紙の本
大人が読んでも面白い児童書
2016/12/05 13:25
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投稿者:しのぶ - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学生高学年向けと書かれていましたが大人が読んでも十分面白かったです。十一月荘に下宿することになった爽子がそこで暮らす女性たちや近所のおばさんたちと知り合っていく中で自分を見つめ直す話。
紙の本
素敵な物語
2016/11/07 14:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bug - この投稿者のレビュー一覧を見る
福音館書店から新装版が発売されました。まず装丁が、息を呑むほど美しいです。
表紙絵は高楼方子さんのお姉さんの千葉史子さんで、中の挿絵は高楼方子さんご本人が描かれています。
どちらもイメージぴったりで素敵です。
中学2年生という女の子にとっては特に複雑な時期、この十一月荘で過ごした2ヶ月は、爽子にとって特別なものになりました。
爽子が書く「ドードー森」のお話は、高楼方子さんが学生時代に大学のレポートとして提出した物語だそうです。これが高楼方子さんが作家としてスタートするきっかけになったと思うと、感慨深いです。
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たかどのほうこさんと言えば・・・10歳の娘も大好きな「まあちゃんのながいかみ」「へんてこもりのはなし」シリーズ、「つんつくせんせい」シリーズ
長編の物語は初めてだったけれど、その文章の瑞々しさともうすっかり忘れてしまっていた14歳の感性に大人の私も想像以上にヤラれました(●´ω`●)
現在作家志望の娘も何かを感じたらしく?!私が読み終わるのを待ちきれずに読み始めてしまって・・・ちょっと背伸びした気持ちで楽しんでいる模様
再版された福音館の装丁も素敵です♡
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読み終えたその瞬間、涙がすーっと流れました。何だろう、この気持ちは?頭が爽子になりきっていたのでしょうか。気持ちがとても晴れやかです!また来年、読み返すことでしょう。2016年に福音館から発売されたこの本を2年間寝かせていたが、イベントをきっかけに扉を開くことが出来ました。誘って頂いたことに感謝です。扉を開かせてくれて、本当にありがとう。
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「緑の模様画」の次に読みたくなって手に取り、『緑‥』以上に好きになった。
こちらは『たのしい川べ』、『クマのプーさん』、『不思議の国のアリス』を下敷きにしているもよう。
主人公、爽子の書くお話も十一月荘も好きだが、彼女の細かな心理描写にドキッとさせられる。
自分の周囲の人間を見渡しても、読書好きの人のお話へののめり込みかたって、才能としか言いようがないほど素晴らしく、できればそっち側の人間に近づきたいなあと思う日々である。
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2ヶ月間1人暮らしをすることになった中学生の少女が自作のお話を書きながら少し大人になっていくお話。
現実と創作のお話が交互にあり、お話の文字が大きめでした。
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さわやかな気持ちになるお話だった…
つい自分の娘達に重ねて読んでしまい、14歳になったら爽子ちゃんのようになってもらいたいなぁという想いから娘が14歳になった時をイメージして十数年ぶりに女の子の絵を描いてしまった…
清潔感のある、でも年頃の悩みを抱える女の子。
私も学生時代はいろんな葛藤を持ちながら過ごしていたけど自分と向き合う時間は少なかったように思うので、娘達には忙しすぎない青春を過ごしてほしいなぁ。
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十一月が特別に感じられて、十一月生まれの自分に嬉しくなった。
図書館で見つけてたまたま借りた本でしたが、読み終えた後自分用にさっそく購入しました。
この季節にぴったりだし、新しい事を始めたり新しい環境に変わる時に読むと更に元気もらえるなと思った。
幅広い年齢層の女性が出てくるので、読む時の自分の年齢によって感情移入する人が変わるのかも。
それもまた再読時の楽しみだなあ。
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私が中学生の頃はもっともっと自己中で子供だったように思う。
爽子ちゃんは優しくて強い女の子だなぁ。
感情のコントロール、客観的に自分を見るところ、見習わなくては。
とても素敵なお話だった。
作中作のお話も。
出会えて良かった。
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読み進めながら、私も一緒にワクワク。
主人公は大人っぽい子だなあと思っていたら、年相応の恋愛模様も出てきてキュンとしたり。
作中のお話もとても楽しかった。
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一目惚れした赤い屋根の家。そこに下宿することになった中学生の爽子の2ヶ月間の物語。
少女の頃にしかないであろう、僅かな心の機微を、ここまで丁寧に書ける高楼さんはすごい!私もこんな事考えてた。これ読んでた!そうそう、こんな事したかった!読み進めるごとに高鳴ってくる気持ちを抑えつつw、優しい十一月荘の住人や気になる男の子耿介くんとのふれあいで成長してゆく爽子が頼もしく可愛らしい。そして文中で爽子が書く『ドードー森の物語』がすごくいい!これはハッキリ言って嫉妬したw。私が中学の時、こんな物語は書けなかったからw(図)
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耳をすませば、荻原規子作品、さとうまきこ作品系統にピンと来る、児童文学をたくさん読んで育ってきた人たちに強くおすすめしたい本。
たかどのほうこさんの大きい子向けの本を3冊読んだが、これが抜群に良かった。
たかどのさんらしく、寒冷地を舞台に、中学生の爽子(そうこ)が、十一月荘という不思議で素敵な建物とその住人に惹かれて、一人で期間限定で下宿し、自分や家族に思いを馳せて、友人、近所の人、コウスケとのふれあいを経て、本を読み、物語を作ることで、自己の成長と未来を見つめていく。
本書は、一種のファンタジーでもある。
この世の場所とは思えないような世界に身を置き、自分を見つめ直し、またもとの世界に戻っていく主人公。
そこにいる大人たちもまた、かつてはこの少女のように迷い悩んで大きくなった。
大人になってからも、既存の人生観との付き合いに、苦心して、現在のところに行き着いた様子も語られている。
大人になることへの、明るく力強いメッセージに救われる。
思春期独特の重苦しさや、先の見えない不安、逆に周囲の憧れの大人たちの言動から得る励ましの言葉の持つ力を、「きちんと形にして、言葉で見せてくれる」力作。
物語を作ることで、爽子が得ている癒し、没頭感、達成感や、現実とのリンクを楽しむ様子が快い。
(私自身、偶然ながら11月の終わりにこの本を読み始め、エンディングたるクリスマスごろに読み終えた並走感を楽しめた。その昔、私が物語?を書いた時にも、物語が本当になったような、現実とのリンクを感じた瞬間があり、それが雷に撃たれたような衝撃だったこともこれを読んで思い出した…フフフフフ)
爽子の描く物語は、「楽しい川辺」「くまのプーさん」にヒントを得たような雰囲気で、cv石井桃子とでも言おうか、見事に古風な岩波少年文庫の味があって、でも、たかどのさんらしいユーモアもあり、これはこれで素晴らしい一つの世界を作っている。物語を通じて、コウスケとも距離を縮めていく様子もいい。文房具への愛もいい。とにかく共感の嵐です。
後半、のどかさんの、タイトル回収のエピソード、それを創作物語にも取り込み、さらにエンディングのピアノコンサートにも繋いでいくところは、この作品のクライマックスとして、これ以上ない、収まりの良い形で、読んでいてとても嬉しかった。
母親にキツく当たる部分は苦しかったけど、母のことをひとりの人間として認めていくようになる流れは、手紙とそれに対する爽子の反応だけでうまく表現されていて、とても良い。
おわりに、ラピスで偶然コウスケと会えた時、最後に言葉を交わして、「ありがとう。読ませてもらって。楽しかった」とコウスケが言い、爽子が「…ありがとう…読んでくれて…」と返すところで、こっちも涙が出てきた。よかったね。よかったね。
コンサートの夜、コウスケが、本当に最後に、微笑みを交わすところもいい。
創作に対する爽子の気持ち、大人になっていく自分への思いなど、アンダーラインを引きたいような箇所が何度もあった。
たくさんの爽子と、��子だった人たちにぜひ読んでもらいたい物語だ。
(かくいう私は、『たのしい川辺』は未読。ガンバリマス)
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十一月の扉 高桜方子 福音館書店
物語の中に物語が重複していると言う
複雑なストーリと同時に
通りすがりにもらったと言う
ガラス玉に写るアーチ型の扉と
そこに書かれたロシア語の文字〜
清々しい展開を見せる童話であるが
ひとつ気になるのは
言い回しが丁寧で複雑すぎるのと
造語や使い慣れない言葉が
多すぎることに違和感を感じてしまう
それにしても作家の名前を
どう読むべきなのだろう
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「双眼鏡の中に、その家はふいにあらわれた。十一月荘――偶然見つけた素敵な洋館で、爽子は2ヵ月間下宿生活を送ることになる。十一月荘をとりまく、個性的ながらもあたたかい大人たち、年下のルミちゃんとのふれあい、耿介への淡い恋心・・・・・・そして現実とシンクロする、もうひとつの秘密の物語。「迷うようなことがあっても、それが十一月なら前に進むの」。十一月の扉を開いた爽子を待ち受けていたのは・・・・・・」
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一行目:その家は、不意にあらわれた。
何かで紹介されていて、表紙に一目惚れ。
児童書だけど、大人向き。読むタイミングにもよると思うけど、私には刺さったなぁ〜良かった。
新潮文庫版などもあるようで、納得。
十一月荘に暮らす女性たちは、大人のはずなのに時々子どもにも見えるというか、主人公の爽子とひそひそ話をする場面なんて、女子学生同士の雰囲気。
決して爽子を子ども扱いしない。
女性同士、こんなふうには暮らせないよね、と現実的にもなるけど、いやひょっとしたらこんなふうにうまくいくんじゃないか、なんて夢をみたくなる。
苑子さんと爽子の会話もとてもいい。
以下、印象的な場面。
「爽子はぐうっと伸びをしながら、
「ああ、あたし、何だかすごく自由だ!」と声に出して言わずにいられなかった。ありもしなかったものを、自分の力で、目に見えるようにしたことの満足感は、自由を得た解放感にも似ていた。」
「十一月荘に来てから本当によく紅茶を飲む。何と言っても、一人きりになるときの気分が、家とはまるで違うせいだろう。住人たちと、どんなに親しくしゃべったとしても、ここではきっぱりと一人になる。そんな時にはぜひとも熱い紅茶が飲みたいのだ。」
「他人に対しては、礼儀正しく振る舞うことができるのに、母親となると、きゅうに邪険な気持ちが沸きおこるのは、今に始まったことではなかった。」