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筋立てがなく一見して思いつくままにダラダラと(もの凄い量の原稿用紙が反故になっているのかも知れないが)書かれた文章が、私には心地よい。そもそも日常生活を送っていて、考えが一つ処にまとまったり理路整然と落ち着くところに落ち着いたりすることもなく、いろいろな雑念のようなイメージが幾重にも並行して漂っている状態が常態化しているのではないだろうか。それを文章にすると”すとんと”分かったような気になるのだが、その書いている文章に触発されて新たなイメージがまた漂いだすような気がする。
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”ゴドーを待ちながら” 緒方拳さんで、テレビの舞台を見た。 兎に角、ことばの口調が気に入って、当分の間、ゴドーごっこ(口調を真似て)していたのだが、なぜそんなに気に入ったのか解ってしまった。で小島信夫を試しに借りて見たら、ベケットだった。あるままを写す言の葉の難しさ、賢治が心象に特化して散文の形をとったこと、頷ける。
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"「誰か感想はありませんか?」と言うと、
「ハイ!」
と言ってすぐに手を挙げる優等生がいる、
「ピョンちゃんはきのうまで生きてました、ぼくたちはピョンちゃんが元気だとばかり思っていましたけど、ピョンは本当はどこか痛かったのかもしれません、
ピョンちゃんの痛さや苦しさをわかってあげられなくて残念です。」
と答えるバカ。" 101ページ
ここを読んだ時、これ私のブクログじゃん、と思って、やっぱバカだなぁ、恥ずかしい、と思った。改善したり反省したり、あるいは書くのをやめればいいのだが、バカだから、何を読んで何を思ったか記録しておかないと、すっかり忘れてしまうのだ。だから、記録のため、バカのまま続ける。
ここを読んでから、頭がシャキッとして、次の章「12 小さい声で書く」はとても面白く読めた。
全体を通して、どの程度理解しながら読んだのか、自信がない。
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表現や演奏が実行される前に、まずその人がいる。その人は体をもって存在し、その体は向き不向きによっていろいろな表現の形式の試行錯誤の厚みに向かって開かれている。