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末期患者がいかに死に向き合うか,また医者とはどうあるべきかを考えさせられる物語3編.いろんなタイプの違う医者がいて死に臨むありようも色々なのは当たり前だが,自分の身に置き換えると悩んで答えが出ないと思う.その葛藤の中での一つの答えを提示して,とても潔い,美しいといってもいい最期だった.
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恋愛ものっぽい表紙ですが、尊厳死を題材にした話でした。延命治療をするか、しないか。命の対価にどこまでなら差し出せるのか。ただ苦しいだけの余命を伸ばすことに意味はあるのか。2話目は大学生の女の子がALSになる話で、読むのが辛かったです。
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同期三人の医師の終末医療に対する三者三様の思い。医師と患者各々が、最期の選択とどう向き合うか?三篇の作品で構成されています。
やわらかなイラストの表紙とは異なり、「死」について考えさせられる深いテーマの医療小説です。が、それぞれの心理描写に引き込まれました。とくに三篇目は衝撃的な展開で、一気に読んでしまいました。
(まじろ)
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ライトノベルかな
と思って読み始めましたが
ごめんなさい
すごく良かったです。
3編の患者の死についてかかれています
どう死に向かい合うのか
自分の死は受け入れられても子供の死は受け入れられないな…
自分も子供が成人してからにして欲しいし
年始に家で読んでいたので,涙をこらえるのに必死でした
一人で読めばよかった
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医療の現場で、「生」と「死」の狭間で闘っている医者たちの物語。
この物語を読んでいると、自分の親父を思い出します。
癌を患いながら治療を拒み、自分らしく生きる道を選び、その人生を終えていった親父を。
物語の中では、そんな癌患者に対し、絶対あきらめないで闘おうと言う医者と、余生を自分らしく生きようと言う医者が対立する。
自分がもしその立場になったとき、どんな決断ができるだろう?
親父のように、はっきりとした決断はできないと思う。
読んでいて、悩まされるし涙が止まらない。
現代社会では、避けられない問題で本当に読むのが辛くなる物語です。
でも、読み終わったときには、感動で胸がいっぱいになりました。
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3つの話。
どれも、患者は亡くなってしまう。
共通なのは、自分で死に方を考え抜いて最期に鮮烈に光輝いて死んでいくこと。
最後に自分に残された時間がとても短いと気づいて、自分の本当の生き方を決める。
人って死んでしまうのだ。
終わってしまうんだ。
忘れていたけど、私自身に、そんな不治の病が訪れないという確約はない。
やらなければ。自分の本当にやりたいこと。
本当は病院の話なんて、人が死ぬ話なんて全然読みたくないのに。なぜだか手に取ってしまった。
だが、私に今必要な本だったからなのかもしれない。自分のことをしっかり考える。
しっかりと、進んでいく。後悔しないように。
後悔のないように。
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読了。
100人いれば100通りの生き方があり死に方がある。
完治しない病気を受け入れ残りの時間を自分らしく命の質にこだわる医師、あくまでも延命にこだわり命の長さにこだわる医師、そして命に対し悩みながらも2人を取り持とうとする医師達の話。どちらが正しいというわけではない。考え方は何通りもあっていい。それぞれの考えで患者に向き合っていた相反する2人の医師が、末期癌の友人を前に今までの自分の行なってきたことを考え始める。
生と死を考えさせらる本。途中、何度も涙が止まらなくなる。通勤電車の中で読むのはおすすめしない。
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1年以上前に読んでたけど,登録してなかった&今回続編を読んだのでついでに。
闘病する患者と医者の話。
患者は皆最後は儚くなって行くのだけど、不思議に読んでいてそんなに重苦しくない。
静かな感動がある。
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最近はめっきり少なくなった本屋で出会い、あらすじに惹かれて、読んだ1冊。
「死」の事実を受け止め、ありのままの余生を送ることを後押しする桐子と、最後まで「生」を諦めない福原、二人の対照的な医師の模様を描く医療物。
今作では白血病の会社員、ALSの女子大生、そして、進行性の癌に罹ってしまった二人の同期の医師の3つの命を描く。
「死」を勧めることで、少しでも命を救いたいと思う病院関係者や患者の家族から、「死神」と呼ばれる桐子。
最初の2作では、その異様さが際立っているが、桐子を理解している同期の晴山が癌に侵されたことにより、その人物像の謎が解ける。
一方、桐子と対立し、悪役に見える福原もまた違う角度から、患者のことを大事に考えていることが分かる。
全ての物語が病気発覚から、亡くなるまでが短い。
その間の「死」との向き合い方の描き方が、とてもリアルで、自分が、そして自分の大切な人が命の宣告をされたら…とどうしても考えずにはいられない。
医師もまた人間であること、感動的な作品の割には過酷な現実もきちんと描いていることなど、著者初読みながら、すっかり魅了されてしまった。
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病や死に対する価値観が違う医者たちが、ぶつかりつつも、己が矜恃を胸に患者と向き合うというようなお話。
命を扱う職業というものには絶対に携わりたくないと昔から思っていた自分にとって、医者という存在は、尊敬すると同時に生き物としての種類が違うという認識でもあります。頭の出来はもちろんですが、人の生き死にを左右するという立場に責任を持つメンタルがです。
現実の医者がみんなこの物語のような葛藤を抱えているとはもちろん思いませんが、やっぱりこんな苦しみを生業とするのは恐ろしいと思います。
しかし、冷静に小説として判定すると、どっぷりハマりこんで読める深い物語かというと、いまひとつ。ストーリーやキャラクター設定など、感涙ポイントもあるものの心に突き刺さる決定打に欠ける印象。逆に、中学生から高校生にはうっすら漂うライトノベル感が受け入れやすいかもしれません。
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書店に広い面積で平積みになっており、ポップには「医療ドラマ」とあったので読んでみたが、あまり深さもなく非常に読みやすい一作だった。
悪人がはっきりしていて勧善懲悪。
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奇跡を信じ、最後まで諦めずいろんな治療をしてでも患者の命を助けようとつとめる医師がいる。
相反して、余命が短いのであれば患者に「死」を受け入れてもらい、残りの日々を大切に生きていくという道を説く医師がいる。
どちらがいいのか。自分だったら、苦しい治療をするより自分らしく最後を全うしたいかな。
でもこれが自分の子供だったらと考えると、どうやってでも生きていて欲しいと願うだろう。
なかなか考えさせられる、いいお話だったと思います。
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自分が薬学生なので、医療者側からの視点で物語を追っていました。
どっちの医師の意見も間違ってはいなくて患者を第一に考えた結果なのに、対立しているのは良い意味で面白かったです。
個人的には、一緒に悩んでくれる先生がいいですね
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正反対の考えを持つ2人の医者のお話。
私は福原の考えには共感出来なかったな、最後まで。
でもきっと、医療に携わる人達が常に抱える問題なのかなとも思えた。
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「生きる」ということについて、対照的な考えを持つ医師2人の姿を通して描かれている。
2人の医師の考えは一見対極しているように見えるが、患者が「最期までその人らしく生きる」ように望んでいる点は同じ。
ただ、「その人らしく生きる」ということは10人いれば10通りの生き方があるように、今までの人生・価値観などの背景によって大きく影響される。病に蝕まれながらも、最期まで可能性を信じて闘い抜くことも1つのその人らしい生き方。一方、残された余命の中で、闘病ではなく私生活を優先させることもまた1つの生き方である。どちらも間違いではない。「生きる」ということの核心に触れたメッセージ性の強い作品。
また、患者の余命受容までの感情の変化や、病に蝕まれていく身体状態の描写がリアルで、イメージがつかみやすく、臨場感があった。
なかなか題名からは予想しがたい、重く深いテーマの作品。