.「眼が開くとき」が良かった.瑠璃が博巳叔父さんと組んで写真の仕事をしているが,小学校時代の同級生 坂口暁がモデルとして現れて,話が展開する.そこに至る小学校での二人の話もほのぼのとした感じのなかにやや鋭い部分もあり,楽しめた.最後の「かいぶつの名前」は学校で自死した幽霊が現役の教師とやりとりする場面がなせが不気味だ.妹との確執がその娘との出会いに関連するところはゾッとする.
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現実の幻想の狭間
ホラーと情愛の狭間
気持ち悪さと居心地良さの狭間
なんだこの感触…。
寝床で読んでても、電車の中で読んでても、違和感たっぷりで心がざわつくのに、何故か小説世界に嵌まってしまっているという。
俺はここにいたいのか?出たいのか?いずれにせよ、綾瀬まる、またしても妙な世界に俺を誘ってくれました。
個人的には小学校の同級生がモデル(♂)とカメラマン(♀)として出会う話「目がひらく時」が一番良かったかな。ホラー感は少ないものの、揺れ動くことこそ不動の感情というか、そういう機微が心を落ち着かなくさせてくれてハラハラした。
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図書館にて。
ものすごかった。
読みながらたくさん泣いて、次の日は目が腫れて頭が痛くて大変だった。
読んでしまった、心の中にこの本の世界が広がってしまった。
一番泣いたのは「よるのふち」だ。
これはもうどうしようもない。あまりにもつらい。
父親の描写も秀逸。
この他のどの物語も現実から少し離れた存在を扱ってはいるけれど、いつも人は本当はそんな世界に接しているのかもしれない。
生きている世界だけではなく、死後の世界も過酷かもしれない。
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執着心の強い愛の話。
ちょっと苦手だなーと思いながら読んでいたら、すごく怖い夢を見て、起きてしまった。
好きな人は好きなんだろうなと思うけど、私は苦手だった。
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一人ぼっちで過ごす夜はなんとなく寂しく、誰かがそばにいてくれるだけで心強い。
だからといって朝が来るまでそばにいてくれるのは「人」だけとは限らない…。
背筋がひやり心がざわざわする短編集。
しんと静まり返った真夜中、心細い気持ちに付け入るように獣や鬼といった異界のものに絡みつかれる主人公達。
それらの誘いを拒むことも儘ならず、いつしかそれらの持つ柔らかい湿り気に心地好ささえ感じてしまう。
人の心を惑わすそれら異界のものはこの世から決して消えてくれることはなく、対抗するためには心を強くする術を自らの力で持つしかない。
彩瀬さんの独特の世界観に飲み込まれそうになりながら、けれどラストは切なくもどこか晴れ晴れとした気持ちになれた。
特に『よるのふち』の、いつまでも部屋に漂う亡き母のハンドクリームの香りに泣けた。
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全体的に怖いなと感じて、最後はすごい気持ちが溢れてきそうなおはなしが多かったなと思いました!!
個人的には『かいぶつの名前』が一番好きでした。
『眼が開くとき』もぞくぞくしてとてもすきなのですが、
『かいぶつの名前』のラスト4ページで涙がやって来ました。(前の段階でも泣いたからかも知れません)
好き嫌いは別れそうなお話なので万人受けというわけではないですが、よんで損はしないような気がします。