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怖かった本。
胸の中のなんともいえないネガティブな思いが、物理的な形をもって現れる様がなんとも不気味で、読みづらかった。
彩瀬まるさんの作品の中ではダークな雰囲気。
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人の生と死と「食べる」が描かれているホラーファンタジーっぽい短編集。
「眼が開くとき」の描写がとても良かった。
幼い頃から美しいものの1番美しく見える構図が思い浮かぶカメラマンの瑠璃が小学校の時の美しい、食べたいと思った転校生、暁に再び出逢い暁を売り出していくお話。
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他の彩瀬作品に比べて(比較対象が少ないが)、より身体性のグロテスクな部分が強調されている気がする。それでも短編なので読者が踏ん張る時間も短くて済み、この手の作品にしては読みやすいのではないだろうか。生々しい描写にこちらもえぐられていく感じはするけど、最後には救いが待っているところが彩瀬作品の魅力であると改めて感じた。
夜寝る前に一編ずつ読んでいたのだけど、読むのに不思議な体力が使われてぐっすり寝れたような気がした...笑
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これはまたくちなしとは違った不気味さがある六つの物語でした。ぞくっとする。
個人的には眼が開くとき、が好きです。
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ホラー短編集。あの世の者が出す食べ物は食べてはいけない…引き込まれてしまう。どうして愛すべき人をあちら側に連れて行こうとするかな…と思慮の浅い私などは思ってしまう。トシのせいか、温かい話が好きだから、こういう内容は頭がうけつけない(笑) どういう事か誰か説明してーってなっちゃう。気持ち悪いの先の作者の思惑をきちんと読み込めるには どういう読書すればいいんだろーって思った。
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読むほどに包まれるねっとりとした湿った空気。息苦しくなって手を伸ばした先、私に掴めるのはなんだろう。むしゃむしゃと頭から食べたいなにかなのか、手で掬ってもこぼれていくなにかだろうか。眼を背け、見ないようにしていた自分の一部を切り取って差し出されて、それでも背筋に走るのは冷たさよりもあたたかさ。好みは「眼が開くとき」「かいぶつの名前」
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彩瀬さんは死んだことないはずなのにこれだけのイメージ。すごいわあ。
若いころなら「ふ~ん」で終わってたかもだけど、晩年に近ずくお年頃の私には強烈なものがあった。死んでからも哀しみたくないなあとか、やっぱり生きてる時間は大切にしなけりゃなあとか、清廉に生きたいなあとか・・
だから怖いという事なく心かみしめて読んだような気がする。
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怒りでどうにかなりそうな日が生きてるとあるけど、それをこじらせると救いようがなくなる。
この本はそれの一歩手前、怒りよりも優しさが少し多く垣間見れた。私も優しさだけは絶対人に伝えていこうと思う。
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「体がなくなったって、私はあなたの奥さんだから」
火葬したはずの妻が家にいた。生前と同じように
振る舞う彼女との本当の別れが来る前に、俺は
果たせなかった新婚旅行に向かった…。
幻想から再生へと続く連作短編集。
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ホラーでした。”死”が”異形”と結びつく様を描く。それでも、畏れはあっても怖れることなく、じっと見つめ続ける。そのまなざしが、彼女らしさ。
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うーん、イマイチ。
読んで「?」ってなる所が多々ある。
「よるのふち」が1番好きかな。
お父さんの苦労とストレスがすごくリアリティがある。
施設の電話番号を見つけてクソって言ってるのがすごく印象的。
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死をモチーフに描いた短編集。
初めましてのこともあり、その独特な質感に
最初は少し戸惑ってしまった。
とても幻想的ながらリアルな息遣いがあって
恐ろしくも寂しい不思議な感覚にさせられる。
ラストの地縛霊の心を描いた「かいぶつの名前」が
とても好きだった。
寂しくてどうしようもなく泣きたくなる夜を
誰でも一度は経験したことがあるだろう。
そんな時に寄り添ってくれるものには
その正体が何であれ、
しがみつきたくなるのかもしれない
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繊細な文章やった。
感情移入しまくって電車の中で泣きそうになった。
ずっとその世界の中でみんなを横から見てるような感じで読み進めれた。
どの話も読み終わった後にタイトルの言葉が染みてきた。
素敵な本やった。
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どろりとした湿度の高い文章。
現実と夢の境目がわからなくなる、
幼い頃田舎の祖母の庭でいつかみたような風景を思い出す描写が好き
短編でいい感じに澱んでいて読みやすい。
毒が必要な日にそばにあってくれてよかった
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血生臭いような、不気味なぬめりを感じる文章だった。
かつて人間だったもの、怨霊的な何かの物語たち。
この作者の本を読むのはじめてだったんだけど、可愛らしい作者名と、一見優しそうな本のタイトルから、こんな短編集だなんて予想だにしなかった。
私は一人で食事するときに本を読む習慣があるんだけど、この本を食事中に読んだら、ダメですね。
「よるのふち」は、事故で死んだ母を求めて幼い弟が泣いたり、霊的なものに取り込まれそうになってぼんやりしてる姿が、読んでてツラくて、泣けた。